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パターソン [映画]

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■2017/9/3鑑賞@チネチッタ。今年74本目の洋画48本目。

■1986年の春。就職で東京に出てきたオレは、何か東京でしかできないオシャレなことがしたくて、休日に渋谷に出かけた。当時プライムの中にあった映画館で、流行に敏感な人に大受けの、ジム・ジャームッシュとかいう監督の映画が掛かると聞いたので。

■『ストレンジャー・ザン・パラダイス』。今でこそ結構あるが、当時はわざわざモノクロームで撮る映画は珍しかった。3人組の男女のロード・ムービーだったのだが、とても面白かった。それ以降、ジャームッシュの作品が気に入って、『ナイト・オン・ザ・プラネット』まで都合4本観たが、それ以降は観ていない。観なくなった理由は覚えていない。

■つまらん前置きを長々と失礼しました。という訳でジャームッシュの映画は驚愕の26年ぶり。怖い怖い。久々に観ようと思った動機は、『スターシップ9』を観に行ったヒューマントラストシネマ渋谷に貼ってあった、この映画のポスターがとても印象的だったからだ。

■ニュージャージー州パターソンに暮らす、パターソンという名の男(アダム・ドライバー)は路線バスの運転手。美しいがやや天然な妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬マーヴィンと暮らす。毎朝決まった時刻に出かけ、乗務をこなす合間に浮かんだ詩をノートに書き留める。そんな男の一週間の話。

■本当にこれだけの話なので、人によっては退屈かもしれない。でも、パターソンの街の風景、乗客や街の人々との触れ合いとか、何というかとても落ち着く映画なのだ。事件らしい事件は少ししか起きないが、その中でもパターソンにとっての事件はたったひとつ。それが何かはネタバレになるので書かないが、日本人の旅行者(永瀬正敏)がパターソンの前に現れ、彼に救いの手を差し伸べる。そしてそれを観ていたオレも、心を救われたような気がした。錯覚だろうが。

■永瀬正敏は、オレも観た『ミステリー・トレイン』以来のジャームッシュ監督作出演だそうだが、正直この役、メチャクチャ美味しい。主演のアダム・ドライバーは、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』に出て以来の売れっ子で『沈黙ーサイレンスー』やその他の話題作にも出ている。いい俳優さんなのだろうが、映画の中で彼を見るたびに「こいつやっぱり、超顔長いよな」と最初に思ってしまうオレでした。大変申し訳ございません。

■知らなかったが、パターソンという街は著名な詩人を輩出しているらしい。だからという訳ではないが、この映画もとても詩的だ。そして思い起こしてみろと、オレが観たジャームッシュの映画は全部詩的だった。それがオレがこの監督を好きな理由のひとつかも知れない。

■万人受けする映画ではないとは思いますが、わたくしこの映画、とても好きです。

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