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スノーデン [映画]

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■2017/1/29鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年7本目の洋画6本目。

■ほんの数年前に世界を騒がせた元CIA・NSAの局員、エドワード・スノーデンの実話がベースの映画。監督は巨匠、オリバー・ストーン。当時は断片的な情報だけが入ってきていたので、スノーデンが主張するアメリカの諜報活動がどこまで真実なのかは結構眉唾な印象があったのだけど、映画として提示されるとさてどうかなと。

■愛国心の強い青年、エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィッド)は911の影響で、国の役に立ちたいと思い軍に志願するが、過酷な訓練で怪我をして除隊せざるを得なくなってしまう。次の進路として、スノーデンはCIAの試験に合格し、サイバー・セキュリティ・エンジニアとして頭角を現し、重要な任務に携わることになっていく。同時期にネットで知り合ったリンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)とは、彼女はリベラルという立ち位置の違いはあるものの仲を深めてゆく。

■ジュネーヴの国連代表部に派遣されたスノーデンは、そこでNSAの極秘検索システムの存在を知る。Google検索どころではなく、各個人のメール、チャット、SNSまで監視できる、憲法違反とも言える恐ろしいシステムだった。アメリカによる情報の世界支配の現実を知ったスノーデンは耐えきれなくなりCIAを辞職するが、Dellなど民間企業に席を置いたりしつつも、サイバー諜報に関わらざるを得なかったが、精神の限界に達し告発を決意する。

■いざ映画として見せられると、このストーリーはすごく説得力を持つ。またジョセフ・ゴードン=レヴィッドのスノーデンへの寄せ方がすごい。最後の方にスノーデン本人の映像も出てくるが、まったく違和感がない。映像演出は特に斬新という訳でもないけど、さすがストーン監督、ツボを押さえていて映画としての完成度も高いと思う。

■『プラトーン』などで人権派として評されることの多いストーン監督。今作も内容が内容なだけにハリウッドの出資は断られ、ロンドンからの出資で何とか作れたようで「今後映画を作れるかどうか分からない」と言っているらしい。ただ、「トランプ大統領に期待している」(最後の方にちょっとだけ出てくる)などの発言が示している通り、人権派というより「面白い映画が作れればそれでいい」という、悪い言い方をすれば山師のような人だと思う。もちろん、結果としていいアウトプットがあれば観客としては大歓迎なんだけどね。

■劇中の描写で、「もし日本が同盟国でなくなれば、仕込んでいるマルウェアを走らせ簡単に日本のインフラを破壊できる」という話には背筋が凍るが、たぶん本当なのだろう。でもそれだけ世界の諜報を牛耳っているのなら、トランプさんは不穏な大統領令を連発させて世界の顰蹙を買う必要はないのでは、とも思った。が、トランプの支持層と言われる白人の労働者層の支持を得るにはそういうパフォーマンスが必要なのかなとも。

■いろいろ書いたがたいへん刺激的で面白い映画です。お薦め。観たのはシネコンの中でも小規模のシアターだったのだがほぼ満員。週末興収にランクインしていなかったので劇場の編成ミスかもね。

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