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桐島、部活やめるってよ [映画]

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■2012/8/11鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年19本目で邦画10本目。なんとなく今年は映画の当たり年のような気がする。わたくしの趣味の範囲でだけど。

■感想の前提条件。吉田大八監督はかなり好きな監督で、メジャー映画のデビュー作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「パーマネント野ばら」(この映画かなり好み)そして今作と映画館で観ているのだけど、堺雅人主演の「クヒオ大佐」だけ観れてない。たまたまタイミングが合わずというか。レンタルDVDを借りに行こうとは思ってるうちに・・・。
あと、以下ネタバレ入ります。

■この映画、最初は観るつもりはあまりなかった。高校が舞台の青春映画(一般的なモノとは違うけど)だし、映画館で観客として行ったら周りから浮きそうだったし(と書いたら、知人から「真っ暗だから大丈夫ですよ」と言われたけど、お化け屋敷じゃないんだから映画始まるまで明るいって)。行ったのはまあ、口コミです。映像関係に詳しい知人の方々がみんな褒めるので。はい、流されやすい男です。でも流されて良かった。あと映画館でも実際は、レイトショーというせいもあったのだろうけど映画好きそうな年配の人々が割合多かったし。

■ストーリーは、クラスのスター的なバレー部のキャプテンで成績優秀な「桐島」が部活を辞めて、それでクラスの仲間や、クラス内でのヒエラルキーに大きな騒動を起こす話。大きな事件が起こるわけではない。ただ、普通の高校生活を送ってきた人間には「クラス内のヒエラルキー」はすごく実感できると思う。それに血道を上げてた人はいませんでした? はいオレです。現実はこの映画の主人公、神木隆之介演じる「前田」と同じクラスタでしたがorz

■個人的な感想としては、吉田監督は基本的にスロースターターだと思うし、映画の冒頭でつかみをガッツリ持ってくる人ではない。今回のオープニングもそうだし、頭で金曜日のシークエンスが繰り返されるのには「いつまで金曜日が続くんじゃ!」とか思った。最初はただのタイムシャッフルだと思ったんだけど、同じシークエンスをいろんな登場人物の視点で見せるのは、すごい緻密な計算だと思った。

■あと、吉田監督の映画では、だいたい「イラッとくる人」が出てくる。「腑抜けども」では主演の佐藤江梨子だし、「野ばら」では池脇千鶴だったり。今回は吹奏楽部長を演じる大後寿々花。片思いの彼を見るためだけに超自己中で、神木隆之介の映画部を排除したりする。でも、「イラッとくる人」も含めてリアルなんだよね。

■高橋優の主題歌「陽はまた昇る」もすごくいい。MVは同じく吉田監督ディレクションで、前田くんのその後が描かれてる。



■邦画好きの人にはお勧めです。今年の日本映画ベスト10には入ると思う。ただ、まだ公開一週間めなのに、川崎地区ではすでに上映回を絞ってる。なんとかしてよ。

■2013/3/8追記。本日発表の日本アカデミー賞で、この作品が最優秀作品賞・最優秀監督賞をW受賞。おめでとうございます。好きな映画が賞を取るととても嬉しいなあ。いや、ベスト10どころか(恥

■2013/5/24再追記。吉田大八監督の出身母体である大学の映画サークルの方々と飲んで「桐島」についてお話する機会があったのだが、その皆さんは高評価だったのに、彼らの子供世代にはイマイチだったというのを聞いて少しショックを受けた。別にも、その世代の人の部下で吉田監督の前作「パーマネント野ばら」を観て「オチが分かんなかった」って、ええええ?って感じです。若い世代の理解力ってマジ大丈夫なん? と心配になる。

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