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渇き。 [映画]

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■6/29鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年31本目の邦画14本目。中島哲也監督の作品はそんなに熱心に観ているわけではなく、『嫌われ松子の一生』と『告白』の2本だけ。しかもDVDで。この2作だけだと救いのない結末が好きな監督という印象が。劇場で初鑑賞なんだけど、なぜ観たかというと俳優陣が好みの人ばっかり。役所広司、中谷美紀、二階堂ふみ(絶賛注目中)、橋本愛、オダギリジョー、妻夫木聡、青木崇高、國村隼などなど。もう一人の主役である小松菜奈という人は、今まで見たことがなかった。

■原作は、深町秋生という、まるでTVドラマの演出家のようなペンネームの作家さんの『果てしなき渇き』だそうです。未読。元刑事の藤島(役所)のもとに、別れた妻(黒沢あすか)から、娘の加奈子(小松)が行方不明になったという連絡が入る。そこで加奈子の捜索に乗り出した藤島に突き付けられる娘の意外な真実。

■サスペンス要素もあるのであらすじはここで止める。以下の描写で若干ネタバレもあるかも知れないが、結末は書かないのでご容赦いただきたい。

■この映画の一番の見所は役者陣の演技(怪演?)だ。役所広司は妻の浮気現場で逆上して車をぶつけ警察を退職。娘探しの段階でも、酒を飲みまくり暴力を振るい元嫁を強姦し人を車で撥ねたりとやりたい放題。TVCMの多い役所広司がよくこんな役を引き受けたものである。

■加奈子役の小松菜奈も凄い。映画初出演とは思えないくらいの狂気の演技。そう、この映画、登場人物の大部分は狂ってるのです。橋本愛、二階堂ふみもきっちり抑えてるし、軽薄過ぎる妻夫木聡、これも狂ってるオダギリジョー、青木崇高も良かった。個人的に面白かったのが黒沢あすか。『闇金ウシジマくん』同様、ダメな中年女性を演じさせたらど鉄板である。

■映像も70年代のアメリカ映画を意識してるようでカッコいい。それに伴う劇伴が素晴らしい。大部分70年代のアメリカのロックなのだろうが、妙にハマった。途中のシーンでの「でんぱ組.inc」の音楽にはついていけなかったが、これはオレの年のせいでしょう。すいません。

■じゃあベタ褒めかというと、そうでもないんだな。こういうバイオレンス・ミステリーにそんなことを期待するのが間違ってると言われるとそれまでなんだけど、特に加奈子の行動に一貫性がない。好きな人を自殺に追い込まれた復讐かと思ったらそれだけでもないし、同世代にクスリをばら撒いて笑ってるだけ。あとアップの映像が多すぎるのと、カット割りが細かく、かつ現在と加奈子の中学生時代を行き来する構成なので、観てて結構集中力がいる。

■結論。観客を選ぶ映画だし、中島監督のファン以外の方にはお勧めできません。ファンの方も、観るときは心身ともに万全な状態で観ることをお勧めします。じゃないとその日の夜悪夢を見るかも。

■あー、50も過ぎてるのに、お子様な感想ですいません。

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