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殿、利息でござる! [映画]

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■2016/5/14鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年57本目の邦画24本目。

■以前『奇跡のリンゴ』のエントリでも書いたように、オレは中村義洋監督の映画が結構苦手。ただし観たことがあるのはそれと『アヒルと鴨のコインロッカー』の2作だけで、『ゴールデンスランバー』も『白ゆき姫殺人事件』も観ていない。とはいうものの苦手意識は根強くあったのだが、今回は一ヶ月フリーパスもあるし、ということで観ることにした。予告編を観る限りでは面白そうでもあったし。ま、予告編が必ずしもあてにはならないのは、皆様御存知の通りかと。

■『武士の家計簿』『武士の献立』『超高速!参勤交代』と、すっかり松竹の看板となった「江戸時代地方武士あるある実話」シリーズ。もちろんこんなシリーズ名はなくてオレが適当にでっち上げたものだし、『超高速!参勤交代』に至っては実話ですらない。でもこの系統の作品がいずれもヒットして、松竹が助かっているのもまた事実だろう。今作もその流れを汲んでいるし、原作は『武士の家計簿』と同じ磯田道史さん。これも実話ベースとか。

■江戸時代の仙台藩吉岡宿(今の黒川郡大和町。仙台には昔住んでたけど行ったことない)。もともと大した産業のない宿場町のうえ金欠の仙台藩が重税を課したため、近年町では破産と夜逃げが相次いでいた。それを憂える造り酒屋の十三郎(阿部サダヲ)は上訴しようとするが、茶師・篤平治(瑛太)が押し止める。酒の席で篤平治が「お上に大金を貸し、その利息と重税を相殺できれば」という適当なアイディアを話すが、それを真に受けた十三郎は乗り気でない篤平治を説き伏せ、肝煎・幾右衛門(寺脇康文)や大肝煎・仲内(千葉雄大)、飯屋の女将・とき(竹内結子)らを巻き込んで動き出す。離れたところで見ているのは、十三郎の弟で浅野屋の家督を継いでいる甚内(妻夫木聡)。

■これがダメな結果に終わるのなら映画にはならないので、まあ当然ハッピーエンドなのだが、そこに至るまでの十三郎たちの悪戦苦闘は映画でご確認いただきたい。時代物だし登場人物が多いので、その辺をテロップで処理するのはやむなしなんだけど、笑いもあり心温まるエピソードもあるし(泣けるぜ妻夫木!)、時代物なので年配の方も含めて楽しめる良い娯楽映画になっていると思う。

■敵役である仙台藩の財政担当の萱場(松田龍平)の鉄面皮ぶりにも笑えるが、何より仙台藩当主・重村を演じる羽生結弦が凄い。もともと重村が高い官位を望んだための付け届けが原因で藩の財政が苦しくなってる訳で、はっきり言ってしまえばバカ殿の役なんだけど、気圧されるぐらいの威圧感と品位はさすがオリンピック金メダリスト。仙台市出身ということもあって起用されたらしいけど、上手くハマったなあと。

■という訳で中村義洋監督を少し見直しました(えらそうに)。次回作は観てみることにします。

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non_0101

もっとコミカルな作品かと思っていたら、とてもじんわりと沁みる物語でした。
よくぞ、みなさん頑張ったなあと泣けました~☆
by non_0101 (2016-05-30 22:27) 

sochi

non_0101さん、妻夫木くんの役回りとか泣けますよね。
by sochi (2016-06-01 02:22) 

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