SSブログ

百年の時計 [映画]

百年の時計.jpg

■「風立ちぬ」と同日の7/20鑑賞@キネカ大森。ミニシアター系の公開は映画館を移動しなきゃいけないから面倒だな、と思ったら同館で「風立ちぬ」も上映していた。わはは。今年42本目の邦画23本目。キネカ大森は今年3回目の訪問になるけど、やはりいい映画館。座席ちと狭いけどね。客席は7割くらいの入り。

■この映画を観た動機は、金子修介監督のツイッターやFBをフォローしていて情報を知って面白そうだと思ったことと、舞台が香川県ということで(注:うどんはあまり出てきません)隣県の愛媛出身としては気になったこと。最後に大学の同期のW君と先月飲んだ際に「香川県出身の同僚が観て面白いって言ってたよ」という話を聞いたといったところ。なおW君はその時の発言を忘れているらしく、オレが「観に行きたいな」「これから観る」とFBに書き込むたびに「香川県出身の同僚が観て面白いって言ってたよ」と同じ事を書き込む。おい、キミはアルツなのかそうなのか?

■閑話休題。あとはオレは金子修介監督の作品が結構好きで割合観てる方だと思う。「どっちにするの。」「就職戦線異状なし」「卒業旅行ニホンから来ました」「デスノート」とか。特に「卒業旅行ニホンから来ました」には腹をよじらせた。その娯楽映画の巨匠の舞台挨拶があるっていうから行かないわけにはいきませんわ。すいません少しだけウソです。「テアトル新宿」「ヒューマントラストシネマ渋谷」の上映に行きそびれたから近所のキネカ大森に来たという理由もかなり大。

■この映画、地元の制作団体が企画した「ご当地映画」です。舞台挨拶でも話があったのだけど、香川県ってよく映画の舞台に使われてるらしい。言われてみると確かに。「二十四の瞳」「瀬戸内少年野球団」「青春デンデケデケデケ」「UDON」。「八日目の蝉」(見てない)もそうらしいし、「世界の中心で、愛をさけぶ」も映画版の舞台はここらしい(原作は違う)。わが愛媛県は・・・「がんばっていきまっしょい」「坊っちゃん」くらいか。

■でと。お話は高松市の美術館の学芸員(木南晴夏)が初めて企画した地元出身の現代アートの巨匠(ミッキー・カーチス)に無理難題を言われ、彼が持っている「百年の時計」を若いころに託してくれた女性を探すところから始まる。ミニシアター系の公開だし面倒くさい話なのかな、と疑ったがもちろんそんなことはない。なんといっても監督は娯楽映画の巨匠金子修介。大変分かりやすい、っていうかむしろ話はベタです。ライトな謎解きもあるのでこの程度にしておきますが。

■ちょっとベタすぎる気もしたが(話は大体予想通り)背景が懐かしく(愛媛出身なんで割り引いてね)、電車(ことでん)をめぐる物語でもあるので、なかなか楽しめた。木南晴夏は一般的には美人とは言えないと思うが(ファンの方すいませんすいません)この映画ではとてもチャーミング。しかも、水野久美や桜木健一、井上順とか、最近あまりお目にかかれない俳優陣が出てくるのも嬉しい。ただミニシアター系のロードショーなので強くは勧めませんが(行くのが大変なので)、いずれDVD化とかされた際には見られるとほっこりすると思います。

■上映後、金子修介監督とプロデューサーの舞台挨拶があった。いろいろ舞台裏の話もあったけど、びっくりしたのは、劇伴の中村由利子さんが観客のふりをしてオレの真ん前の席に座っていたこと。もちろんプロデューサーの呼びかけで気づいたんだけど。

■質疑応答のコーナーが設けられたので、ついうっかり最初に質問してしまった。「ご当地映画なのに、主要な登場人物が標準語で話しているのはどうしてですか?」と。実際引っかかってたし、もっと言うと「『あまちゃん』ではみんなバリバリ方言話してますが何でですか?」とも聞きたかったのだがさすがにそれは失礼と思い言わなかった。でもまあ不躾な質問だよな。金子監督には「スタッフがこの映画を全国的に展開したいという思いもあり、標準語にした」という主旨のことを答えていただいたが、本音は別な気もするなと思った、なんとなく。

■以下余談2つ。映画本編にはほとんど関係ない。

■その1。待ち時間にソファで座っていたら、向かいに母娘が座った。と言っても娘の方がオレより一回り上くらい。お話したら「風立ちぬ」を観に来たそうだ。
お母さんが「ゼロ戦の機構がどう描かれてるか確認したかった」ので来たんだそうだ。大変な映画好きで「レ・ミゼラブル」も「リンカーン」も観られたそう。
お母さん、耳は遠いようだが矍鑠としてらっしゃる。「お幾つですか?」と聞いたら90歳だって。
深い趣味に拘りつづけるのがボケない秘訣かな、と。ウチの母親のこととか考えた。

■その2。舞台挨拶でも話が出ていたが予算が厳しかったと。まあそうだろう。ところでいま政府が掲げる「Cool Japan」って何? 日本の文化産業振興策らしいし予算はガッツリついてるらしいけど、具体的な話が全然聞こえてこない。「有能なクリエイターに無償で手伝ってもらう」とかクズなニュースばっかり。役人ども、日本の文化振興マジで考えてんのか? 筒井康隆「美藝公」とか読んだか? 前小泉政権が破壊し尽くした地方経済の復権のために地方文化に投資しろや! 田舎に無駄なハコモノ建ててる場合じゃねえぜバーカバーカ!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。