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それでも、生きてゆく [ドラマ]

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■先週木曜日に終わったドラマ。最近ドラマの感想はあまり書いてないけど、このドラマばかりは書かずにはいられない。しかも終了後一週間経ってるので記憶もこれ以上間を空けると曖昧になるし。視聴率は平均で10%切ってたみたいだけど、別にそんなのは(TV局の中の人はダメだろうが)視聴者は気にすることはない。

■脚本は全話通して坂元裕二。この人がブレイクしたのは同じくフジの月9「東京ラブストーリー」で、ヒロインのリカ(鈴木保奈美)がカンチ(織田裕二)に向かって、「セックスしよ?」という大胆な台詞で、視聴率が良かったせいもあり一躍有名に。ただこの「セックスしよ?」って言う台詞は原作の柴門ふみの漫画にもあったので坂元だけの功績とは言えないかな。そのせいかどうか知らないけど、坂元裕二と言えば、っていうか野島伸司とかも含めて台詞のクサさとか例えのあるある感に拘った書き手が多かったと思う。野島伸司の例でいうと、映画「君は僕をスキになる」のなかの台詞で、「僕は君を好きになったんだから、君も僕を好きにならないと不公平だ」…こんなの現実世界で言ったら即死である。

■坂元裕二の話続く。彼はブレイクして数作書いた後たぶん10年以上なりを潜め(そのあいだTMNの作詞とかもやってたみたいだけど)、2004年くらいに再度表舞台に登場する(間違ってたらすみません)。「トレンディ・ドラマの貴公子」フジのプロデューサー大多亮が現場復帰したのに併せて、月9「愛し君へ」「ラスト・クリスマス」の脚本担当。その後もいわゆる「フジっ子」らしく、「西遊記」とかも手掛けてる。その中で「わたしたちの教科書」というドラマは、社会派を目的として書かれたようで(菅野美穂、伊藤淳史、ブレイクちょい前の真木よう子が出てた)途中までは見応えあったんだけど、終盤若干失速気味。友人のTVプロデューサーMさん曰く、「彼は野島伸司に対抗しようとしてたんじゃないかな」と。それは深く同意した。その後も「太陽と海の教室」とか冴えないドラマを書き続け、本人としては忸怩たるものがあったのかも。

■しかし坂元裕二は、「フジっ子」という評判をはねのけるように、昨年の日テレのドラマ「Mother」で高い評価を得る。主役が松雪泰子で、子役が今「マル・マル・モリ・モリ」でブレイクしてる芦田愛菜ちゃん。擬似親子の物語で面白いところはあったのだけど、女性同士の話だと男の私は正直言って自己を投影できるキャラがなかったし、話も重かったので全部は見ていない。

■やっとドラマ本編にたどり着く。この時期だと関係ないコメディものとか恋愛ものに走るのが一般的なんだろうが、敢えてこのドラマをリリースしたフジの担当者たちには敬意を表する。

■主役の瑛太と満島ひかり。素晴らしかったですよ。申し訳ありませんお二人ともナメてました。瑛太は今風のトレンディ俳優として、満島ひかりは、それまで殆ど見たことがなかったので見たことのある映画「悪人」のチャラい女優さんという感想で。特に満島ひかりに関しては、あの「悪人」という映画上、徹頭徹尾チャラい自己中な女をやらざるを得なかった、ということに初めて気づいた。

■このドラマは、一般的には「重い現実を受け止めた被害者、加害者の両方の再生の物語」っていう風に捉えられてると思うのだが、それは違う。「究極の純愛ストーリー」なのだ。陳腐な話で「ロミオとジュリエット」みたいな恋愛の枷は現世界にはそんなにない。じゃあ視聴者が納得できる「枷」っていうのは何だ? ってとこから始まった話なのではないか? だとしたら、よくある「被害者と加害者の親族」って言う訳じゃなく、もっと突っ込みきれない「幼女殺人」だったら? なのではと。勿論以下も含めて個人的な妄想である。

■かつ坂元裕二は、主役二人に日常的に近いセリフ(世間話)をダラダラ喋らせて、ピンポイントでキーワードを喋らせる手法を取っていると思う。これを役者二人のアドリブと取る向きも結構あるけど、個人的には違うと思うな。今回に関しては全て計算上のことだろう。

■もう放映も終わったのでネタバレも大丈夫だろうけど、最終回の後半は、別れざるを得なかった瑛太と満島ひかりの文通ふうのモノローグが続く。しかしそれは実は文通ではなく、お互いの思いを神社のおみくじよろしく、お互いの近くの木に結びつけてただけ。なんと切ない。

■坂元裕二さん、現時点での代表作は出来ました。大丈夫です。が奥さんが森口瑤子さんていうのは許せません。前述のMさんも同意見です(笑)。

■全文改めて読むと、素人ファンの超上から目線がイタイ。ご容赦下さい。愛あるがゆえ。

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