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リバーズ・エッジ [映画]

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■2018/2/17鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年14本目の邦画7本目。そして(遅筆で申し訳ない)3/10に渋谷HUMAXシネマ(初訪問)で行定勲監督・プロデューサー・二階堂ふみの舞台挨拶があるというのでチケットを申し込んだら当選したので行ってみた。公開時はキャスト・スタッフはベルリン映画祭訪問中なので舞台挨拶がなかったのだ。二階堂ふみの出演舞台は何回か観ているので、生の本人は観たことがあるのだが、ちょっとこの映画には思い入れが強かったので。

■断るまでもなく当ブログは、わたくしの主観的な思いで書いているのですが、今回は特にそれが強いと思います。

■岡崎京子原作・監督行定勲・主演二階堂ふみ・主題歌小沢健二という、オレの中では四翻揃って満貫というスタッフ・キャストなので当然観ます。岡崎京子さんは1963年生まれでオレと同い年。主に90年代に宝島社系の雑誌で漫画を発表し一時代を築いた人。ただ、90年代後半にご主人と一緒に轢き逃げ事故に遭い、以降漫画を描くことは難しくなり実質的な断筆状態。宝島社(旧:JICC出版局)の代表雑誌『宝島』はインテリ雑誌に端を発し、サブカル雑誌→エロ雑誌→右翼雑誌と変遷を重ね現在は休刊中。現在の主力は豪華な付録つき雑誌と、社長は変わってないのにポリシーは超金儲け主義という素晴らしい出版社です。だけど、岡崎京子もそうだし、映画評論家の町山智浩さんとか、サブカル界に人を輩出したという功績は否めないかな、と。

■オザケンが主題歌に選ばれたのは、元気な頃の岡崎京子と交流が深かったから。二階堂ふみもこの映画化の企画は熱望してたみたいだし。世代は違うけど。

■閑話休題。時代設定は映画の中では明確にはされていないが、おそらく1990年代前半。これもおそらくだけど大田区内の都立高に通う女子高生のハルナ(二階堂ふみ)は、同級生の観音崎(上杉柊平)と付き合っていて体の関係もあるが、横暴な観音崎に冷めつつあった。ある時同級生の山田(吉沢亮)が観音崎にいじめられ高校内に閉じ込められているのに気づき、山田を救出する。それに恩義を感じた山田は、「宝物」を紹介すると河原にハルナを連れて行く。そこには白骨死体があった。

■記憶が薄いが原作漫画はたぶん読んだことがあるはず。岡崎京子さんの描線の少なさもあるけど、この話が多摩川が舞台というのにその時はまったく気づかなかった。なんで映画を観て気づいたかと言うと、現在オレは多摩川沿いに住んでいるからだ。対岸の川崎の石油工場からも推察できるように、場所はウチの近所ではなく、もっと河口に近い羽田近辺のはずだ。

■いじめや無軌道なセックスや暴力行為など、今作の話にはまったく救いがない。山田と外面では交際しているが、実はゲイの山田は取り繕っているだけで、いじめから救ってもらったハルナとの仲を誤解し報復行為に出るカンナ(森川葵)の演技は凄まじい。

■クソみたいな話なんだけど、エンドロール間近で主題歌の小沢健二の『アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)』が流れはじめた途端、すべてを許す祝祭の場に変わった。楽曲に参加している二階堂ふみと吉沢亮の「ポエトリー・リーディング」的な台詞がとても良かった。

■上映館は少ないし、率直に言うとヒットではない映画なんだけど、オレはとても好きです。公開後結構経ってるので、女性の知人からも批判的な意見は聞いたけど。

■おまけ。二階堂ふみはこの映画で初めてフルヌードになっているけど、今までセミヌードを見せた映画を含め一番エロくなかった。そういう演出方針だったんだろう。決して「無駄脱ぎ」ではない。

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グレイテスト・ショーマン [映画]

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■2018/2/17鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年13本目の洋画7本目。まあ、これを書いている時点で2ヶ月前ですね。スマン。でも現時点でもぎりぎり上映されているほどのヒット作なのだ。アメリカも同様。ただ、アカデミー賞には主題歌賞で『THIS IS ME』でノミネートされただけで、後はほぼガン無視。マイケル・グレイシー監督が新人さんだからかな? 分からないけど。

■実在した興行師、P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)の伝記的映画。貧しく育ったバーナムは良家の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と幼い頃に知り合い、やがて結ばれる。その後も勤めた会社が倒産するなど、苦難にあうバーナムだったが、半ば詐欺的な手法を使って銀行の融資を受け「バーナム博物館」を作り独立する。しかし客足は厳しかった。

■娘のアドバイスで興行師になることを決意したバーナムは、世間的には奇形の人と言われる人間を集め、「フリーク・ショー」のサーカスを始め、それが大ヒット。腕利きの興行師として知られるようになるが、世間的には成り上がりと思われ、裕福な義理の両親の対応も冷たかった。

■現在でもアメリカでそういう興行が行われているかどうかは知らないが、今の倫理観で言うとまあまあアウトかも。もっとも、ちょっと前の日本、というかオレが子供のころの日本でも女子プロレスの巡業との抱き合わせで、「小人プロレス」という興行があったのだ。途中どこかからクレームが入ったのか、「ミゼットプロレス」という名称に変わったが。要は生まれつき小柄な人同士がプロレスをするという興行である。調べてみたら、そもそも女子プロレスの興行が昔と比べて少なくなったことと、人材難で現在は開店休業中に近いとか。

■閑話休題。映画はバーナムの成功と挫折、そして復活を描く物語なんだけど、分かりやすいストーリーといちいちツボに効果的な楽曲が配されるのでとても楽しかった。やはりヒュー・ジャックマンとミュージカルの親和性がすごく高い、ということは『レ・ミゼラブル』をご覧になった方は「何を今さら!」と怒ると思うが、やはりそうなんです。楽曲も素晴らしいし。

■まだギリギリやっているので、間に合う方は是非観てもらいたいが、宣伝にひとつ不満が。「『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る〜」という宣伝文句を見聞きした人は多いと思うけど、当たり前だが製作も演出も『ラ・ラ・ランド』とはまったくダブらないし、関係あるのは劇伴だけで、確かに今作の主題歌『THIS IS ME』を担当したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールは、昨年のアカデミー歌曲賞の『City of Stars』など、劇中の楽曲に関わっているが、すべて作詞においてのみで、昨年アカデミー作曲賞を受賞したジャスティン・ハービッツ(デイミアン・チャゼル監督の盟友)がほぼすべての作曲に関わっている。なので「『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る〜」という宣伝文句は誇大広告に取れなくもない。

■まあ、アメリカでどういう宣伝だったかは存じ上げませんが。映画そのものはお薦めです。

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犬猿 [映画]

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■2018/2/12鑑賞@109シネマズ川崎。今年12本目の邦画6本目。

■この映画は、以前観て面白かった『ヒメアノ〜ル』の吉田恵輔監督作品なので気にはなっていたが、観るかどうかはちと考えてはいた。しかしそこで地元の立ち飲み屋での飲み友達の某嬢が「面白かったですよ!」とリコメンドしてきた訳です。まあでもこの方、まあまあバッドエンドに近い『彼女がその名を知らない鳥たち』とかも好きで、映画好きというのは分かるけどどんだけバッドエンドが好きなんだ。とは言え、人のお薦め映画は大部分は観る価値があるので観てみた。

■いろいろ問題を起こしてきた前科者の兄・卓司(新井浩文)は出所後すぐに、印刷会社で真面目に働く弟・和成(窪田正孝)を頼ってきた。親の借金を地道に返す和成は、卓司の存在が煙たい。取引先の小さな印刷工場の主・由利亜(江上敬子)は、和成に好意を持っていて、無理な注文にも出来る限り応対してきた。しかし和成は、家業を手伝いつつあまり売れないグラドルをやっている妹・真子(筧美和子)と交際するようになる。卓司は怪しい商売に手を染め、親の借金を返して勢いに乗るが。

■まあまあ全員ゲスなんだけど、確かに面白かった。予定調和ではないエンディングも良かった。まあ、こんな映画ばかりだとメンタル疲れるけどね。良作。某嬢も嗅覚は凄いのかなと思ったり思わなかったり。

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パディントン2 [映画]

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■2018/2/11鑑賞@チネチッタ。今年11本目の洋画6本目。

■前作未見だけど、別の筋での複数の友人から「面白かった」という意見があったので、観てみることにした。さすがに1作目を見ないのはどうかと思ったので、アマゾンプライムで無料で見た。ビバネット。結果、一作目が面白かったので安心して映画館に。

■一作目で南米ペルーから出てきたクマのパディントンは、ロンドンでブラウン家の世話になり快適な日々を過ごしている。アンティークショップで、叔母さんの100歳の誕生日の記念として見つけた「飛び出す絵本」を贈ろうとしてパディントンは仕事に励むが、ある日その絵本が店から盗まれる。パディントンはなんと犯人とされて服役することになるが、実は真犯人は近所に住む落ち目の俳優・ブキャナン(ヒュー・グラント)だった。パディントンは、家族や刑務所の仲間と協力しながら真相を突き止めるのに動き出す。

■まあまあネタバレで申し訳ありませんが、とても面白かった。ナメててすいません。基本ファンタジー色の強い映画なんだけど、アクションシーンも適度に挟まれて、特にブラウン家の母であるメアリー・ブラウン(サリー・ホーキンス)は、『シェイプ・オブ・ウォーター』での好演も示すとおり、体を張った演技が素晴らしかった。

■まあでも、レンタルで楽しんでもらってちょうどかもね。

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