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ブレードランナー 2049 [映画]

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■2017/10/28鑑賞@109シネマズ川崎。IMAX/3Dで。今年93本目の洋画57本目。

■前作『ブレードランナー ファイナル・カット』(オリジナル・バージョンではない)を久々に劇場で観るという復習をしてからこの映画に赴きました。映画の中での時間軸は30年後、現実世界での公開の時間軸は35年後です。今どき54歳くらいで「長生き」と言うとまあまあ馬鹿にされますが、こんな時間を措いての再見は胸いっぱいで、長生きしてて良かった、という感じです。

■最初の作品の舞台は2019年。つまり上映している現在からたった2年後です。もちろん現在の世界ではまだ車は空中を走ってないし、ロサンゼルスは(かなり行ってないけど)ニュース映像を見る限りではあんなに猥雑な世界にはなっていない。そんな現実とのズレを感じながら観るのも一興かと。

■2049年のロサンゼルス。タイレル社は倒産し、法律は変わり年齢制限のない人造人間「レプリカント」の量産は可能になっていた。旧型のレプリカントを解任(処刑)するロス市警の「ブレードランナー」K(ライアン・ゴズリング)もレプリカント。上司や同僚の人間に蔑視されながら職務をこなす。彼が安らげるのはホログラフィーの恋人・ジョイ(アナ・デ・アルマス)との時間だけだった。

■捜査の途中、女性レプリカントが堕胎した子供と思われる骨が見つかり、「レプリカントに生殖機能はない」という定説が覆される。その子供はかつてのブレードランナー・デッカード(ハリソン・フォード)が30年前に連れて逃走したレプリカント・レイチェル(ショーン・ヤング:デジタルアーカイブ)のものだった。

■追いかけるKは時折蘇ってくる自らの記憶から、自分はレプリカントではなく人間ではないかと疑い始めるが。その時、廃墟と化したラスベガスでデッカードと出会う。

■公開されてから結構時間が経っているので、身近な映画ファンの友人からすでに感想は入っている。もちろん賛否両論。

■映像が凄い。IMAX/3Dで観たせいもあるのだろうが、映像は綺麗すぎるけど荒涼たる荒野が目の前に広がっている。観た知人は「前作にあったロサンゼルスの猥雑感が若干失われたのでは」と言っていたが、それはマイナスとしてもアメリカ内陸の荒涼たる荒野が広がっていたのに度肝を抜かれた。廃墟と化したラスベガスで流れるプレスリーの映像とかね。「猥雑から荒野へ」って感じでした。

■観る前は『エイリアン・コヴェナント』を自らの監督作に選び、今作は『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーブに監督を託したというのはどうかと思ったけど、結果正解。新たな映像表現の世界を切り開いて行ってくれたのではないかと思っている。

■最新のVFXで新たな映像世界を拓いた製作陣には敬意を表したい。この映画はIMAX/3Dで観るべきです。まあもう上映館が少ないので2Dでもいいですが。

■ブレードランナーで雪景を観れるとは思わなかった。いろんな驚きに満ちている。ただ。上映時間の2時間40分強はさすがに長過ぎる。気楽にリピートできない長さだからね。

■でも、数年後にDVDとかBDのパッケージで再度見直してみたい、という映画でした。ずっと心に残るような。


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先生!、、、好きになってもいいですか? [映画]

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■2017/10/28鑑賞@109シネマズ川崎。今年92本目の邦画36本目。

■広瀬すず、いや広瀬姉妹の出ている映画は半ば義務感もあって観るようにしている。何の義務感だ。まあ、現在人気があるのみならず、将来有望な女優姉妹であるということかな。特に妹はメンタルが強そうだ。

■オレなんかが言うまでもなく売れっ子で、今年出演した映画は声優も含め、この映画も入れて今年で4本。来年の待機作は連ドラ1本、映画3本。ほぼ全て話題作か、明らかに話題作になりそうな作品ばかり。特に大根仁監督の韓国の同名映画のリメイク『SUNNY』は超期待。真木よう子の降板は残念だけどね。

■生田斗真とのW主演で、原作は河原和音のヒット漫画『先生!』。未読だが、同じ作者が原作脚本の漫画の映画化『俺物語!!』はまあまあ面白かった記憶がある。

■女子高生の響(広瀬すず)は、世界史の教師の伊藤(生田斗真)に恋心を抱くが、伊藤は自分が教師ということもあり拒絶する。しかしある時、文化祭の企画でウエディングドレスを着た響は、屋上で時間つぶしをしていた伊藤に近寄る。伊藤は響を抱きしめてキスしてしまう。それが誰かに盗撮されており、伊藤の立場は厳しいものになる。

■2時間の映画なのにあらすじはこれで終わりです。いくら何でもスカスカ過ぎだろう。確かに広瀬すずは可愛く撮れている。けどね。監督は誰かと思ったら、能年玲奈(のん)主演の最大の駄作映画『ホットロード』の三木孝浩監督でした。素人目からしたら「登場人物を綺麗に撮ることが第一で、映画自体の完成度は視野に入ってないのか。そういう奴はPVだけ撮ってろバーカバーカ」と言いたくなるところだが、三木監督はそれ以外にも『アオハライド』『僕は明日、昨日のきみとデートする』などのそこそこヒットした作品も撮っているし、監督作も切れ目ない。ま、市場のニーズと素人の感想は違うということでしょうね。

■という訳で、人様に薦める気はあまりない映画ですが、映画の中での広瀬すずは弓道部に所属しているという設定です。オレも高校の時には弓道部にいて一応有段者なのだけど、弓道着を着て胸当てを付けている女子は2割増しに評価がアップします。これは大部分の男において本当。

■こんなこと書いてる時点で、三木孝浩監督の術中に落ちている気がしなくもない。

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斉木楠雄のΨ難 [映画]

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■2017/10/21鑑賞@109シネマズ川崎。今年91本目の邦画35本目。

■最近の福田雄一監督、流行ってます。昨年くらいまではマニア向けの深夜ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや、週刊少年ジャンプ連載漫画が原作と言えども、かなり偏っている映画『HK/変態仮面』シリーズとかね。ところが、これも同じく週刊少年ジャンプ連載漫画が原作の映画『銀魂』が今年大ヒット。この映画も週刊少年ジャンプ連載漫画が原作と、集英社と専属契約でも結んでるんじゃないかと思うくらい。他にもゴールデンのドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』の全話の脚本・監督もやってるし。しかも来年は、山田孝之&長澤まさみ主演の、コメディ要素ゼロの映画の『50回目のファーストキス』の公開が決まってるんだそうな。

■売れ過ぎて勘違いしてないかなと思ったが、本作を観たら、良くも悪くも福田監督でございました。

■地球を滅ぼすくらいの超能力を持って生まれた斉木楠雄(山崎賢人)。ただバカップルの両親(田辺誠一・内田有紀)のおかげもあり、大した騒ぎにもならず高校生になる。しかし進学した高校は変な同級生ばかり。

■文化祭の季節。担任教師は「今度の文化祭で問題が起こると以降中止になる」と言う。文化祭期間中にテレポーテーションで小旅行を楽しむのが趣味の楠雄は、何とかして学内で問題が起こらないように、図らずも超能力を使わざるを得ないはめになる。

■あらすじは以上。あとは福田組の毎度おなじみ、佐藤二朗・ムロツヨシ・新井浩文などなどで、ずっと小さいコントの連続で楽しませてはくれる。あと『スーパーサラリーマン左江内氏』からの賀来賢人は、撮影はこちらの方が先だったと思うけど、福田監督のもとでコメディアンとしての才能が開花したのではないか。ただ、橋本環奈は前作『銀魂』に続いてのヒロイン役なのだが、「1000人にひとりの逸材」って言われてるのはよく分からない。ちょいぽっちゃりの可愛い子、レベルなんで。まあその感想はオレがおっさんだからかもね。

■おそらく制作費は『銀魂』の数分の一くらいだろう。そもそも制作費不足を逆手に取ったチープな演出が福田監督の売りだしね。

■この映画がそこそこヒットしているんだから、勢いって結構恐ろしい。『50回目のファーストキス』が楽しみになってきた。何だよ、結構好きじゃねーか。

■でも、初見の方には薦めない映画です。「???」ってなると思うから。

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女神の見えざる手 [映画]

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■2017/10/21鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年90本目の洋画56本目。

■この映画は何だか凄いという匂いを感じた。アメリカの政治での「ロビイスト」が題材なので、日本では馴染みのない観客が多いと思う。もちろん日本においても、それに類する役割を担っている人々はいるが、ロビー活動専門の会社というのはなくて、大手広告代理店だったり選挙プランナーだったり、場合によってはマスメディアだったりする。

■大手ロビー会社所属のエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は敏腕ロビイスト。ある日上司から、銃規制法案の新案を廃案に持ち込むようにという指示を受ける。自らのポリシーに反していると感じたエリザベスは抵抗するが、上司のデュポン(サム・ウォーターストン)の「嫌なら辞めろ」と言われる。その時に銃規制法案に賛成の、小さなロビー会社のCEO・シュミット(マーク・ストロング)から誘いを受けたエリザベスは、翌日部下の大部分を引き連れてシュミットの会社に移籍する。

■エリザベスは、勝つためにはいかなる手段も厭わない。盗聴、かつて自分が経験した銃撃事件で心を痛めていた部下をアピールに使うなどなど。不利を感じたデュポン側はエリザベス自身のスキャンダルを暴こうと思い、旧知のスパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)に依頼し彼女を聴聞会にかける。

■途中までは、最近の日本の政権批判にもよく見られる「方向は合っていても手段を間違ったら意味がない」という教訓の話かなと思ったのだけど、いい意味で結末は予想を遥かに上回った。エリザベスはどれだけの覚悟でこの案件に臨んでいたのかと。彼女自身四六時中仕事漬けなので、不眠症に悩まされ、金で男を買ってストレスを発散させたりと、人格的にはほぼ破綻している。だからこその凄みを、主演のジェシカ・チャステインに感じる。ホラーとも思えるくらいの迫力だったしね。

■これは今年観た洋画の中でもかなりの傑作。思うに最近のこの手の作品は実話ベースが多かったが、今作は現実世界との問題感は共有しつつ、ストーリーは完全なるフィクション。だからこそカタルシスを感じる話を構築できたんだろうと思う。脚本のジョナサン・ペレラは、今作が脚本家デビューとなる、30ちょいの元弁護士さんだとか。すげえな。

■たいへんお薦めです。が、今年は例によってブログが遅筆で、しかもこの映画、日本ではあまりヒットしなかったので、現時点での上映館はあまりありません。大変申し訳ないのですが、パッケージの発売をお待ち下さい。

■ただね、もったいぶった邦題がダメだな。原題の『Miss Sloane』でいいじゃんなあ。

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ミックス。 [映画]

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■2017/10/21鑑賞。今年89本目の邦画34本目。

■ドラマ『リーガル・ハイ!』のチーフディレクターの石川淳一監督と、脚本の古沢良太さんのタッグの、映画『エイプリルフールズ』以来の二本め。正直言って『エイプリルフールズ』は豪華キャストの割にイマイチだったので不安を抱えていたけど、ガッキーが可愛いからまあいいかというまあまあクソな理由で観てみた。ウソです。わたくし古沢良太さんの脚本にはかなりな信頼を置いています。

■天才卓球少女ともてはやされた多満子(新垣結衣)。元全日本代表の母・華子(真木よう子)にスパルタで鍛えられて一定の成績を残すが、母の早世後、さほど好きでもなかった卓球から解放され、一般企業に勤めるOLになる。そこで出会った卓球の実業団選手・江島(瀬戸康史)と恋に落ちるが、簡単に後輩の卓球選手・愛莉(永野芽郁)に寝取られる。失意の多満子は会社を辞めて実家の神奈川の卓球クラブに戻るが、そこでほぼ素人だけど意欲に溢れている仲間と出会い、江島への仕返しのために全日本卓球選手権に出場を目指す。

■多満子が戦略的に選択したスタイルは、エントリ数が少ないため比較的簡単に勝ち上がれる男女混合ペア「ミックス」だった。誰と組むか、というところで、卓球場に通っていたボクサー崩れの男・荻原(瑛太)しか選択肢がなく組まざるを得なかった。しかし最初の年は江島・愛莉ペアとの対決すらできずに惨敗。来年に向けてメンバーは立て直しを図るが、色々な障害が待ち受けていた。

■若干ネタバレすぎてすいません。卓球をテーマとしたラブコメディで、娯楽映画としてはよく出来ていると思いますし、俳優陣もベテランのエンケンさんや吉田鋼太郎さんまでよく卓球の練習をされている。俳優さんなんで当たり前だと言えばそうですが。そして周りのキャストが、書いた他にも広末涼子、田中美佐子、蒼井優、小日向文世とかなり豪華。おまけに現役の卓球メダリスト、石川佳純や水谷隼まで出てるのは笑った。もちろん絶好調のガッキーは何やってもカワイイ。

■ただ、『エイプリルフールズ』もそう思ったのだけど、無駄にキャストが豪華過ぎるぶん、焦点があちこちに分散しちゃうし、連ドラ『リーガルハイ』で見せた、古沢良太さんならではのひねりがまったく感じられない。最初にあったであろう「ガッキーでラブコメを」って企画にすんなり乗ったって感じ。石川淳一監督はフジ系列の共同テレビのディレクターで、今作は映画2作目なので、まだ映画のお作法に慣れてないのかも。慣れられた今後を期待すべきなのかも知れませんが。それに、古沢さんも今のところ、映画より連ドラの脚本が向いているような気がします。

■正直言ってこのコンビなら、映画より『リーガルハイ』のシーズン3を観たいという気持ちの方が強いです。申し訳ございません。

■おまけ。多満子の実家の卓球クラブは、神奈川県郊外という設定なんだけど、多満子と荻原が最初に出会うシーンは、どう見ても千葉の第三セクター『小湊鉄道』の車内。鉄の人はそういうところが面白いかも知れません。

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