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バードマン、あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [映画]

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■2015/4/11鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年28本目の洋画14本目。ご存知の通り今年のアカデミー賞作品賞受賞作。『アメリカン・スナイパー』『6才のボクが、大人になるまで』『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』『博士と彼女のセオリー』などのノミネート作品を押しのけて栄冠に輝いた作品なので興味はすごくあった(なお、候補中で未見の作品には触れてません)。ノミネートすらされていない、『ジャージー・ボーイズ』『ゴーン・ガール』『インターステラー』などの分も含めて。言うまでもないけど、オスカーを獲ったかどうかと作品の質は関係ない。が、気にはなったのです。

■今回のエントリは脱線がいろいろあると思いますが、ご容赦ください。

■アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。不勉強なので以前の作品は未見。

■昔、映画『バードマン』の主演で大ヒットを記録したハリウッド俳優、リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は再起を期して、ブロードウェイでレイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』をもとにした演劇を自分の脚本・演出・主演でやろうと思い立つ。しかし相手役に選んだ俳優がダメで、代役に人気舞台俳優マーク(エドワード・ノートン)が当てられる。マークは演技は素晴らしいが性格に難があり、それと迫り来る諸事情で精神的に追い詰められたリーガンは現実と幻覚のあいだを彷徨うようになる。果たして舞台はどうなるか。

■と、あらすじはここまで。題材が面白い。レイモンド・カーヴァー(故人)は現在の日本ではさほどの知名度はないと思うけど、日本での認知は80年代の村上春樹訳によるところが大かなと。オレも読んだ気はするが、小説の内容は加齢のせいですっかり忘れておりました。すいません。

■主演のマイケル・キートンは映画ファンならご存知だと思うが、ティム・バートン版の『バットマン』第一作・第二作で主演を務めている。まあもろにこの映画の話とかぶる訳ですね。実際にマイケル・キートンが最近まであまり売れてなかったかどうかは知らないけど、そこも考えると話のヒリヒリ感が増幅する。リアルな世界(俳優の実名が多数飛び交う)でフィクションの人物が演じているところとかもね。

■そしてカメラワーク。ほぼワンカットで撮られているように見えるけど、実はこういうタネ明かしがあった。恐るべき撮影技術。そりゃ撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、昨年に続いてアカデミー撮影賞を獲るはずです。

■役者陣の演技も凄い。マイケル・キートンの存在感と老けっぷりが凄いし、エドワード・ノートンなんて観たのは『ファイト・クラブ』以来な気もするけど良かった。そしてリーガンの娘・サム(エマ・ストーン)もね。でもエマは『マジック・イン・ムーンライト』でのほうがもっとチャーミング。後日書きます。

■そして劇伴のアントニオ・サンチェズのドラム主体の音楽が素晴らしくいい。全てにおいて、オスカーに遜色ない作品だと思います。

■最後に。アカデミー賞での本作の監督の受賞スピーチを見た(WOWOWの録画で)。自らもメキシコからの移民(おそらく)であるイニャリトゥ監督は(英語がまだ苦手らしく途中から通訳を挟んでいた)、「移民に対しもっと活躍の場を(アメリカで)与えて欲しい」という主旨のスピーチ。映画観る前なのに泣きそうになりました。イニャリトゥ監督、オレと同い年らしい。何だか恥ずかしい。

■それにしてもタイトルが異常にかっこいい。ほぼ原題そのままだけど。

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