ハドソン川の奇跡 [映画]
■2016/9/24鑑賞@109シネマズ川崎。IMAXで鑑賞。今年102本目の洋画53本目。
■昔はそれほど熱心なファンではなかったのだけど、『ジャージー・ボーイズ』、『アメリカン・スナイパー』と毎年傑作を連発されたら、そりゃ観ますよね。クリント・イーストウッド監督の新作。
■2009年に実際に起きた航空機のハドソン川不時着水事故と、その時の機長、チェズリー・サレンバーガーの手記をもとに作られた映画。原題『Sully』はサレンバーガー機長の愛称。この事件はそう遠くない過去の話なので覚えているが、日本側には美談的な側面しか伝わって来なかったような。ま、オレのアンテナが鈍いせいかもしれないけど。なので映画を観たらちょっと意外な感じだった。
■2009年1月15日、ニューヨークを飛び立ったUSエアウェイズ機は両エンジンにバードアタックを受け操縦不能になり、機長のサリー(トム・ハンクス)は管制塔からの近隣の空港への着陸指示を無理と判断し、ハドソン川への不時着水を試みる。結果成功し、乗客155名と乗員はすべて生還し、マスコミでは「ハドソン川の奇跡」と称えられる。しかし、連邦政府の事故調査委員会は、サリーと副長のジェフ(アーロン・エッカート)の責任を問うべく調べ始める。
■っていう話なんだけど、映画の冒頭は、事故後のサリーの「失敗してしまった場合の幻覚」で始まる。そこからサリーたちと、責任を問いたい事故調査委員会との戦いが始まる。合間に事故のときの映像が挟まれる。いや、イーストウッド監督、さすがに構成が上手です。
■この映画もあれこれ御託を並べるべき映画ではなく、観ていただくのが一番いいのだけど。まず、トム・ハンクスが力みが抜けた等身大の男を演じていて、最近のトム・ハンクス出演の映画では一番いい。そして、この手の映画では搭乗客を含めた群像劇になりがちなところを、「サリーの判断は正しかったか否か」というシングルイシューに絞ったのもいい結果につながったと思う。
■あと、こういう映画では当然CGは必須だし使われているけど、ハドソン川への着水シーンは、監督のこだわりらしく実際にエアバスをハドソン川に沈めて撮影したそうな。いったいどうやってやったかは気になるところだけど。
■おそらくこの事故を着想として作られたものに、3年前のデンゼル・ワシントン主演の『フライト』という映画もあるのだけど、こちらはパイロットがヤク中でアルコール飲んで搭乗しているのに、超人的な操縦テクを見せるところだけは一緒という、何とも不思議な映画でございました。それなりに面白かったけどね。
■これも観とくべき映画です。年末洋画ベスト5にまた困りそう。あと、『アメリカン・スナイパー』の時に何かの記事で読んだんだけど、イーストウッド監督は、予算とスケジュールを必ず枠内で抑えるのでプロデューサー受けがいいそうです。職人だなあ。
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