「あまちゃん」以外の宮藤官九郎脚本の連続ドラマ [ドラマ]
■「あまちゃん」終わっちゃいました。ええ2週間以上前に。心に欠落した部分を抱えてるのはオレだけではないでしょう。だからと言うわけではないけど、クドカン脚本の連続TVドラマを全部見ている暇なオレ様が何らかの助けになればと、無謀にも全連ドラのレビューをやろうと思い立った。脚本を書いた映画は何本か見落としてる部分があるし、もちろん舞台も、バラエティもここでは触れません。
■1つ目はクドカンの連ドラデビュー作である「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)。原作はご存知石田衣良。クドカンのドラマの脚本で原作があるのは、これと後述の「流星の絆」くらいだと思う。池袋西口公園(今年初めて行った)が舞台の地元の若者たちの群像劇。原作は結構ハードボイルドなんだけど、割合コミカルになってる。役者陣が長瀬智也、加藤あい、坂口憲二、佐藤隆太、山P、妻夫木聡などなど超豪華。クドカンのドラマの中では唯一続編(スペシャル)が作られている作品。でも今から考えると若干硬かったかも。
■2つ目は、たぶん織田裕二の中では黒歴史的な「ロケット・ボーイ」(2001年)。フジテレビでクドカンがドラマを書いたのは現時点でこれ1作です。オファーは殺到してると思うけど、後述の理由でたぶんクドカンはいやになってしまったのではないか。宇宙飛行士を目指していたけど諦めてサラリーマンやってる織田裕二とその仲間(ユースケ・サンタマリア、市川染五郎)の話。題材いいと思ったんだけど、織田くんが椎間板ヘルニアで結局全7話になってしまい、クドカンの連ドラの中では唯一パッケージ化されてないという悲しいお話でした。予定通り全11話とか12話だったら、結構面白い話になってたと思う。放送休止の間にやった「踊る大捜査線」の再放送(面白いドラマだとは思うけど)の視聴率の方が良かったという皮肉な結果になった。
■3つ目。視聴率は大して良くなかったみたいだけど、このドラマがクドカンが評価される礎になったのではないかと勝手に思っている「木更津キャッツアイ」(2002年)。木更津の高校を卒業した後大部分はまともな職についてない野球部の同窓生。連中がなぜか窃盗団を作って活躍する話。主人公のぶっさん(岡田准一)は癌で余命半年。なんでこんな破天荒な話思いつくかな。これについてはあらすじを書いてもさほど面白くないので、続編の映画2作も含めて是非見てもらいたい。クドカンのドラマの続編で映画が作られたのはこれが初めて。佐藤隆太や塚本高史はこのドラマでメジャーになったし、「あまちゃん」出演の古田新太、薬師丸ひろ子もこれがクドカンドラマ初登場。見たほうがいいかもね。
■4つ目。これはクドカンファンの中でも評価はさほど高くないが、オレは大好きな作品「ぼくの魔法使い」(2003年)。伊藤英明(道男)と篠原涼子(留美子)のバカップルはラブラブ過ぎて、大手広告代理店での海外単身赴任を断り退職、その結果代理店と勘違いして街の便利屋の「広吉代理店」に就職してしまう。そして留美子は街中の自転車で学習塾経営の青年実業家の田町(古田新太)と頭が激突し、難しいことを考えるとお互いの人格が入れ替わってしまうという話。マジ面白いのでレンタDVDとか借りられる方は是非見てください。小ネタですが、このドラマのメイン演出の水田伸生さんは、この後「舞妓haaaan!!!」「なくもんか」「謝罪の王様」とクドカン脚本の3映画の監督を務めている。
■次5本目行きますよ。「マンハッタンラブストーリー」(2003年)。これもいわくつきのドラマ。放送枠が木曜夜10時で、裏番組はあの「白い巨塔」。残念ながら視聴率は常に一桁台で、時には同時期に深夜に再放送されていた「木更津キャッツアイ」の視聴率すら下回ってたそうです。この頃のオレは毎日半徹夜くらいの多忙でプライベートな記憶はほぼ飛んでいるのだけど(泣)、ドラマは面白かったと思う。裏が悪かっただけでTBSの編成が悪い。このドラマでは、小泉今日子と尾美としのりがクドカンドラマに初登場。「あまちゃん」ファンにはたまんないでしょ? ちなみに尾美としのりの職業は「あまちゃん」と同じくタクシードライバー。
■6本目。ゼイハア。「タイガー&ドラゴン」(2005年)。クドカンのドラマは評判がいい割に視聴率がイマイチ、ということで年初にスペシャルドラマを放送し、その勢いで連ドラにした、らしい。これも「あまちゃん」ファンには見逃せないドラマ。尾美としのりと荒川良々がレギュラーだし、薬師丸ひろ子もゲストで出てる。で、脚本の話がすべて落語のお題に絡んでくるという重層的なストーリー。これで当時落語ファンが増えたらしい。
■7本目。「吾輩は主婦である」(2006年)。すでに超売れっ子であったクドカンが昼の帯ドラマの脚本を担当するなんて前代未聞だったと思う。このドラマはいつもと違い、クドカン組があまり出ていない。ミッチー(「マンハッタンラブストーリー」)や、尾美としのり、桐谷健太(「タイガー&ドラゴン」)と、同じ「大人計画」所属の猫背椿と池津祥子くらいかな。
まあでも面白いんですよ。レコード会社に勤めていながらいきなり辞職した夫たかし(ミッチー)が理由でド貧乏になってしまったみどり(斉藤由貴)に、なぜか夏目漱石の霊が乗り移るという話。
当時はもちろん意識してなかっただろうけど、今考えると「あまちゃん」の練習台だった気もする。帯ドラマの話の流れという意味で。これ、ファンでも帯ドラマなんで見てなかった人が多いと思うのですが、お勧めです。
■8本目。「未来講師めぐる」(2008年)。テレ朝の深夜枠と言うせいなのか、かなりユルイけど爆笑できたドラマでした。満腹になると人の未来が見えてしまう塾講師めぐる(深田恭子)とその周りの人の話。これはあらすじ書くと逆効果だと思う。爆笑につぐ爆笑だし、塾長(武田真治)の思いつきで毎回学習塾の名前は変わるし、しかも塾長はズラ! このドラマはクドカン組の星野源や勝地涼が仕込まれてて爆笑でした。「前髪クネ男」のバカ男ルーツはこれだったのか? 個人的には大好きだけどあまりオススメはしません。DVD-BOX買ってないので、映像特典の「未来ナースめぐる」は超気になるけど。
■9本目。「流星の絆」(2008年)。これは、連ドラでは「池袋ウエストゲートパーク」以来の原作ありのクドカン脚本です。東野圭吾さんはオレが言うまでもなく大ベストセラー作家であり、結構好きなのでかなり作品は読んでた。これも原作はもちろん読んでたのだけど、お笑い場面が殆ど無くハードな展開だったのでどういう出来になるかとドキドキ。結果面白かった。東野圭吾さんは映像化に伴うストーリー改変については寛容な方らしく、まったく原作にない「妄想係長 高山久伸(桐谷健太)」のエピソードとか超爆笑。クドカン組のキャストは今回も少ないけど、尾美としのり、桐谷健太、森下愛子(「木更津キャッツアイ」他多数)とかでツボは抑えてた。
■10本目。「うぬぼれ刑事」(2010年)。ま、TBSに偏り過ぎな気もするけど、正直「あまちゃん」が放送されるまでは、このドラマがクドカンNo.1だと思ってました。マジで。「バカハンサム」キャラは「タイガー&ドラゴン」で確立してた長瀬智也くんですが、このドラマでは際立ってましたね。容疑者に常に惚れてしまうバカな刑事の役とか。このちょい前に「キミ犯人じゃないよね?」っていうテレ朝のドラマがあって、貫地谷しほり主演で相棒が要潤(刑事役)だったのだが、要潤が毎回犯人に惚れてしまうというこれと同じ設定で、クドカンは驚愕して「じゃあ要潤をキャストに入れちゃえばいいじゃん!」という話だったんだそうな。
「あまちゃん」ファンの方にももちろんお勧めです。レギュラーで荒川良々は出てるし、ゲストでキョンキョン、皆川猿時、薬師丸ひろ子も出てますので。
■最後の10本目です。「11人もいる!」(2011年)。このタイトルは明らかに、萩尾望都さんの漫画「11人いる!」のパロディです。話の内容は全く関係ないけど。このドラマもクドカン組の出演は少ない。メインキャストの神木隆之介は「ぼくの魔法使い」にゲストで出ているが(ぬっくんの子供の時の役)、広末涼子はクドカンドラマ初出演。「あまちゃん」組では皆川猿時くらいかな。生活力はないが繁殖能力がすごく高い父親(田辺誠一)を始めとする大家族。末っ子(加藤清史郎)は突然亡くなった父親の前妻(広末)の霊が見えるようになる。孤軍奮闘して一家を支えている長男(神木)も実は繁殖能力がすごく高かった、というエピソードは爆笑もの。あ、そうそう、若春子(有村架純)が長女役で出てます。
■以上、あまロスにお悩みの方は、気に入ったドラマを選んで見るのもいいかもです。でも一番いいのは、久慈市のロケ現場に行って自分の目で見ること。参考はこのエントリ。首都圏からはちと遠いし、これから寒くなるけどね。
■1つ目はクドカンの連ドラデビュー作である「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)。原作はご存知石田衣良。クドカンのドラマの脚本で原作があるのは、これと後述の「流星の絆」くらいだと思う。池袋西口公園(今年初めて行った)が舞台の地元の若者たちの群像劇。原作は結構ハードボイルドなんだけど、割合コミカルになってる。役者陣が長瀬智也、加藤あい、坂口憲二、佐藤隆太、山P、妻夫木聡などなど超豪華。クドカンのドラマの中では唯一続編(スペシャル)が作られている作品。でも今から考えると若干硬かったかも。
■2つ目は、たぶん織田裕二の中では黒歴史的な「ロケット・ボーイ」(2001年)。フジテレビでクドカンがドラマを書いたのは現時点でこれ1作です。オファーは殺到してると思うけど、後述の理由でたぶんクドカンはいやになってしまったのではないか。宇宙飛行士を目指していたけど諦めてサラリーマンやってる織田裕二とその仲間(ユースケ・サンタマリア、市川染五郎)の話。題材いいと思ったんだけど、織田くんが椎間板ヘルニアで結局全7話になってしまい、クドカンの連ドラの中では唯一パッケージ化されてないという悲しいお話でした。予定通り全11話とか12話だったら、結構面白い話になってたと思う。放送休止の間にやった「踊る大捜査線」の再放送(面白いドラマだとは思うけど)の視聴率の方が良かったという皮肉な結果になった。
■3つ目。視聴率は大して良くなかったみたいだけど、このドラマがクドカンが評価される礎になったのではないかと勝手に思っている「木更津キャッツアイ」(2002年)。木更津の高校を卒業した後大部分はまともな職についてない野球部の同窓生。連中がなぜか窃盗団を作って活躍する話。主人公のぶっさん(岡田准一)は癌で余命半年。なんでこんな破天荒な話思いつくかな。これについてはあらすじを書いてもさほど面白くないので、続編の映画2作も含めて是非見てもらいたい。クドカンのドラマの続編で映画が作られたのはこれが初めて。佐藤隆太や塚本高史はこのドラマでメジャーになったし、「あまちゃん」出演の古田新太、薬師丸ひろ子もこれがクドカンドラマ初登場。見たほうがいいかもね。
■4つ目。これはクドカンファンの中でも評価はさほど高くないが、オレは大好きな作品「ぼくの魔法使い」(2003年)。伊藤英明(道男)と篠原涼子(留美子)のバカップルはラブラブ過ぎて、大手広告代理店での海外単身赴任を断り退職、その結果代理店と勘違いして街の便利屋の「広吉代理店」に就職してしまう。そして留美子は街中の自転車で学習塾経営の青年実業家の田町(古田新太)と頭が激突し、難しいことを考えるとお互いの人格が入れ替わってしまうという話。マジ面白いのでレンタDVDとか借りられる方は是非見てください。小ネタですが、このドラマのメイン演出の水田伸生さんは、この後「舞妓haaaan!!!」「なくもんか」「謝罪の王様」とクドカン脚本の3映画の監督を務めている。
■次5本目行きますよ。「マンハッタンラブストーリー」(2003年)。これもいわくつきのドラマ。放送枠が木曜夜10時で、裏番組はあの「白い巨塔」。残念ながら視聴率は常に一桁台で、時には同時期に深夜に再放送されていた「木更津キャッツアイ」の視聴率すら下回ってたそうです。この頃のオレは毎日半徹夜くらいの多忙でプライベートな記憶はほぼ飛んでいるのだけど(泣)、ドラマは面白かったと思う。裏が悪かっただけでTBSの編成が悪い。このドラマでは、小泉今日子と尾美としのりがクドカンドラマに初登場。「あまちゃん」ファンにはたまんないでしょ? ちなみに尾美としのりの職業は「あまちゃん」と同じくタクシードライバー。
■6本目。ゼイハア。「タイガー&ドラゴン」(2005年)。クドカンのドラマは評判がいい割に視聴率がイマイチ、ということで年初にスペシャルドラマを放送し、その勢いで連ドラにした、らしい。これも「あまちゃん」ファンには見逃せないドラマ。尾美としのりと荒川良々がレギュラーだし、薬師丸ひろ子もゲストで出てる。で、脚本の話がすべて落語のお題に絡んでくるという重層的なストーリー。これで当時落語ファンが増えたらしい。
■7本目。「吾輩は主婦である」(2006年)。すでに超売れっ子であったクドカンが昼の帯ドラマの脚本を担当するなんて前代未聞だったと思う。このドラマはいつもと違い、クドカン組があまり出ていない。ミッチー(「マンハッタンラブストーリー」)や、尾美としのり、桐谷健太(「タイガー&ドラゴン」)と、同じ「大人計画」所属の猫背椿と池津祥子くらいかな。
まあでも面白いんですよ。レコード会社に勤めていながらいきなり辞職した夫たかし(ミッチー)が理由でド貧乏になってしまったみどり(斉藤由貴)に、なぜか夏目漱石の霊が乗り移るという話。
当時はもちろん意識してなかっただろうけど、今考えると「あまちゃん」の練習台だった気もする。帯ドラマの話の流れという意味で。これ、ファンでも帯ドラマなんで見てなかった人が多いと思うのですが、お勧めです。
■8本目。「未来講師めぐる」(2008年)。テレ朝の深夜枠と言うせいなのか、かなりユルイけど爆笑できたドラマでした。満腹になると人の未来が見えてしまう塾講師めぐる(深田恭子)とその周りの人の話。これはあらすじ書くと逆効果だと思う。爆笑につぐ爆笑だし、塾長(武田真治)の思いつきで毎回学習塾の名前は変わるし、しかも塾長はズラ! このドラマはクドカン組の星野源や勝地涼が仕込まれてて爆笑でした。「前髪クネ男」のバカ男ルーツはこれだったのか? 個人的には大好きだけどあまりオススメはしません。DVD-BOX買ってないので、映像特典の「未来ナースめぐる」は超気になるけど。
■9本目。「流星の絆」(2008年)。これは、連ドラでは「池袋ウエストゲートパーク」以来の原作ありのクドカン脚本です。東野圭吾さんはオレが言うまでもなく大ベストセラー作家であり、結構好きなのでかなり作品は読んでた。これも原作はもちろん読んでたのだけど、お笑い場面が殆ど無くハードな展開だったのでどういう出来になるかとドキドキ。結果面白かった。東野圭吾さんは映像化に伴うストーリー改変については寛容な方らしく、まったく原作にない「妄想係長 高山久伸(桐谷健太)」のエピソードとか超爆笑。クドカン組のキャストは今回も少ないけど、尾美としのり、桐谷健太、森下愛子(「木更津キャッツアイ」他多数)とかでツボは抑えてた。
■10本目。「うぬぼれ刑事」(2010年)。ま、TBSに偏り過ぎな気もするけど、正直「あまちゃん」が放送されるまでは、このドラマがクドカンNo.1だと思ってました。マジで。「バカハンサム」キャラは「タイガー&ドラゴン」で確立してた長瀬智也くんですが、このドラマでは際立ってましたね。容疑者に常に惚れてしまうバカな刑事の役とか。このちょい前に「キミ犯人じゃないよね?」っていうテレ朝のドラマがあって、貫地谷しほり主演で相棒が要潤(刑事役)だったのだが、要潤が毎回犯人に惚れてしまうというこれと同じ設定で、クドカンは驚愕して「じゃあ要潤をキャストに入れちゃえばいいじゃん!」という話だったんだそうな。
「あまちゃん」ファンの方にももちろんお勧めです。レギュラーで荒川良々は出てるし、ゲストでキョンキョン、皆川猿時、薬師丸ひろ子も出てますので。
■最後の10本目です。「11人もいる!」(2011年)。このタイトルは明らかに、萩尾望都さんの漫画「11人いる!」のパロディです。話の内容は全く関係ないけど。このドラマもクドカン組の出演は少ない。メインキャストの神木隆之介は「ぼくの魔法使い」にゲストで出ているが(ぬっくんの子供の時の役)、広末涼子はクドカンドラマ初出演。「あまちゃん」組では皆川猿時くらいかな。生活力はないが繁殖能力がすごく高い父親(田辺誠一)を始めとする大家族。末っ子(加藤清史郎)は突然亡くなった父親の前妻(広末)の霊が見えるようになる。孤軍奮闘して一家を支えている長男(神木)も実は繁殖能力がすごく高かった、というエピソードは爆笑もの。あ、そうそう、若春子(有村架純)が長女役で出てます。
■以上、あまロスにお悩みの方は、気に入ったドラマを選んで見るのもいいかもです。でも一番いいのは、久慈市のロケ現場に行って自分の目で見ること。参考はこのエントリ。首都圏からはちと遠いし、これから寒くなるけどね。
2013-10-13 23:20
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