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ジョーカー・ゲーム [映画]

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■2015/02/07鑑賞@109シネマズ川崎。今年6本目の邦画5本目。やっぱ現時点では邦画に寄っておりまする。

■観た動機は、予告編を観て面白そうだったから。まあ予告編にはかなり裏切られることが多いけど。あと昨年末のとある飲み会で、この映画の同名原作小説(柳広司さん作)の話題が上ってたので、もしかしたら話も面白いのかもと。

■入江悠監督(『日々ロック』に続く)で、主役は亀梨和也でヒロインは深田恭子。なんか既視感あるなと思ったら、今やってるテレ朝の連ドラ『セカンド・ラブ』とまったく同じキャスティング。まあ映画の撮影はずいぶん前なんだろうけど、ちょっと何だかなという気もする。

■話は戦前(しかしこの定義も今の若い人には理解できるのかと不安になる)の陸軍。士官学校で同僚を虐待した上官を殺してしまった男(亀梨和也)は銃殺されるところを、D機関という諜報機関(たぶん陸軍中野学校がモデルなんだろうな)のヘッドの結城中佐(伊勢谷友介)によって免れD機関のスパイとして育成される。そこを卒業し嘉藤次郎という名前を与えられた男は、あるミッションのために仲間とともに「魔の都」へ渡る。

■「魔の都」は話の文脈的には上海っぽいけど、実際のロケはバタム島やシンガポール他で行われたようだ。映像も素晴らしいし、アクションシーンもなかなかの迫力で、亀梨くんはよく身体が動いている。ま、『バンクーバーの朝日』同様、戦前の話なのに妙に細眉なところを除いて。あと、ヒロインの深キョンにアクションをやらせたのもちとご愛嬌か。

■というわけで、画のルックは悪くないし、例えばスパイ育成時のディテールなんかも結構細かくて面白い。しかし、全体の話の流れとして、新型爆弾の設計図・通称「ブラックノート」の各国間での争奪戦というのがあるのだが、ちょっとそれが場当たり主義的でユルすぎるし、細かな矛盾が多い。スパイアクションとしての根幹がダメなのだ。

■これは脚本がダメなのか、そもそも原作小説がダメなのかという疑問を抱いたので、映画を観た後書店で原作小説の文庫版を買って読んでみた。原作小説は連作短編なので、確かにディテールは各編のエピソードが使われているが、全体の話の流れは脚本オリジナルだ。全部に共通して登場する人物は結城中佐だけで、嘉藤次郎のキャラクターは各短編の登場人物を合成して作られている。

■例えて言えば、星新一のショートショートを組み合わせて大河SF映画にするのと同じくらいの難易度だと思うけど、これはやはり凡庸な骨格を考えた脚本家が悪い。誰かと思ったら、今年観た『ST 赤と白の捜査ファイル』と同じ渡辺雄介さんだった。『ST』は結構良かったのだが。これが原作再構成の名手・古沢良太さんだったらな、とないものねだり。

■興収初登場2位とヒットはしてるし、原作のストックも結構あるようなので、続編製作確定だと思うけど、次作は脚本家を変更していただきたい。入江監督が気の毒である。



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