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SCOOP! [映画]

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■2016/10/1鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年104本目の邦画50本目。

■以前も書いたけど、大根仁監督のドラマ・映画は大好物。言われなくても絶対観ますという感じで初日に来た。映画で言うと『モテキ』『恋の渦』『バクマン。』ですね。昨年公開の『バクマン。』に次ぐ今作。来年も公開作が決まっているようで、大根監督が映画の量産体制に入ったのはファンとして素直に嬉しい。

■原作・原案ありの多い大根監督作品だけど、今回も大御所・原田眞人監督の1985年の映画『盗写 1/250秒』が原案。映画といってもテレフィーチャー(TV用の映画)で、当時は大森一樹監督の『法医学教室の午後』とかを日テレでやってたと思うので、たぶんその一環だろう。未見。その後劇場で公開されたかどうかは知りません。DVD化もされてないらしく、原案映画と比較してみるのは一般市民にはほぼ無理です。

■本作と原案映画のタイトルを見れば想像つくと思うけど、写真週刊誌を舞台にしたパパラッチの話です。『盗写 1/250秒』の時代は「FOCUS」と「FRIDAY」、現在は「FRIDAY」と「FLASH」が主な雑誌かと。

■かつて数々のスクープをものにした凄腕カメラマン・都城静(福山雅治)は、現在は借金まみれで風俗好きの芸能専門中年パパラッチに成り下がっていた。時々ネタを売りに行っている写真週刊誌「SCOOP!」の副編・定子(吉田羊)の策略で、異動してきたばかりの新人記者・野火(二階堂ふみ)とイヤイヤコンビを組まされることになる。下品すぎる静と使えない野火は当然ギクシャクするが、現場を踏むうちに息が合ってくる。結果を出し始めたコンビに、定子は芸能だけではなく事件ものの取材を提案するが。

■大根監督の作品はテンポが凄くいいが、今までは時折中だるみがあったのだけど、今回は全編通して緩みがない。相変わらず映像も新しいアイディアが満載。登場人物も、他には情報屋・チャラ源(リリー・フランキー)や、定子と出世を争う副編・馬場(滝藤賢一)など魅力的なキャラクターで構成されている。

■また例によって大根監督は写真週刊誌への入念な取材をしたそうで、張り込みにも同行したらしい。面白かったのは編集会議で定子(スキャンダル班)と馬場(グラビア班)が対立するシーン。「売上はグラビアが支えてんだよ!」という馬場の主張もさもありなん。確かに写真週刊誌の中で唯一グラビアがなかった「FOCUS」は一番最初に撤退したしね。

■役者陣の演技は素晴らしすぎる。特にリリー・フランキーと二階堂ふみは、来年のどっかの映画賞で助演賞を取っても全くおかしくない。リリーさんは既に日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を取ってるけど。ただ、リリーさんがどれだけ凄かったかというのを書くと、ネタバレになるので控えます。

■ただ、正直に言うと主演の福山雅治の演技がピンと来なかったところもある。以下私見だけど、福山雅治という俳優さんは、事前にかっちり役作りをしてから現場に入っていくというタイプの人という印象がある。代表作『龍馬伝』『ガリレオ』はキャラクターが強烈なのでそれはマッチしてたと思うが。ただ、今作は「ゲスで借金まみれで女好きなカメラマン」の役で、しかも大根監督の「バブル期のエロオヤジ」を表したようなセクハラな脚本(ただし、原案映画の結末は変えてないらしい)もあり、特に前半は演技がわざとらしかった。この辺は作り込みではなくて、オフビートな芝居をして欲しかったけどね。ただ後半はシリアスな展開になるので、そこで歯車がきっちり噛み合った感じです。

■福山雅治の演技の感想についてはオレの個人的な嗜好もあると思うので、スルーして頂いても結構です。映画としてはたいへん面白い。ただ初日はファーストデーであったにも関わらず、目視で劇場は7割くらいの入りだったし、客層の平均年齢も高め。大根監督はこういう目標を掲げておられるようだけど、ちょっとムズいかな。『君の名は。』相変わらずどこでもほぼ満員です。バケモンだ。

■でも絶対面白い映画なので、観れる機会のある方はぜひ。

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