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無伴奏 [映画]

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■2016/3/26鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年38本目の邦画14本目。東京は都心の3館上映で、川崎での上映はなかったので鴨居まで来ました。

■原作は小池真理子の同名小説。小池真理子の小説は最近結構映像化されているようだ。何作か読んだけどあまり熱心な読者ではない。本作は未読。ただ、舞台がオレが大学時代を過ごした仙台だというところに興味があった。といっても舞台は1969年で、オレが仙台に越した時より13年も前の話。

■政治の季節だった1969年。「仙台三女」の女子高生響子(成海璃子)は、同級生のレイコやジュリーと一緒に、校内で「制服廃止闘争委員会」を立ち上げ活動するが、実は政治にさほど興味があるわけでもなく、なんとなく周りの学生たちの真似事をしているに過ぎなかった。

■ちょっと余談。「仙台三女」というのは小池真理子の母校である「宮城三女」がモデル。ただ2010年に仙台市内の公立高校は共学になり、それに伴い「宮城三女」も「仙台三桜」に校名が変更になったのがなんか面白い。ほんのちょっと前まで仙台の公立高校は男女別学だったというのもすごいけどね。

■本題に戻ります。レイコたちに連れられて行ったクラシック喫茶「無伴奏」で、響子は大学生の渉(池松壮亮)、祐之介(斎藤工)とガールフレンドの高校生エマ(遠藤新菜)と知り合う。4人で遊びに出かけたりするうちに、響子は渉に惹かれ始め、やがて付き合うようになる。だが、渉が時折見せる素っ気ない態度が響子を不安にさせる。渉には響子に話していない秘密があった。

■渉と祐之介の大学は、劇中では明示されていないがおそらくオレの母校である。1969年とはいえあんなオシャレな奴らいたかなあ、とOBとしては思うが、まあフィクションですんで。

■以下はネタバレしませんが、小池真理子の小説を何作か読んだことのある人なら分かる、いかにも小池真理子的な結末です。矢崎仁司監督はベテランの方だけど、不勉強にして観るのは今作が初めて。登場人物の台詞回しや映像も含め、故意に昔の映画のような撮り方をしていると思うのだけど、それが妙にピタリとはまった。

■役者陣も好演。主演の成海璃子は演技もさることながら、かなり大胆な濡れ場をこなしている。まあ、相手役が「若き濡れ場の帝王」池松壮亮だからかも知れないが。おっさんは昔のドラマ『瑠璃の島』を思い出して、あの少女がこうなったかと少し涙ぐんでしまったよ。ウソです。池松壮亮は毎度おなじみめんどくさい役でハマってるけど、そろそろ別系統の役をやってもいいのでは?とも思う。そして斎藤工のゲスっぷり(すいませんちょっとネタバレ)も凄まじい。さすがにアダルトビデオに出たこともないのに「セクシー俳優」と異名を取るだけのことはある。

■ただ、仙台市街は69年当時と現代ではかなり異なっているので仕方ないが、もっと仙台を想起させる映像が欲しかったかなと。監督やスタッフは、いいロケ地を求めて一日に1,500kmも車を走らせたこともあるらしい。けど、繁華街は無理にしても仙台市内でもマメに探せば当時と変わらない場所が結構あると思うので、その辺は残念。事情はあるだろうけど。VFX使っても良かったんじゃないかな。下手にロケするより場合によっては金かかんないかも知れないし。

■公開初日だったのに劇場はガラガラだったのでヒットしないと思うが、この映画の醸し出す空気感が結構好きだし、70年前後の時代に興味もあることもあって、人に強くは勧めませんがオレはこの映画にはちょっと惹かれてます。劇中繰り返し流れるカノンが、この映画の枠をきっちりと作っているというか。

■オレが観た前の回は満員売り切れだったのだけど、どうもその回は舞台挨拶があったらしい。斎藤工は人気あるもんね。なるほど。

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