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ほとりの朔子 [映画]

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■8/13鑑賞@キネカ大森。ここの映画館の名画座公開は時折当たりがある。なんせ今年公開で、観たいと思っていたのに見逃していた本作と『ニシノユキヒコの恋と冒険』の両方が二本立てでたったの1,100円(水曜なので)。時間をやりくりしてなんとか観に来た。今年36本目の邦画17本目。『ニシノユキヒコの恋と冒険』については次のエントリで。

■ここんとこ二階堂ふみの出演している映画は全部観ている気がする。映画館だけじゃなくてWOWOWとかでも。彼女がチャーミングなのはもちろんとして、その演技力と覚悟に底知れぬものを感じているところが一番大きい。しかし50歳過ぎたオヤジが、自分の娘くらいの年の女優さんを褒めるとロリコンとか言われそうで、なかなか厳しいこのご時世。ま、例の大阪府議は明らかにロリコンだと思うが(2014/8時点)。

■ノイズは止めます。実際の公開は2014/1/18で、単館系の公開が主体だったのも見逃した理由のひとつ。監督は深田晃司さんという方で、初見。平田オリザさんの「青年団」に所属している演出家らしい。脚本/編集も兼務の、原作なしのオリジナルストーリーのようです。

■大学受験に失敗し浪人中の朔子(二階堂ふみ)は、叔母:海希江(鶴田真由)に連れられ、夏、おそらく湘南あたりの海岸で、海希江の姉(渡辺真起子)の留守中の家に居候する。その短い夏の話。

■この話が面白いのは、主人公朔子の設定は前述の通りなのだが、あまり造形は掘り下げられてるとは言えなくて、何を考えてるかがよく分からない子である。そして周りの登場人物は結構、性欲にまみれたゲスだったりするが、朔子自身はその話にはあまり関わらない。まあストーリーはあるようなないような。

■でもなんかいい。決してテンポがいいとは言えない演出なんだけど、会話劇が主体なのに時々印象的な映像が挟み込まれる。そして、時代設定はおそらく2012年の夏頃なのだけど、当然東日本大震災を受けての反原発運動の話が出てきたので、反原発運動のイデオロギー映画と思いきや、反原発系の運動を半分くらい胡散臭いものとして表現してます。海希江の古い友人の兎吉(古舘寛治)の甥で、福島から避難してきた孝文(太賀)は違和感を感じてしまう。実際古舘寛治と太賀の演技が出色でした。太賀は『私の男』でも二階堂ふみと共演してるが、公開はこの映画が先だったのにロケはこちらのほうが後(2013年夏頃)だったらしい。そりゃ息合うわ。

■孝文との淡い恋愛ごとはあるけど、朔子は何も変わらず秋に東京に戻っていく。ご不満の向きはあるとは思うけど、この映画、わたくし結構好きですね。二階堂ふみが好きな方には強力にお勧めします。

■おまけの見どころ。なんとあの志賀廣太郎の濡れ場が見れる(笑:誰が観たいのか知らんが)のと、ゲスな反原発運動のリーダー役で、『演劇1・演劇2』などの観察映画で知られる、想田和弘監督が出演してたこと。この辺はたぶん「青年団」がらみかな。想田監督の『演劇1・演劇2』の舞台は主に青年団だし。

■再度言うけど結構おすすめ。DVDはまだ出てないみたいだけど、公式twitterによると発売は来年だそう。もう少しお待ちください。

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