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大人ドロップ [映画]

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『LIFE!』と同日の4/12に鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年16本目の邦画5本目。

■定期的にこういう青春映画を観たくなってしまう変なわたくし。観る映画の種類に年齢は関係ないとは思うけど、普通のアラ50はあまり観ないだろうな。ところがどっこい、劇場は空いていたのだが年配の方もちらほら。まあ1100円(3月末までは1000円だった)で映画を観られる世代の方とお見受けしたが。もちろん観た理由はそれだけではなく、主要キャスト4人に興味があったからである。

■まず主演の池松壮亮。何の因果か問題作『愛の渦』に続く主演作がこれ。セックスに溺れるニートから純情高校生への華麗なる転身にはそりゃ興味が沸く。そしてクールビューティー橋本愛。この映画、撮影は2013年6月の2週間だったそうで、『あまちゃん』撮影との掛け持ちだったようだ。『あまちゃん』出演前から売れっ子だったものね。小林涼子は若いけど芸歴長くて、かつチャーミング。そして前野朋哉。さほど知名度の高い人ではないが、『桐島、部活やめるってよ』の主人公前田(神木隆之介)と行動を共にする、あの映画部の武文なのだ。『桐島』ではカラミはほとんどなかったものの、橋本愛と『桐島』以来の共演ということになる。

■監督は飯塚健。『荒川アンダーザブリッジ』を撮った人だそうだけど、この監督の作品は初見です。わりあい若い方のようだが、奥様が井上和香だと!許せん(違

■高校が舞台であることと、前述のとおり『桐島』とキャストが一部被ってるので、『桐島』テイストの映画のように見えるけど違う。『桐島』は群像劇だけど、この映画はメインキャスト4人中心の話。

■あらすじのさわりを。高校三年の由(池松)は友人のハジメ(前野)に依頼され、ハジメが好きな同級生杏(橋本)とのダブルデートを取り持ってもらえるよう、仲の良い女友達ハル(小林)に頼む。当日ふとしたことから由と杏は口論になり、気まずくなり距離を置くように。その夏、杏は高校を突然辞めて引っ越してしまう。

■ここまでだと高校生の切ない恋の話なのだけど、この後だんだんシリアスな展開も含まれ、若干最後はビターエンドになる。メインキャスト4人の演技はすごくいい。池松壮亮は『愛の渦』とは真逆の設定ながら(することはするが:笑)持ち味のめんどくさい感がよく出てるし、橋本愛は凛として綺麗(ただ、演技が若干ワンパターンな感じはするけど)。小林涼子はホントにチャーミングで映画の中で輝いてる。今まで見た中で一番ハマってる役かも知れない。前野朋哉の演技が存在感があってまたいいんだ、これが。香椎由宇・美波・河原雅彦といった大人がきっちり脇を締めている。

■ストーリーもいいしキャストもいいのだが、ちょっと演出がもたついてるような気がした。特に前半部、池松壮亮のモノローグで話を廻していくシーンが多過ぎる。原作がそうなのかも知れないけど、読んでないので申し訳ない。池松の前作『愛の渦』では一切ナレーションやモノローグが挟まれず緊迫した雰囲気で話が展開していくのと真逆。まあ、話も監督も違うので当たり前だけど。もう少し刈り込んで尺を短くしたほうが良かったと思う。

■しかしまあ、この映画、好きか嫌いかと聞かれたら、好きなほうではあります。人に強くは勧められないけど。

■余談その一。「大人になること」がこの映画のテーマのひとつで、そのためのキーアイテムとして登場するのがカワイの肝油ドロップ。オレなんざ幼稚園の時に食べて以来だと思うので40ン年食べてないがまだあったのね。作中でも同様の疑問が示されてるが、ドロップを決められた量以上に食べると体に悪いのかどうかは、ヤクルトを多量に飲んだ時の影響と同様、オレにとっては永遠の謎である。

■その二。高校生の話でありながら、撮影当時の現役高校生は橋本愛だけで、前野朋哉にいたっては30歳手前である。昔の映画『恋する女たち』では、当時20代後半の柳葉敏郎が高校生役をやるのを監督が自嘲気味に言ってたくらいなのに。最近は子役は別にして、高校生くらいの若い人の役を同年齢の役者が演じる、というのが少なくなってるような気がする。これもそうだし、現在同時期に上映している『クローズEXPLODE』(観ませんけどね)なんて同じく高校生の話のようだけど、役者のほとんどが20代後半以降ってねえ。そういうもんなんでしょうか。

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