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女神の見えざる手 [映画]

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■2017/10/21鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年90本目の洋画56本目。

■この映画は何だか凄いという匂いを感じた。アメリカの政治での「ロビイスト」が題材なので、日本では馴染みのない観客が多いと思う。もちろん日本においても、それに類する役割を担っている人々はいるが、ロビー活動専門の会社というのはなくて、大手広告代理店だったり選挙プランナーだったり、場合によってはマスメディアだったりする。

■大手ロビー会社所属のエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は敏腕ロビイスト。ある日上司から、銃規制法案の新案を廃案に持ち込むようにという指示を受ける。自らのポリシーに反していると感じたエリザベスは抵抗するが、上司のデュポン(サム・ウォーターストン)の「嫌なら辞めろ」と言われる。その時に銃規制法案に賛成の、小さなロビー会社のCEO・シュミット(マーク・ストロング)から誘いを受けたエリザベスは、翌日部下の大部分を引き連れてシュミットの会社に移籍する。

■エリザベスは、勝つためにはいかなる手段も厭わない。盗聴、かつて自分が経験した銃撃事件で心を痛めていた部下をアピールに使うなどなど。不利を感じたデュポン側はエリザベス自身のスキャンダルを暴こうと思い、旧知のスパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)に依頼し彼女を聴聞会にかける。

■途中までは、最近の日本の政権批判にもよく見られる「方向は合っていても手段を間違ったら意味がない」という教訓の話かなと思ったのだけど、いい意味で結末は予想を遥かに上回った。エリザベスはどれだけの覚悟でこの案件に臨んでいたのかと。彼女自身四六時中仕事漬けなので、不眠症に悩まされ、金で男を買ってストレスを発散させたりと、人格的にはほぼ破綻している。だからこその凄みを、主演のジェシカ・チャステインに感じる。ホラーとも思えるくらいの迫力だったしね。

■これは今年観た洋画の中でもかなりの傑作。思うに最近のこの手の作品は実話ベースが多かったが、今作は現実世界との問題感は共有しつつ、ストーリーは完全なるフィクション。だからこそカタルシスを感じる話を構築できたんだろうと思う。脚本のジョナサン・ペレラは、今作が脚本家デビューとなる、30ちょいの元弁護士さんだとか。すげえな。

■たいへんお薦めです。が、今年は例によってブログが遅筆で、しかもこの映画、日本ではあまりヒットしなかったので、現時点での上映館はあまりありません。大変申し訳ないのですが、パッケージの発売をお待ち下さい。

■ただね、もったいぶった邦題がダメだな。原題の『Miss Sloane』でいいじゃんなあ。

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