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華麗なるギャツビー [映画]

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■6/16鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年36本目で洋画18本目。このタイトルでエントリを書くのは忸怩たるものがあるのだが、映画の邦題がそうだから仕方がない。

■原作はF・スコット・フィッツジェラルドの小説「The Great Gatsby」。今までに3回映画化(厳密に言うと4回なのだが、1回はテレビ映画なのでオレは映画としては認めない)されてるが、有名なのはロバート・レッドフォード&ミア・ファローの1974年の映画「華麗なるギャツビー」だろう。それ以前の邦題は「或る男の一生」「暗黒街の巨頭」だそうなんでそれと比べりゃまあマシだけど(まあ、外れてはないけどね)、「Great」を「華麗なる」って訳すのはかなり無理があると思う。

■最初に言っとくと、オレはフィッツジェラルドの大ファンで、洋書のペーパーバックも購入してるくらい。途中の経緯は分からないけど、初期の翻訳者で一番信頼できる野崎孝さん(故人)が最初に訳したバージョンが、74年版の映画の公開に併せて「華麗なる」になっちゃったのかも。その後さすがに原題と意味が違うと思ったのか、今はだいたい翻訳書の邦題は「グレート・ギャツビー」で固まってる。フィッツのファンである村上春樹さんが新訳で「グレート・ギャツビー」を出したのも大きいかな。余談ですが大学受験当時、野崎先生は東京都立大(現首都大学東京)の教授だったので、都立大に行こうかと思ったくらい。結局受験もしなかったけど。

■やっと本編の話に行きます。大まかな話の流れは割合原作に忠実。ま、ニック(トビー・マグワイア)の後日譚のあたりは映画オリジナルだけど、原作でも語り部はニックなのでそこまで違和感はない。ただ74年版と比べるとかなりインフレになってるな。ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)の家なんて大邸宅というよりもう城だし(笑)。

■この映画で一番感心したのはキャスティング。ニックははまり役だし、デイジー(キャリー・マリガン)はすごく綺麗。クズ男のトム(ジョエル・エドガートン)も超ピッタリ。共通の友人の女子プロゴルファー、マートル(アイラ・フィッシャー)がすごくいいアクセントです。何より凄いのはギャツビーを演じたディカプリオ。傲岸な役が似合うので不安ではあったのだが、虚勢を張りながら実は繊細な男にガッチリハマってた。いや参りました。

■で、バズ・ルーマン監督の演出なんだけど、「ムーラン・ルージュ」とかを撮ってた人なので予想はついたが、すごくせわしない。特に前半はカットが細かすぎるし、劇伴に至っては1920年代には存在してなかったヒップホップやラップとか使ってるし。確信犯みたいだけど。でもまあ、ジャズ・エイジを体感してる人は世界中に現在ほとんどいないわけで、当時の狂騒感を表すのにはいいのかなと思ったりしたり。

■原作ファンの方が気にするところだと思うけど、小説のオープニングとエンディングのニックの語りは忠実だし、カラフルなシャツを部屋中にばらまく名シーンもちゃんとあります。

■手放しでは褒められないし、公開週の日曜で客席ガラガラだったのでたぶんヒットはしないと思うけど。興味がある人には観て欲しいです。なんか不思議な映画。あと。3Dで観たんですが主に自然背景がバックだったので、結構効果があったと思う。


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