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悪人 [映画]

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■昔の映画UPシリーズ。これは最近観た映画ではないです。2010年(つまり4年前)に公開された映画。オレが今さら拡散する必要もないくらいヒットした映画で、日本アカデミー賞の各賞も取ったしね。しかし強烈な印象を残した映画。

■原作は吉田修一の同名小説。この人は同世代ということもあるけど好きな作家で、半分以上の作品は読んでる。原作は良かったのにクソ製作陣のせいでクズドラマにされてしまった『東京湾景』とかもそう。だからというわけじゃないだろうが、この映画の脚本は李相日監督と吉田修一との共同制作になっている。ま、金城一紀もそうだけど、映画好きの小説家が脚本に加わったら結構無敵かな、と個人的には思っている。

■あらすじは、観てない方と知らない方のために長めに。
長崎で土木作業員として働く清水祐一(妻夫木聡)は祖母(樹木希林)と二人暮らしで、先の見えない生活を紛らわすように、出会いサイトで保険外交員佳乃(満島ひかり)と出会い性交渉に至る。しかし佳乃には本命の大学生、増尾圭吾(岡田将生)がいて、祐一の誘いを断った結果、増尾に車から蹴り出される。追っていた祐一は佳乃から逆上的な言葉を浴びせられ思い余って絞殺。以降、祐一は出会いサイトで会った馬込光代(深津絵里)と合流して逃避行を続ける話。

■地方での底辺の生活に絶望した祐一はこういう行動に至る。庇護すべき要素はないけど、地方で生活している人間の絶望感というのはよく表してると思う。性欲とか孤独感とかをむき出しにした映画なんだろう。キレイ事は全くない。

■逃避行の妻夫木と深津のシーンは切ない。半ば強引なセックスも含めて。そして最後に二人が逃げこむのは灯台。結果あまり救いようのない結末に至る(原作どおり)。観た当初は満島ひかりと岡田将生がチャラすぎると思っていたのだけど、今考えると監督にそういう役を与えられ演技をやり切ったに過ぎないのだなと。主演の二人だけじゃなくこの二人にもオベーション。

■すごくいい映画でした。希望と絶望を明示してくれたような。あと、地方の疲弊をメジャーな映画で示してくれたのは初めてかなあと。何というか、すごく気高い映画です。

■長崎にはまだ行ったことがなく、ロケ地訪問を是非してみたいけどなかなか。

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