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少年H [映画]

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■8/17鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年45本目の邦画24本目。この映画を観た動機はひとつだけ。脚本がオレの大好きな古沢良太だということ。妹尾河童の原作は1997年の大ベストセラーだからもちろん知ってはいるが、読んだことはない。しかも妹尾氏はどうもウチの父と同い年らしい。でも何故15年以上を経たこのタイミングで映画化?という疑問はあった。

■まあいいや。舞台は戦時下の神戸。父(水谷豊)と母(伊藤蘭)。そして少年Hたる主人公肇とその妹。戦時下の統制を受けながらクリスチャンとして苦闘する妹尾一家と、敗戦後に、自分に忠実にあろうとしながら妥協してしまった父親の苦悩。大雑把にいうとこういう話です。原作読んでないので忠実なのかは分かりません。

■テイストとしては特高の圧制や、近所の蕎麦屋の兄ちゃん(小栗旬)が反政府的活動をして特高に連れ去られ、以降行方知れずとかで分かると思うけど、終戦記念日直前の公開や、右傾化が囁かれてる現政権を考えると、たぶん反戦プロパガンダ映画です。戦争はすべきではないしもちろんわたくしも反戦論者なので、映画をプロパガンダに使うことも別に悪いとは思いません。ただ問題は、この映画が作品として面白くないということです。

■原作のせいか脚本のせいか分からないけど、同じくクリスチャンの家で育った者(父親だけ。わたくし洗礼は受けていません)として、洋皿で味噌汁をスプーンで食べるっていうのは違和感ありまくりだし、戦時中の厳しい統制下で一家があれほどクリスチャンとしてのアイデンティティを保っていたというのもリアリティがない。

■映像的にも、VFXは「Always 三丁目の夕日」系統だろうけど質感としてイマイチだしあまり説得力がない。降旗康男監督は大御所だけど、あまり作品をきちんと観たことがないのは私が悪いのかも知れません。

■再度言いますが、最大の問題は、プロパガンダに使うにしてもこの映画が作品として面白くないということです。もっと人の心を掴む映画でないとプロパガンダとしても成り立たない。当たり前ですが、あくまで個人の感想です。

■同時期に公開されている「風立ちぬ」は(別に評価はしないけど)、反戦云々が完全スルーされていて好対照です。


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