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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [小説]

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■いまさらって感じもあるけど、この本は発売当日に入手し、数日後には読み終えていた。拙速に感想をUPするのはネタバレ的で嫌だったってのもある。村上春樹の本はデビュー作「風の歌を聴け」から9割以上の確率で読んでるし、「1973年のピンボール」や「ノルウェイの森」は初版本を持ってるくらいだ(特に後者は市場価値はほとんどない)。前作「1Q84」は販元はティザー広告とかやってたけど、今回は発売前に話のあらすじも公開されてない。しかし発売前に増販はかかるくらいのベストセラーである。超不況の出版業界では神なんだろうな。それはそれで怖いけど。

■「色彩を持たない多崎つくる・・・」ってタイトルで、また脳内妄想で色盲もしくは色弱の主人公をめぐる話かと思ってたら全くそんなことはありませんでした、申し訳ない。主人公以外の主な登場人物の名前に「色」を示す文字が含まれていたという話でありました。

■主人公の多崎つくるは名古屋出身なのだが、大学入学のための上京後、名古屋の親友4人(すべて名前に色を含む)に絶交されてしまう。中年になったつくるは交際中の恋人の勧めもあり、謎を解こうと行動するという話。

■話の筋は、この小説はミステリ要素もあるのでこれ以上は明かさないほうがいいと思うのだが、一部の批判では「何をミステリ的な」ってのがある。いやこれは噴飯もの。村上春樹はミステリやハードボイルド大好きだし、チャンドラーの邦訳までやってるんですぜ旦那。学生生活の描写が多い点で「ノルウェイの森」に似たところがあるかも。あと、知人の捜索にFacebookが使われてたのは意外と無理なかった。さすが春樹さん、吸収力高し。

■近来の村上春樹の小説の中では読みやすい部類だと思う。特に前作「1Q84」と比べて。ただ村上小説で恐ろしいのは、難しい内容を平易な文章で語っているので、読者が分かったような気になってしまうこと。そして読後は、なんとなく頭が良くなったような気になってしまうこと(自分も含め)。要注意ですぜ、旦那。

■今の日本で一番売れている作家が村上春樹、っていうところに違和感を感じる(否定はしません)。本来マイノリティな匂いが強い人だと思うんだけどな。そして右傾化してる日本の現状とのアンバランス。


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