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密やかな結晶@東京芸術劇場 [舞台]

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■やっと2月入りか。2018/2/2鑑賞@東京芸術劇場プレイハウス。こちらはほぼ5年前に三谷幸喜の舞台で、天海祐希の病気による途中降板で話題になった『おのれナポレオン』以来でございます。相も変わらず池袋西口公園(IWGP)に面しておりますが、ドラマのような殺伐感はもちろんありません。あと、今年舞台一本目ですが、次回鑑賞の予定は今のところないです。チケ代高いしメジャーどころは取りづらいし。例年通り2本くらいかな。

■ただ最近気づいたのですが、人気舞台でも初日は比較的取りやすいかと。濃い演劇ファンは、まだ練習量が足りてないキャストが初日で噛んだりするのが嫌らしい。オレも実体験した。黒木華の初日の舞台『書く女』とか。もちろん保証はしませんが、気に留めて置かれるといいことあるかも。

■原作は芥川賞作家・小川洋子さんの同名小説。芥川賞受賞作『妊娠カレンダー』、佐野元春の楽曲タイトルをモチーフにした『アンジェリーナ』、そしておそらく小川さん的にいちばん有名で、映画化もされた『博士の愛した数式』くらいを読んだことがある程度で、決して熱心な読者ではない。小川さんは62年生まれということらしいので、ほぼ同年代。石原さとみ自らが舞台化を熱望したという今作も小説が原作なのだけど、オレが読んだことがある作品群とはずいぶん風向きが異なる。

■さて、鑑賞目的と言えばもちろん石原さとみです。好きな女優さんの一人ですが、今まで生で拝見したことがない(映画での舞台挨拶も含め)。生活維持費の高い都区内にせっかく住んでるんだから観れるものは観ておこうという発想。

■脚本・演出は鄭義信さん。主に舞台の演出をされてる方らしいが、不勉強ゆえ未見。調べてみたら、岸谷五朗主演の映画『月はどっちに出ている』の脚本を崔洋一監督と共同で手掛けた方らしい。この映画は観たぞ。ルビー・モレノも出てた。ルビー・モレノ、今どうしてんのかなあ。ドラマ『愛という名のもとに』にも出てたな。

■閑話休題。とある島にいる小説家(石原さとみ)。その島では「消滅」が起こる。香水や鳥など様々なものが「消滅」していった。「消滅」が起こると、島民はその痕跡を消去し始める。 同時にそれにまつわる記憶も減退していく。小説家は、「おじいさん」と呼ばれる若い男(村上虹郎)と共に暮らし、時折担当編集者のR氏(鈴木浩介)との打ち合わせをする平凡な日々。しかし、秘密警察のヘッド(山内圭哉)が率いるチームは、例外的にいる「レコードキーパー」と呼ばれる記憶保持者に対する弾圧を強めている。小説家の母は秘密警察に拘束された後、亡くなっていた。実はR氏がレコードキーパーであることを知る小説家は、R氏を庇護することにするが。

■小川洋子さん、SFも書くんですねというのが最初の感想。まあまあファンタジーではあるけど。石原さとみは過密スケジュールの中でも声がちゃんと通っていて、いつ寝てるんだろうというくらい良かった。しかも幸運なことに、席が前から6列目でその可憐さを堪能できた。時折話の筋を忘れそうになるくらい。ウソです。

■鈴木浩介はもともと劇団出身ということもあり、芝居は凄かった。村上虹郎は、村上淳とUAのご子息で、最近映画やドラマでもグイグイ出てきていてその妖しい存在感に注目していたのだけれど、生ではそれはいまひとつ発揮されてなかったように感じる。これは単純に場数が足りないかなとも。

■前述以外は、まあまあ脇役のベンガルさん以外は知ってる俳優さんはいなかった。ホリプロ製作なので、これから売り出す俳優さんを登用したんだろうが。話は面白かったけど、山内圭哉率いる秘密警察のダンスシーンとかが無駄で、本当に必要だった?の疑惑も。

■満足できる舞台ではありました。石原さとみがメチャいいし、このためにドラマ『アンナチュラル』は、業界人の先輩たちによると、昨年中に撮り終えていたようだし。そりゃそうだよな。ただ、この舞台、東京上演は2/25までです。毎度遅筆で大変申し訳ございません。ただこれから地方公演は3月後半までやっているようなので。見れる環境の方は是非。石原さとみは鬼可愛いですよ。いかん、これではまるで舞台を褒めていないようではないか。

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祈りの幕が下りる時 [映画]

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■2018/01/28鑑賞@109シネマズ川崎。今年6本目の邦画3本目。東野圭吾の小説『新参者』シリーズの完結編。

■東野圭吾作品の映像化にはほとんどハズレはない。代表的なのは『ガリレオ』シリーズだけど。東野さんは原作の設定の改変に関してかなり寛容な方だそうで。作品数が膨大なのでちょっとしか読めてないけど(知人の間では「東野圭吾複数人説」というのもあった)。その中でのこの『新参者』シリーズの完結編。結構面白く、連ドラもスペシャルも全部見た。ただ、映画版1作目の『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』は全然イケてなかった。まずガッキー(新垣結衣)が全然可愛くないっていう点で最悪。監督は土井裕泰さん。ドラマ版には関わってないが、TBSの売れっ子ディレクターのひとり、ということで選ばれたのだろうか。確かにドラマでは『コウノドリ』『逃げ恥』などのヒット作を連発。だけど映画では『涙そうそう』『ハナミズキ』など、首をかしげる作品が多い。どちらかと言うとTVドラマ向きのディレクターさんなんだろうな。

■しかし今作の監督は、ドラマ版も劇場版にも関わっていない福澤克雄さん。そう『半沢直樹』でお馴染みの、今やTBSのエースディレクターだ。福澤さんのヒットドラマは他にもたくさんあるので、気になる人はwikiで検索してみてください。TBSとしては安定の布陣なんだろうが、若干違和感が。後で説明します。

■1983年の仙台から話が始まる。まったくの私事なんだけど、オレはその当時大学生で仙台在住だったのでちょっと前のめり。田島百合子(伊藤蘭)という女がスナックの面接に訪れた。聞けば離婚したばかりだという。店主・康代は百合子を気に入って雇い、百合子もそれに応えて店の売れっ子になる。しかしそれから十数年後、百合子は体調を崩しアパートの一室で孤独のまま亡くなる。

■百合子の身元を知らなかった康代は、百合子が交際していたらしい「綿部」という男に相談する。その後綿部は百合子の親族を康代に知らせる。百合子の息子は「新参者」加賀恭一郎(阿部寛)だった。

■それから時が流れ現在。加賀の従弟の警視庁捜査一課の刑事・松宮(溝端淳平)は、小菅のアパートで発見された女性の腐乱死体の捜査をしていたが、同時期に近くの河川敷で男の焼死体が見つかる。この2つの事件に関連性を感じた松宮は、日本橋署の刑事で従兄の加賀に協力を求める。そこには意外な繋がりがあり、加賀の人生にも大きく関わってくる話だった。

■ネタバレはここまで。さすがにミステリなので結末を明かすわけには行かないけど、積年のシリーズの謎をすべて解き明かしている内容だった。まあ、東野圭吾さんは原作のアレンジに寛容なだけでなく、継続中の作品は登場人物を徐々に映像化作品に寄せてくる、というサービスもやっているので(『ガリレオ』とか)、それの効果もあるかも知れない。オレの加点要素でもあった仙台市内の描写も要点は抑えられてるし。本人もしくはスタッフの取材がきちんとしているんだろうな。

■満足の行く出来だし、少なくとも前作『麒麟の翼』より全然いい。東野圭吾ファンで『新参者』シリーズが好きなら満足するだろう。実際興収もいいようです(遅筆ですいません)。ただ、福澤監督のドラマとかの癖で、「ストーリー上説明が必要なところ」を特に前半部分は、映像でなくテロップで簡略に説明する、というのは映画としてはどうかなと思ったけど。

■これを観た後に、同じく鑑賞後の毎度おなじみB先輩と飲んで話したのだが、大絶賛。特に脚本の構成力が素晴らしいと。そこまで言うのなら、と思って久々に東野圭吾の原作本を読んでみた。脚本は李正美さんというTBSのシナリオコンクール出身の方らしい(大昔オレも応募したけど予選通過止まり)。確かに話の刈り込み方は上手なので、いずれ、現在大ヒット中(オレ的には)のドラマ『アンナチュラル』(オリジナル脚本)の脚本家で、かつては「脚色の女王」と呼ばれていた(オレ的)野木亜紀子さんのように大ブレイクするのかもね。

■でもオレは、この作品が良作なのは、原作小説の構成が精緻なのが一番の理由だと思っちゃうんだよな。ま、おススメです。流れ上書けなかったけど、松嶋菜々子の芝居も良かったですよ。

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ジオストーム [映画]

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■2018/01/23鑑賞@109シネマズ川崎。今年5本目の洋画3本目。

■不勉強ゆえ、アメリカ大統領役のアンディ・ガルシア以外の人は知らないので役者名は全略で行きます。

■2019年、過去にない自然災害で被害を被った地球。そこで世界の18カ国で、宇宙衛星が連携して地球の気候をコントロールするシステム、コードネーム「ダッチボーイ」を稼働させ、一応の安定を見ることになった。システムの開発責任者のジェイク・ローソンは多国籍のメンバーをまとめ上げ、プロジェクトを成功させるが、アメリカ政府との軋轢で職を奪われ、後は実弟のマックスに引き継がれる。ジェイクは妻とも離婚し、フロリダで怠惰な日々を過ごしていた。

■2022年、アフガニスタンの村で村民が凍りつく事象の発生を皮切りに、世界各地で異常気象が相次ぐ。アメリカ政府は「ダッチボーイ」の管轄が近くアメリカに移ることもあり事態の収拾のため、マックスの具申もありジェイクを国際気象宇宙ステーション(ICSS)に送ることになる。しかしその裏には、アメリカ政府内での主権争いがあった。

■まあまあネタバレで申し訳ありません。ただ、この映画の予告編で、リオデジャネイロの海岸で突然の寒波から逃げようとするシーンがあり、壇蜜のNで「彼氏も凍る」というのがあって、これはバカ映画に間違いない、という確信ができて観ることにした。実際、まごうことなきバカ映画でした。そもそも宇宙衛星のネットワークだけで地球の気象を支配できるという発想がバカだし、ダッチボーイの暴走で世界中(日本も含め)が大被害を受けるのに、アメリカ国内の被害は大したことない、っていうのがいかにもアメリカ的バカ映画。そして、オチを話すとさすがにネタバレがひどいので止めておくが、あーあ、という感じです。

■貶してませんよ。実際日本での公開週の興収では1位を取ってるし。みんなまあまあ頭を空っぽにして観られるバカ映画が好きなのかな、と思った。

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嘘を愛する女 [映画]

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■2018/01/27鑑賞@109シネマズ川崎。今年4本目の邦画2本目。

■監督さんは初監督作ということで。興味はそこではなくて、オレが大好きな長澤まさみが主演で今大売出し中の高橋一生が相手役、ということと、あとオレの故郷愛媛県今治市がロケ地のひとつっていうことで観た。

■初日には諸般の事情で行けず。その日の夜に地元の飲み屋に行ったら、高橋一生ファンの飲み友達の某嬢は初日に行ったらしく、あまり映画に興味がなさそうな他のお客さんにあらすじを全部話していて鑑賞前からネタバレすぎ。まあいいけどね。

■食品メーカーに勤めるキャリアウーマン・川原由加利(長澤まさみ)は、東日本大震災時に体調が悪くなった時に知り合った研究医・小出桔平(高橋一生)と知り合い、同棲するようになる。結婚を意識した由加利は、母親の状況に合わせ桔平と引き合わせようとするが、当日桔平は来なかった。実は桔平はくも膜下出血で意識不明の状態で、それを知らせに来た刑事(嶋田久作)から、桔平の免許証は偽造であり本人が誰だか分からないと知らされる。

■由加利は同僚の親戚の探偵・海原(吉田鋼太郎)に捜査を依頼する。海原の助手・木村(DAIGO)の助けも借り捜査を進めようとするが、そこに桔平が連日通っていたらしい喫茶店のバイトで、桔平を「先生」と呼んでいた心葉(川栄李奈)が絡んでくる。

■海原や木村の協力で、瀬戸内海に謎が潜んでいる、と確信した由加利は瀬戸内海に旅立ち、その後海原を呼ぶ。

■まあ故郷が舞台の一部の映画なので、まあまあ楽しんで観れた。昔行った大三島やしまなみ海道の映像や、乗ったことのあるフェリーの映像が懐かしくて。そんなのは地元民の感想に過ぎないけど。旧市内(今治市は平成の大合併で島嶼部も含めて大所帯になった)の出身のオレとしては、その辺のロケがまったくなかったのが残念。理由は分かります。旧市内は全然画にならないから。

■でも申し訳ないけど、監督の中江和久さんは初見で、兼任脚本が雑すぎ。長澤まさみがまあまあ性格悪いキャリアウーマンなんだけど、そこまで悪く描く必要があったのか。あ、本作は事実を元にはしてるらしいがオリジナルです。ま、悔やむべき過去を背負った高橋一生のピュアさと対比したかったのかも知れないけど。あと、心葉(川栄李奈)の演技がキモ過ぎ。演出に忠実に沿っただけだと思うけど。

■故郷が舞台の映画ではあるけど、あまりお薦めできないかな、と。

■エンドロールで流れる松たか子のテーマソング『つなぐもの』の歌詞が妙に心を抉るなと思ったら、作詞は脚本家の坂元裕二だった。あまり数は多くないが、坂元裕二はTMN(TMネットワーク)の『永遠と書いてデイドリーム』など、作詞家としても活動している。さすがです。現在放送中のドラマ『anone』も面白いですよ。

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伊藤くん A to E [映画]

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■2018/01/13鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年3本目の邦画1本目。

■同名のドラマを昨年末の深夜に、今作の監督である廣木隆一さんがチーフのドラマを見たのが鑑賞のきっかけ。廣木隆一監督は少女漫画原作のいわゆる「プログラム・ピクチャ」を撮りながら時々自分企画っぽいのを挟んでくるという、観客からしたら面白い監督さんです。「プログラム・ピクチャ」では『オオカミ少女と黒王子』とか。作品数が多いので全然追い切れてません。自分企画っぽいのは『さよなら歌舞伎町』とか。廣木監督作としてはオレはなるべく後者を観たいのだけど、「プログラム・ピクチャ」系と比べて上映館は少なく上映期間も短い。作品の質云々より興行側が評価してないせいもあるかも。おかげで、昨年公開でB先輩絶賛の『彼女の人生は間違いじゃない』も観そびれましたよええ。大ベテランでそれなりの功績もある監督さんの好きな企画が通らないなって、日本映画界もまあまあおかしいかなと思う。ま、自分の企画を通せる監督は、日本では一桁しかいないだろう。

■まあ、おそらく持ち込み企画でも『娚の一生』みたいな廣木色が強い作品もあるけどね。

■前置き長すぎで申し訳ありません。今作はプログラム・ピクチャ系の作品。原作は漫画ではないけど、柚木麻子さんの同名小説が原作。

■かつてヒット作はあったが、今はくすぶっているアラサーの脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)は、彼女の講演会に来た一般女性、A〜D(佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆)の男性関係の話を取材して、新しい脚本にしようと目論んでいた。不思議なのは彼女たちの相手がみんな「伊藤くん」だということ。実は「伊藤くん」は同一人物で、莉桜主催のシナリオ勉強会の会員の一人、伊藤誠二郎(岡田将生)だったのだ。

■伊藤は28歳・フリーターの設定なんだけど、ちょっと昔の自分の経験がカブる。フリーターでもなかったし30過ぎてたけど、某キー局のシナリオ学校に通ってた経験がある。結局シナリオライターにはなれなかったけど、結構楽しい時期だった。

■オレのヨタ話はどうでもいいですね。伊藤くんは複数の女性を惑わせる女たらしでありながら、実は童貞だったというぶっ飛び(古)設定は面白かったし、伊藤くんや莉桜を含め、自分のプライドや価値観を守るのがすべての登場人物において最優先、というのが凄かった。

■まあ、毒が強くて万人にはお薦めできないけど、結構気に入った映画です。岡田将生はなんでもこなせる演技力の割に、器用貧乏過ぎて評価がイマイチだと思う。なので、この映画も含めて悪人やクズ役として面白かった『悪人』『謝罪の王様』のようなクズ役に専念されたら評価が上がるのではないかと。

■すいません、絶対無理ですね。鬼イケメンなので。

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バーフバリ 王の凱旋 [映画]

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■2018/01/07鑑賞@チネチッタ。今年2本目の洋画(外国映画)2本目。

■2部作の後編。前編『バーフバリ 伝説誕生』(2017年の春に日本公開)は一部で話題になっていたので観ようと思っていたが、上映館も少なく上映期間も短かったので観逃してしまった。その後に知った話だと、前編はインド映画史上最大の制作費で最大の興収。後編はともに前作を上回ったそうで。これは観なきゃアカンでしょ。こういう映画こそ、ネット配信(「Netflix」「Amazon Prime Video」「hulu」など)で積極的に配信して欲しいと思うんだけど、現状では優先順位はメジャー配給の作品の方が強い。マイナー系ももっとやってくれたらいいと思うんだけど。でも本作の場合、「Amazon Prime Video」で有料(¥400)ながら前編の配信をしていたので、さすがに前編を観ないで臨むのは乱暴かと思い、先に前編を見てから臨んだ。すんげえ面白かった。

■その数日後に、契約しているWOWOWで前編の放送があったのには少しがっかり。すいませんセコ過ぎて。ちなみに後編だけ観ても、冒頭に前編のあらすじが付いてくるので、訳がわからないということにはなりません。

■ともかく久しぶりのインド映画、そして前編が面白すぎたのでチネチッタに赴く。上映時間が2時間30分と長いので、映画館的には回転率が下がり、当然上映館は多くない。すいません、ここまで映画の内容にあまり関係ないことを書きすぎました。そしてインド映画なのでまったく俳優さんは存じ上げないので俳優名は全略します。

■あらすじ。古代インドの大国マヒシュマティ王国で、本来ならば王を次ぐべきだったバーフバリは叔父の策略に遭い、辛うじて難を逃れ民間人の保護を受け、「シヴドゥ」と名付けられる。成長したシヴドゥは、自分の身の上は知らないまま、滝の上に行ってみたいという一心で上り、美女アヴァンティカと出会う。そこの新しい世界で、シヴドゥは自分が本来ならば王の継承者であったバーフバリであることを、群衆の歓声から知る。そこからの物語です。かなり省いてます。

■インド映画を久しぶりに観たということもあるけど、映画全体がものすごい熱量。タイプは違うけど、昨年末に観た大林宣彦監督の『花筐 HANAGATMI』に似た熱量を感じた。もちろん制作費はこちらの方が段違いに多いとは思うけど。

■王位を継承する争いとしては、同様の映画『キング・アーサー』とあらすじがメチャ似てる。別にパクリとかではなくて、この時代の話はこういう定型化に収斂してしまうのかなと。あと、完成度以前に熱量とか勢いで押していくという製作陣の姿勢が、まあまあ好きですね。

■インド映画を久しぶりに観たけど、凄すぎて人にも宣伝してしまった。「熱量」という点では日本映画は見習うべき点があるのではないかな。

■傑作。まだやってます。観れる方はぜひ劇場で。

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キングスマン ゴールデン・サークル [映画]

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■2018/01/06鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年一本目の洋画一本目。2015年日本公開のスパイ映画『キングズマン』の続編。

■前作は日本では小ヒットぐらいだったけど、大変面白かった。だが主人公のハリー(コリン・ファース)が劇半ばで殺されてしまうというまあまあ反則の展開。続編はあるやなしや?と思っていたのだが、無事公開と相成った。

■ロンドンにある高級テーラーを隠れ蓑にしたスパイ組織「キングスマン」は、ハリー亡き後、ハリーに鍛えられた昔の同僚の息子・エグジー(タロン・エガートン)が紳士を兼ね備えた立派なスパイとなり、活動を継続していた。しかし、アメリカの麻薬組織「ゴールデン・サークル」の襲撃を受け本拠も、構成員の住居も壊滅状態になる。辛うじて生き残ったのはエグジーと、教育担当だったマーロン(マーク・ストロング)のみ。彼らは助けを求めアメリカに向かう。同盟組織「ステイツマン」はバーボンウイスキーの製造元を隠れ蓑にしたスパイ組織だった。そこでエグジーたちは、死んだはずのハリーが、記憶を失いながらも生存しているのを発見する。

■ハリーが復活した経緯は「こんなんやったら誰でも復活できるやん」くらいのバカ理由だったけど、この映画のテイストだったら大丈夫。しかし組織名が、イギリスでは「キングズマン」、アメリカでは「ステイツマン」と国名に絡めた単純ネタと言うのは笑える。

■その後「ゴールデン・サークル」に乗り込んだキングスマンチームは、リーダーのボビー(ジュリアン・ムーア)と対峙することになる。しかしハリーは療養時の影響か身体能力が優れない。そして「キングスマン=ステイツマン」の合同チームにも裏切り者がいた。

■ははは。すいませんかなりネタバレです。あと、ジュリアン・ムーアの部下の処刑シーンはかなりグロなのでご注意。

■でも面白かった。基本的に悪ガキ的な視点で作られている映画だと思う。だって、キングスマンのメンバーが持っている「スーツケース仕込みのマシンガン」や「防弾仕様の傘」とか単なる面白ネタにしか見えない。効率考えたらもっとアイディアあるだろうが! あ、『007』と比較してですが。

■おそらく次回作も造られるだろう。おっさんの悪ふざけ映画、オレもおっさんなので大好きです。

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