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最高の離婚 [ドラマ]

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■ドラマのエントリは、年初にhuluで見た「鈴木先生」を除くとたぶん2年ぶりくらいのエントリなのだが、これと、「泣くな、はらちゃん」という2本の印象的なドラマを続けて書く。2013年1‐3月期にフジテレビ系で放送されたドラマ。脚本坂元裕二、主演瑛太というのは、その以前に書いたエントリ「それでも、生きてゆく」と同じタッグ。見た目はぜんぜん違うドラマですが。

■非常に重いテーマだった「それでも、生きてゆく」と違い、このドラマは基本的にラブコメディ基調で、2組の夫婦(瑛太と尾野真千子、綾野剛と真木よう子)がくっついたり離れたりという話。それだけに話の筋を追うのはあまり意味がない。

■話の途中からだいたいパターンが決まってきて、各話の中盤以降から主要な登場人物4人のうちの一人が長台詞を始め、終盤で意表をついた展開になる、という水戸黄門的な定形になる。しかしさすがに台詞の名手坂元裕二。各人の台詞がなんというか心に沁みて、ラブコメであるにも関わらず思わず泣きそうになってしまう。いや別に泣いたっていいんだけれども。オノマチの長い独白は「それでも、生きてゆく」を想起させられた。

■やはりこのドラマで凄いのは、圧倒的なリアリティだろう。瑛太の面倒くさい性格とか長台詞はまあフィクションなんだけど(笑)、それ以外の演出と脚本が素晴らしくリアル。例えば瑛太と真木よう子が居酒屋でワインを飲むシーンがあるのだが、今までのドラマだと居酒屋で飲むのはビール、チューハイか日本酒。ワインを飲むなら小洒落たレストランというのが相場だったかと。でも実際普通の人は居酒屋でガンガンワインとか飲んでるしね。

■何より凄いのが、瑛太とオノマチの出会いが311の日の帰宅難民ということ。オレもその日帰宅難民で3時間半歩いて帰ったのだが、すごくリアリティがある(まあ、オレの場合はそういう出会いはなかったが)。これって、被災地でない首都圏の住民の被災地との距離感覚(ひとごとという意味ではない)を最適に表していると思う。今年年初に公開された映画「東京家族」では、妻夫木聡と蒼井優のカップルが三陸のボランティアで知り合ったという設定になっていたが、どうにも取ってつけた感が拭えなかった。

■あと、安易にセックスを話の枷にしてないところも好感かな。瑛太と真木よう子はあと一歩でそういう関係にならないし、オノマチと綾野剛はキスはするけどそれ以上はなし。ちゃんと真面目にドラマ作ってるかなと。最終回の瑛太とオノマチの不器用なキスもまさに名シーン。やっぱ坂元裕二は純愛好き?(いや、褒めてます)

■結局、2組とも元の鞘に収まるという結末なのだが、それは上辺だけで不穏な要素をはらんだままという表現で終わる。そこも含めてリアリティのある恋愛ドラマです。そう、「それでも、生きてゆく」が恋愛ドラマだったのと同様に。


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