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私の男 [映画]

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■2014/6/14鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年29本目の邦画12本目。公開初日の初回上映って物好きだよね。当日の舞台挨拶のチケットも若干あったようだけど選択しなかった。二階堂ふみは昨年舞台で観たし。しかし、朝早い初回ということもあって観客層の平均年齢は高く、大部分男性。お前ら二階堂ふみのエロシーンを目当てに来てるおっさんばっかじゃねえか! しまったオレもだ。

■原作は桜庭一樹(女性)の直木賞受賞作の同名小説。映画を観た時は未読だったのだけど、シナリオに若干分かりづらい点があったので視聴後買って購読。桜庭さんの小説を読むのも初めてで、いやいやホントに最近本読んでないなあと。

■小説読んでないくせに、あらすじと注目の二階堂ふみが出てる、そして予告編で観た北海道・紋別の風景描写が素晴らしく、絶対観ようと思っていた。

■浅野忠信と二階堂ふみのW主演というのが正しいのかな。浅野忠信は、先日NHKで放送されていた、レイモンド・チャンドラーの翻案ドラマ『ロング・グッドバイ』が素晴らしく良かった。作品も浅野忠信の演技も。二階堂ふみは個人的に俄然注目中の女優さん。しかしオレが観た彼女の映画の多く(『ヒミズ』『悪の教典』あと次作の『渇き。』それ以外も『地獄でなぜ悪い』はPG12+にせよ結構エロかった)はR指定。まだ10代なのにずいぶんとチャレンジャーです。

■10歳の時に奥尻島震災で家族をすべて亡くした花(二階堂ふみ:幼少時山田望叶)を、遠い親戚と名乗る腐野淳悟(浅野忠信)が紋別市に引き取って話は始まる。実は淳悟は花の実父。その後、花と淳悟は禁断の関係、つまり近親相姦になる。その事実を軸に、いくつかの殺人が起こっていく。

■山田望叶(もちか)という子役は、現在放送中の朝ドラ『花子とアン』の主演、安東はな(吉高由里子)の幼少時を演じていた。たまたまだろうが名前は同じ「はな」。この子も凄い芝居しますよ。なんで最近の子役ってこんなに上手なんだろう。

■話は紋別から東京へ。二階堂ふみの変身ぶりが凄い。もちろん女性はメイクの効果が大なんだろうけど、同年齢で田舎の高校生からOLを演じ分けた二階堂ふみの演技力、恐るべし。蛇足ですが、オレが観た二階堂ふみの出演映画史上、露出&エロMAXでした。これも凄いな。

■脚本は、わざとかも知れないけど説明不足のところが多く、それで原作小説も読んだわけなのだけど、原作はミステリなので、エンディングから過去に遡って行く章構成でした。映画の脚本はそれを時系列順に戻しているので、正直ミステリの要素はない。殺人事件もみんな分かってるし、監督も脚本家も分かりやすいオチをつけようとは全く思ってないみたい。

■みんながみんな満足できる映画かと言われるとたぶんそうではないし。そもそも主人公二人がはっきり狂気に囚われてるのだ。勧善懲悪だけの人は面白くないだろう。ただ、お勧めです。

■この映画で素晴らしいのは撮影でもあります。紋別の風景が本当に素晴らしい。撮影監督を調べてみたら、『桐島、部活やめるってよ』『横道世之介』『そこのみにて光輝く』など、最近オレが好きな映画の撮影監督、近藤龍人さんでした。今後映画を観る際に、撮影監督指定で選んでしまいそう。

■前述の通り、原作の桜庭一樹さんの小説を読んだ。確かに凄いストーリーだし面白かった。けど、個人的には全然リアリティが感じられない。そもそも「腐野」って苗字の人は本当にいるのか? 正直なんだかなって描写ばかりで全然ついていけない。このリアリティのない小説をちゃんと肉付けしたということで、『私の男』は凄い映画だと思う。この映画でやっとこのストーリーはリアルを獲得したのだ。

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