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Q10 [ドラマ]

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■久々にhuluで見たのだが、自分のブログにエントリが残っているのを忘れていた。もともと2010/11/07に投稿したエントリなのだが、以下全面改稿。

■脚本は『すいか』『セクシーボイスアンドロボ』の木皿泉さん。「木皿泉」というのはペンネームで実際は夫婦のユニット。主に日テレで良作(後は『野ブタ。をプロデュース』とかね)を連発されてるが、旦那さんの方が病気持ちということでどちらかというと寡作。

■舞台は高校で、主役が若手イケメンの佐藤健(当時同時期に『龍馬伝』の人斬り以蔵を演じ人気沸騰だったかと)とAKB48の前田敦子なので、視聴率爆発と行きそうだったのだがまあ普通だったみたい。

■心臓に持病を持つが平凡な高校生平太(佐藤健)が、なんやかんやあって謎のロボットQ10(前田敦子)の面倒を見させられる様になる話。でも、Q10は未来から送り込まれたのだった。

■基本的にはファンタジーの話。SF的な要素はありながら小理屈は一切語られてないし。でも脚本が面白くて深い。が、今現在理解能力が下がっている若い人には何のことだかわからないという恐れが多分にあること。以前、映画『パーマネント野ばら』の話を先輩と飲みながらしたときに、先輩の後輩で「オチがわかんなかった」というやつがいたとのこと。嗚呼。一応代理店系の人間なのになあ。

■キャストも芝居もいいんだよな。佐藤健・前田敦子(は演技力はともかくロボット役なので)、サブの賀来賢人、高畑充希は、現在と前の朝ドラのキャストである。この二人も大変よろしい。高畑充希を初めて認識したのはこのドラマでした。そして今売り出し中の俳優、池松壮亮も出てたんだよなこのドラマ。見返して初めて気づいた。しかも主題歌が高橋優だよ!いや気付かなかったなあ。

■高校生の話なのに挿入歌がやたら古い。『戦争を知らない子供たち』『風』『さらば恋人』など。木皿さんは確信犯的にやってると思うし、ドラマのストーリーと相まってすごく良かった。でもまあ、視聴率的には大したことはなかった訳で、木皿さん世代(だいたいオレより一回り上)やオレ世代と今の高校生が感じるのはたぶん違うということなんだろう。リアリティがなく、おっさん世代のイメージする高校生の話と思われるかもしれない。でも、エンディングも含めてすごく切なくて泣けるのです。

■でも、脚本・演出ともに素晴らしかった。個人的にはこの5年間で見た日本のTVドラマでは最高だと思う。huluで見れるし、レンタルもそんなに多くはないだろうがあると思うので、興味を持った方は是非。損はさせません。

崖っぷちのエリーその他 [ドラマ]

■「崖っぷちのエリー」。今クールのドラマのなかで最低視聴率を突っ走ってる訳だが、さもありなん。

■西原理恵子のエッセイが原作なのだが、一番重い鴨ちゃん(故人、元夫)との重いエピソードが全部省かれてる。興味のある人はサイバラさんの作品群を読めば全部分るのでそうしてください。ゴールデンタイムのドラマでそういうところが避けられてるのが作り手の弱さを出してるようで。サイバラさん自身も最終回でカメオ出演してるので納得ずくか。でも重いドラマがゴールデンタイム向けではないと思うのは単に逃げじゃないか?

■「熱海の捜査官」。面白いのは面白いのだけど、三木聡の脚本・演出は長いドラマには向かない気が。小ネタはいちいち面白いのだがそこを追ってくと話の結末から興味が逸れてしまう。「時効警察」くらいの一話完結ネタがちょうどいいかな。

■まあ今クールで一番面白いのは「うぬぼれ刑事」です。譲りません絶対。

GOLD [ドラマ]

■ともかくドラマの視聴率が平均しても悪いらしい。まあそれはそれでいいのだが、映像作品ってあるジャンルの人が期待されてるみたいね。このドラマも(今のところ救いがないのだけど)、確かなデータでもあれば言えるのだが、世俗が病み過ぎてついてくる人がいないらしい。まあな。

■簡単に言うと世俗が健全で、かつドラマが健全なら視聴率は稼げると思うんですけどね。「ホタルのヒカリ2」みたいにな。まあ、ドラマなんかに救いを求めないで自己訴求する。

■このドラマで野島さんは破壊的なことは何も言ってない。ただ視聴者の期待する方向と向きが違ってただけ。
話としてはじっと我慢してると面白いんだろうけどね。でもなあ、「そこで言って欲しい日本語」は実は言ってないと思うよ。

「SP」 [ドラマ]

■久々にDVDで観たけど、面白い。刑事ドラマとしては最高峰の分野ではないかな。

■これは主に脚本家の金城さんの力量だと思うけど、伏線がちゃんと完結している。連ドラにおいてはね。

■でも2007年にドラマが終わってて、完結編の映画が今年の秋って(しかも2部作)引っ張りすぎじゃねえ? もちろん、真木よう子の結婚、出産とか想定外の出来事はあったとは思うんだけど。

■特にドラマにおいては、旬の時期は明らかにあるので、それをちゃんと意識して欲しい。まあ、昨今の不況で、ドラマの広告収入だけでは飯を食えなくなって、ロイヤリティがきちんと入ってくる映画を目指すのは分るけど。でも、映画をあまり舐めないで欲しい。

GM~踊れドクター~ [ドラマ]

■いやはや、2年ぶりくらいの更新です。ま、標記のドラマに関して。

■まあいろいろ酷評を受けているドラマだけど、「何で医者が踊るのか?」とかね。以下全部推測なんだけど、先にヒガシとか方向性は決まってて、「じゃあ医療ドラマをリアルに書けるライターがどんくらいいる?」って話で最終的に林宏司さんに決まったんじゃないかと。

■TBSの公式発表でも、「脚本;林宏司ほか」に最初はなってたんだけど、最終的に脚本は林宏司さんで落ち着いた。

■で林さんの凄いところは、そういう裏舞台をすべて収束させて、ちゃんと医療ミステリーにしているところ。

■やっぱ「ドラマ不況」とか言われるけど、実は「脚本家不況」ではないかな、と。

つなぎの意味でメイキング。 [ドラマ]

■複数のブログを頻繁に更新するのは仕事を持っていると割合難しい。

■でも、映画とか芝居とか小説とかを吸収してない訳じゃなくて、単に咀嚼して文章にする時間がないだけなんだけど。

■映像のパッケージがDVDになってから、いわゆる特典映像として「メイキング」がおまけにつくようになったけど、これは賛否両論あるかな。正確にはジャッキー・チェンの映画のエンディングでNGシーンを流すようになったのが走りかなとは思ってるんだけど。

■映画でもドラマでもいいけど、その作品が良ければいいほど、ついうっかりメイキングを観てしまうのだが、だいたいがっかり。例えると中学生くらいの時に好きだった女の子の排泄とかを想像したくないような(あんまり合ってないか)。

■贅沢言うけど、そういう感覚を持っている人が今の職場でほぼいないのが残念ではある。それはそれでしょうがないんだけど。

「無理な恋愛」 [ドラマ]

■タイトル通りドラマの「企画」が無理。若い頃のマチャアキやさんまならともかく、今の時点で恋愛ドラマの主人公に挙げようというのは無理というものだろう。もうコメディアンもしくはエンターティナーの役割にどっぷりはまっている人たちが主役をやるのは結構しんどいのだ。こんな企画よく岡田恵和も受けたよね。

■それを理由に、「二十歳の恋人」はひどかったし(脚本もね)、でもね、「無理な恋愛」は脚本的には良くできたと思うんだけどな。岡田恵和のここんとこの脚本は素晴らしい。「アルジャーノンの恋人」「ホームドラマ!」「あいのうた」「バンビーノ!」そして「無理な恋愛」とね。ここんとこ一応レーティングを取れてたのはバンビーノだけ(ジャニーズだからかもねえ)。

■岡田脚本の最大の(今の世の中に対する)弱点は「見た目地味」ってことだけなんかなあ。まあスポンサーの反応はともかく、岡田恵和は確信犯で作っているので今後とも良作を期待したい。今中堅では一番いい脚本家の方である。Keep in touch。

「振り返れば奴がいる」 [ドラマ]

■三谷幸喜の連ドラ初脚本のドラマ。昨日「ザ・マジックアワー」が公開になったので、普通だいたいその話を書くはずなのだが、天邪鬼なわたくしはあえて古いドラマの話をすることにする。いや、mixiには書いたんだけど。

■なんで今のタイミングでこのネタを書くかと言うと、掲題のドラマが15年の長い時を経てDVDで7/25に発売になるからなのだ。すんごいドラマなんだけど業界的にいろいろ事情があるらしく、やっと15年の時を経てDVD化されるわけである。もちろんアマゾンで予約してんだけど。

■このドラマ、凄いですよ。もともと三谷さんはフジからオファーがあった時に、「知ってる業界」で「コメディ」しか書きたくないという条件で受けたんだけど、撮る段階でお笑いの部分はカットされてて、ものすごくシリアスなドラマになっている。ちなみに第1話くらいは、オンエアでも千堂あきほが麻雀に参加するシーンがあったんだけどね。ま、織田裕二の意向も反映されているらしい(シナリオ雑誌によると)。「三谷さんちゃんと書けるのに、なんでお笑いのシーンとか入れるかなあ」だったそうな。

■でもTVの連ドラとしては個人的に三谷幸喜の最高傑作だと思っている。人間「カセ」があるほうが実力を発揮できるときがあるみたいで、「笑い」を封印した三谷幸喜のストーリーテリングは物凄い。善と悪が途中で入れかわっちゃうし。観たことのない人はDVDのレンタルで観てみてください。

■あ、「ザ・マジックアワー」も観たけど凄い面白いですよ。ただねえ、三谷さん番宣出過ぎ(今も出てるけど)いくらなんでも逆効果かなと。そこマーケティング的にどうかなと。いい映画なのに。

「ラスト・フレンズ」 [ドラマ]

■だいぶ話も進んできたが、正直ちょっとしんどい。キャラクターの造型が偏り過ぎて話にのめり込めないのだ。

■錦戸のDVキャラはともかくとして、長澤の他人依存症、上野の性同一性障害かつ愛するものに固執するところは、男の錦戸と同じ。

■別に必ずしも視聴者に共感できるドラマを作れ、とは言わない。ストーリーの力で引っ張っていけばいいだけの話なのだが、それがあまりに脆弱である。

■今後の視聴率の低下は免れまい。

「パンドラ」続きのまた続き。 [ドラマ]

■今日第7話の放送があった。やっぱすげえやこのドラマ。近来の地上波ドラマにはない緊迫感があり、最終回の前の回である今回も全くテンションが下がってない。

■実は先々週末にこの「パンドラ」のトークイベントがあり、たまたまWOWOWの抽選に当たったので行ってきた。サプライズゲストで飯田譲治監督が出ていたが、メインは脚本家の井上由美子さんと女優の谷村美月のトークショー。飯田監督も井上さんも触れていたことなのだが、地上波はスポンサーの制約等があり表現できないことが多いらしい。ま、その分井上さんも気合いが入って「制約がない中で私に書かせるとどういう物になるか観てみろ!」というような気合いがあったのではと思う。谷村美月は可愛かった。おっさんなのでこれ以上の表現は避けておこう(苦笑)。

■で、井上さんの気合いの入れ方通り凄い作品になっている。最終回もどう転ぶか全く予想がつかない。トークショーで井上さんがMCの人に依頼されて若干のネタばらしはあったのだが(これは「ぴあ」のサイトにも書いてあったので書いてもいいだろう)、最終回で三上博史が谷村美月に対して「かあちゃん・・・」と叫ぶのがキーワードとか。まあこれだけじゃ想像もつくまい。しかしキャストの順位としては小西真奈美が上に来るけど、実質的に女優の最上位はこのドラマは谷村美月である。

■でも他人事だからどうでもいいんだけど、WOWOWも連ドラ初めてでいきなり高いハードル作っちゃったなあ。次の作品でこれを超えるのは難しいぜ結構。なお次週の最終回は沖縄行っててオンエア観れないのが残念だけどね。録画はしときます。

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