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ホロヴィッツとの対話@PARCO劇場 [舞台]

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■ああ、やっと久々に映画以外のエントリを書けたw 今回ちょい長いです。すいません。

■2/13鑑賞@PARCO劇場。もちろん今年一本目の舞台。脚本&演出は三谷幸喜。出演は渡辺謙/段田安則/和久井映見/高泉淳子。2011年は三谷幸喜の全舞台を観たわたくしだが、昨年も沢山掛かってたのにも関わらず、チケ取りも積極的にやらなかった結果、一本も観ていない。観すぎた結果少し飽きてきてたのかもね。で昨年観た舞台は大人計画(というか松尾スズキの一人芝居)の「生きちゃってどうすんだ」の一本きり。

■PARCO劇場は都合たぶん3回目なのだが、どうもちょっと慣れない。まあ観た記憶は全部三谷幸喜脚本/演出の舞台で、最初は斉藤由貴主演の「君となら」。1995年の作品なんで、おいおいどんだけ昔なんだよと。実は遅れてきた演劇中年でもあるわたくしは三谷舞台初体験。二度目は2011年の「90ミニッツ」。最初の席は覚えてないけど、「90ミニッツ」は前から5列目、今回に至っては前から2列目というメチャクチャいい席(ただし端だけどね)。つー訳でかなりいい環境で観ることができた。

■最近の三谷さんの舞台は、翻案は別にして基本的に実在の人物中心。今回は伝説的ピアニストのホロヴィッツ(段田安則)とその妻ワンダ(トスカーニの娘:高泉淳子)、とホロヴィッツの専属調律師であるフランツ・モア(渡辺謙)とその妻エリザベス(和久井映見)が登場人物。舞台を観たあとすこし調べたが皆さん実在の人物だったよう。エリザベスは分かんないけどたぶん実在だろう。

■ざっくりと状況だけ。フランツの家にホロヴィッツ夫妻がディナーのために訪れるという情景の話。で例によって三谷流の細かいツッコミで細かい笑いが連鎖する。それだけではなく音楽に向き合うものとしてのシリアスな話も繋がってくるんだけど。劇伴はすべてピアノなのだが、大部分作曲者の荻野清子さんが生で(ビックリ)演奏している。オペラを生で観たことはないので、こういうのは初体験。かと思ったら同じ三谷舞台「オケピ!」ではフルオケが演奏してたな。

■もちろん面白かったんだけど、いつもの三谷舞台と比べて、お笑いとシリアスのリンケージがあまりうまくないというような印象が。話のひとつの鍵はホロヴィッツ夫妻の娘ソニア(これも実在)なんだけど、そこまでの流れがなんかぎくしゃくしてる。ソニアにまつわる話はネタバレになってしまうので避けるけど。

■役者陣はオレなんかがケチつける話ではもちろんないんだけど、渡辺謙は十数年ぶりの舞台、和久井映見は初舞台とのことで、基本高泉淳子にかなり食われてた気がする。段田安則はいつもの通り飄々と演じていたけどね。高泉淳子さんはオレも含めてそんなに馴染みがない方だと思うけど、最近ではドラマ「主に泣いています」でトキばあをやってた人。間違えやすいが高畑淳子ではない。

■オレ的にはやや消化不良だった話なんだけど、その要因のひとつはオレのクラシックに対する素養が決定的に欠如していることだと思う。わかる人ならもっと楽しめるはず。ホロヴィッツだって身近な存在じゃないし。ただホロヴィッツの最後の来日時はオレは大学生だったのだけど、演奏を吉田秀和が「ヒビの入った骨董品」と評したのが話題になったのは覚えている。同期にクラシック好きの奴が多かったので。

■この舞台自体の話はここまでであとは余談。チケット代はなんと9,800円と半端無い高さ。パンフも1,800円とバブル期のような価格設定でシャレになってない。自分が観た三谷舞台の料金の中でも二番めに高い。一番高かったのは、シアタークリエでやった「恐れを知らぬ川上音二郎一座」で10,000円。でもそれ以外はそこまで行かず、一昨年観た同じパルコ劇場での「90ミニッツ」は7,500円だった。「恐れを知らぬ」はキャストの数がかなり多かったので分からなくもないけど今回は4人。まあ、渡辺謙のギャラが理由だな。あ、disってないですよ。

■で、料金の高さに比例するように観客層はやはり年齢高め。若者が舞台を嫌いって訳ではないと思うけど、やはりこの値段では足が遠のくだろう。オレも若いころ全然観てなかったし。で思ったのが、先日観た映画「演劇1・2」に登場した平田オリザが提唱している「芸術保険」。まあ健康保険よろしく国民から定額で保険料を徴収する代わりに映画や演劇を7割引くらいで観れる制度。正直現実味はないし、実施してる国もないけどね。でも欧州とかは寄付金が多いせいで格安に舞台とかを観られるそうだ。

■例えば韓国なんかはエンタを重要産業と認めて国のサポートも手厚いらしい。日本も製造業がサチってるんだから、エンタに国策で投資するっていうのがあってもいいと思う。そういうことを考えると、筒井康隆の小説「美藝公」になっちゃうかな。考えすぎでした。

■おまけ。生で観た和久井映見はかなりグラマー(死語)でしたw


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