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新宿スワン [映画]

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■2015/5/30鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年37本目の邦画19本目。基本的に園子温監督作品の新作は観るようにしてるので。ただ観る前に若干の不安はあったけど、それについては後述。

■原作は和久井健の同名漫画で、ヤングマガジンでの大ヒット作。最近はヤンマガは『砂の栄冠』(しかも立ち読み。すいません)以外はほぼ読まないけど、一時期は割合読んでいた。なのでこの作品も知ってるけど、それほど好きな作品でもなかったのでつまみ読み程度かな。

■歌舞伎町で喧嘩を売られた金無しの白鳥達彦(綾野剛)がボコボコにされているところ、通りがかった真虎(伊勢谷友介)に助けられ、風俗スカウト専門の会社「バースト」に入る。達彦がスカウトとして成長していくのに伴い、他のスカウト会社との抗争が展開していく。この辺は形を変えたヤクザものや不良高校生ものと同じなのでさほど新鮮味はない。ただ原作者が実際のスカウト経験者らしくて、話の端々にリアリティがあるところは良かったけど。

■バイオレンス描写も園子温監督の持ち味のひとつ(『地獄でなぜ悪い』『TOKYO TRIBE』など)なので、どんなふうに味付けされているのかと思ったのだけど。確かに迫力のある描写だし、今はなき新宿ミラノ座の屋上やそのビルのボーリング場での撮影は「園監督の作品なら好きに使ってください」との厚意もあり面白い映像になっている。ただ、園監督作品にいつもある、破綻をも辞さないような焦燥感、もっと言えば狂気が感じられず、予定調和の話になってしまっている。これは脚本が鈴木おさむ(と、水島力也:山本又一朗Pの別名)なところが大きな理由かと思う。鈴木おさむさんは映画の脚本も書いてるが本来は放送作家で、オレ的には話を上手に構成するのが得意な人という感じで、園監督と真逆な気がする。

■それに、園監督作品ではだいたい冒頭に「A SONO SION'S FILM」というロゴが入るのだけど、なぜか今作には入っていない。プロデューサーの指示なのか、監督自身が使いたくなかったのかは分からないが。

■というわけなので、園監督作品としてはあまりよろしくない出来。公開週の興収は一位なので、おそらく園監督作品の最高興収になると思う(これまでは『TOKYO TRIBE』)。原作のエピソードもまだ大部分消化されてないので、続編は作られるのではないか。ただ次回作は園監督自身が脚本を務めるべきであり、それが許されないなら園監督は降板したほうがいいとすら思う。

■厳しめの感想で大変申し訳ございません。でもこの後園監督の作品は二ヶ月連続(!)で公開(『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』)されるらしいのでそちらに期待。

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