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紙の月 [映画]

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■今年60本目の邦画31本目です。2014/11/15の初日鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今作の吉田大八監督の商業映画は全部観てる。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『クヒオ大佐』『パーマネント野ばら』、そして『桐島、部活やめるってよ』だ。残念ながら『クヒオ大佐』だけはhuluで見たのだけど、それ以外は全部劇場で観ている。まあ、かなりのファンと思ってもらって構わない。

■ならばとにかく観に行かねばなるまい。原作は角田光代の同名小説。ミステリの要素もあるかも知れないので未読で行きました。この小説はもちろんフィクションだけど、元ネタは我々世代(アラフィフ)では記憶がある「三和銀行横領事件」なのかもね。しかし劇場での観客の年齢層が高いのにびっくり。目視の印象だけど、だいたい平均年齢は60歳前後かと。

■主演は宮沢りえ。この人はオレが若い頃はアイドル的な人気だったので、何本かドラマは見たことがあると思うけど、出演映画については観た記憶がない。でも、天海祐希が病気で緊急降板した三谷幸喜の舞台『おのれナポレオン』の代役で突如登板し、複雑な台詞や所作を完璧にこなしていたというのを知って気になってはいた。オレが観たのは天海祐希降板前の『おのれナポレオン』だけど。

■夫(田辺誠一)との温度差を感じつつ「わかば銀行」で契約社員として主に外商で働く梨花(宮沢)が顧客の孫・光太(池松壮亮)とふとしたことで不倫関係に陥り、金銭の浪費のあげく銀行の顧客の金を横領する話です。何だかベタベタだな。元の話にどこまで沿ってるのかは分からないけど。

■梨花と光太が不倫関係に陥るシーンとかは、かなり雑な描写だし、横領に手を付けるところもかなり省略されてるなとは思った。脚本がちょっとダメだと思う。しかしそれを補って余りあるくらい俳優陣の存在感が素晴らしい。話はずっとヒリヒリする緊張感のもとで展開する。宮沢りえが実年齢以上に地味なメイクでショートカットだったという演出(だよね?)も凄いし、小林聡美の、梨花の横領を見破るベテラン行員ぶりにはまさにオーラを感じた。凄い女優さんだなと改めて認識。大島優子(同僚行員役)は、女優をやるのならこのままビッチ路線で行って欲しいと。池松壮亮の相変わらずのめんどくさいぶりも良かったけど、その後の映画好きの飲み会で、某先輩が「何でも演技おんなじじゃん?」と。まあそうかもなあ。しかし、小林聡美と大島優子の役割はキーパーソンなのに、原作小説には登場しない映画オリジナルの役と知ってびっくりした。

■でも、鑑賞後に残る吉田監督独特の「虚無感」は今作も味わせて頂いた。邦画好きにはお勧めです。


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