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愛と誠 [映画]

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■公開初日、2012/6/16鑑賞@TOHOシネマズ川崎。三池崇史監督で妻夫木聡、武井咲主演(つっても武井は映画初出演らしいけど)の割に上映館が異常に少ない。川崎でもTOHOでしかやってないし。ま、今年17本目で邦画9本目。

■舞台裏は知らないけど、「さほど売れそうな映画じゃない」という判断でこういうことになったのか。実際TOHOシネマズ川崎でも一番小さいハコのスクリーン8。全112席でスクリーンもちっちゃいし、視覚的には家で47インチの液晶を観てるのと大差ない(爆)。でも実際、公開初日なのにこの小さいハコで客の入りだいたい2割。たぶんシネコンごとにどの箱にどの映画を振るか、っていう役割の人がいると思うのだけど、残念ながら大正解(T_T)

■しかし、この映画は少なくとも今年観た映画のなかでわたくしに一番インパクトを与えた。今年最高の映画とは言えないけど、映像体験としてはたぶん最高レベルだと思う。原作は1970年代の梶原一騎×ながやす巧のベストセラー漫画。妻夫木も武井咲も年齢的にこの漫画の存在を知らなかったようだし、まあ大部分の観客もそうだろう。個人的には原作を全く知らない観客の感想を知りたい。私の世代は基本的にこの漫画はインプリントなんでねえ。

■以下概ねストーリーは皆様ご存知という前提で。すいません、知らない人はwiki見るか映画の公式サイト見るかしてあらすじ確認してください。
太賀誠と早乙女愛の出会いはさっくりアニメで流され、導入部はいきなり太賀誠と街のチンピラ達との乱闘シーン(新宿西口地下スバルビル前!)なのだが、これがなんとパパイヤ鈴木振付のダンスミュージカル風。しかも曲は、初代太賀誠の西城秀樹へのオマージュなのか「激しい恋」。無駄に画面から溢れだす物凄いエネルギー!



■そして愛の手引きで青葉台学園に編入した誠の前で、愛は「あの素晴しい愛をもう一度」(関係ないけどこれ超名曲。北山修の歌詞も、加藤和彦の曲も最高)を踊りながら歌う。 そう、過去の映画化とは全く違い、話を換骨奪胎した「昭和歌謡ミュージカル」とでも言えばいいのだろうか? ふざけた振付と突っ込みどころ満載の脚本なのに、音楽の小林武史がなぜかきっちり仕事をして絶妙なアレンジを施しているので、どうにも気持ちのよい居心地の悪さみたいなものを感じてしまう。まるでインド映画のよう。三池監督がインタビューとかで「やっちゃいました」と言ってたのはこれだったのか。



■そしてキャステングの妙もあって、登場人物のキャラの立ち方が半端ない。主役二人はもちろんのこと、岩清水弘役の斎藤工(爆笑。この人も30過ぎてんのだが)、愛の両親の市村正親と一青窈、スケバンガム子役の安藤サクラ、極めつけは蔵王権太役の伊原剛志(48歳だぜ・・・)! 

■あと、映像演出が70年代の空気の猥雑さをよく表している。ギラギラのネオンの色使いとか「トルコ風呂」の表記とか、花園実業高の描写とか(いや、ありゃないか)。思えば現代日本が息苦しいのは、こういった猥雑さが失われてしまったせいかもしれない、などとも思うのだ。

■ああ、やはりわたくしごときの駄文ではあの映画に受けた影響、感じた雑然とした「気持ちのよい居心地の悪さ」を伝えるのは無理だった。是非、劇場で観てください。ドハマリになるか途中で怒って帰るかのどちらかを保証しマス。

■余談その1。蔵王権太のテーマを「狼少年ケン」に決めたの誰? 面白すぎ。 その2。エンディングテーマのかりゆし58、物凄くこの映画の雰囲気にそぐわなくて蛇足。別に劇中で流れた一青窈「愛と誠のファンタジア」のリピートで良かったのに。これは結構ハマってた。


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『愛と誠』愛好家

 こんにちは『愛と誠』関係のブログをネットサーフィンしている者です。
 今回の映画化は原作好きの者にとっては喜ばしいかぎりです。
 もしよろしければこちらのサイトにも一度遊びに来てください。『愛と誠』関係に関する出演者ブログやニュース、他の方の感想ブログのリンク一覧にまとめており、また『愛と誠』に関する書き込みならなんでも書き込んでください。
・ 映画『愛と誠』ネタバレ掲示板 http://aimako.bbs.fc2.com/
他にも
・ 『愛と誠』覚え書き      http://www.myagent.ne.jp/~bonkura/201X.html
・ 梶原一騎ファンサイト『一騎に読め!』 http://www.myagent.ne.jp/~bonkura/


by 『愛と誠』愛好家 (2012-06-28 20:55) 

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