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マンチェスター・バイ・ザ・シー [映画]

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■2017/5/14鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年42本目の洋画29本目。

■本作はもともと、製作に名を連ねるマット・デイモンの製作・(初)監督・主演という企画で始まったらしい。脚本家ケネス・ロナーガンに脚本を依頼したところ、その出来の良さに驚いたデイモンは、「君がこの映画を撮るべきだ」と監督を依頼。そしてデイモンがスケジュールの都合(『グレートウォール』ですね:笑)で出演できなくなったので、盟友ベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレックに主演を依頼したらしい。そしてアカデミー賞授賞式でジミー・キンメルにイジられた訳です(笑)。

■ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー(ケイシー・アフレック)は、長く心臓を患っていた兄・ジョー(カイル・チャンドラー)が死んだことを知らされ、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきた。リーが長く故郷を離れていたのは、忘れてしまいたい重大な過去の事件が理由だった。ジョーの遺書には、息子・パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人にリーが指定されていた。故郷に戻りたくないリーは困惑する。

■別にネタバレしてもいいと思うのだけど、公式サイトに敬意を表して、「重大な事件」のネタバレはしないでおく。心に深い傷を負ったリーだが、結末で彼が救われて幸せになる話ではない。この物語の中では善人は兄のジョーだけ。甥のパトリックも平気で二股を掛けていたりとかまあまあクズだし、リーの別れた妻・ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)もただ自らの許しを請うだけの女にも見えてしまう。

■分かりやすく楽しい映画ではない。そして、一部を除いて、基本的にはストーリーがダイナミックには展開しない、静かな映画でもある。そして、マンチェスター・バイ・ザ・シー(不勉強でアメリカにこういう都市があるのは存じあげませんでした)の静謐な映像がじわじわと染みてくる。

■すべての映画がこのトーンだと正直滅入ってしまうが、リアルを活写しているという点で必見の映画。映画の中では完結を見る話というのが大部分だけど、そうでなくても、もがき苦しんでも前に歩いていくしかないということを指し示している。

■ケイシー・アフレックの起用は正解で、オスカー主演男優賞の受賞は当然。これがガキ大将みたいな顔のマット・デイモンだったら繊細な演技は難しかったかも。デイモンさんすいません。

■これもかなりお薦めです。日本ではあまりヒットしていないようなので、すでに上映館(もともと多くなかった)と上映回数が絞られているみたいだけど、何とか頑張って観てください。損はさせません。

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