ラブ&マーシー 終わらないメロディー [映画]
■2015/8/1鑑賞@角川シネマ有楽町。今年55本目の洋画28本目。何の因果か二週連続で有楽町。この映画館に来るのは初めてだけど、ビックカメラ有楽町店の上の階だったのね。このビルの読売会館自体かなり古く(もうすぐ60年経つみたい)、ビックカメラ有楽町店には何回か来たことあるけど複雑怪奇な動線です。
■まあいいや。この映画が『ザ・ビーチ・ボーイズ』の実質的なリーダーであったブライアン・ウィルソンの伝記的な映画ということを知った時からすごく観たかったのだけど、HPでチェックしてみたら都内での公開はたったの3館で公開時は2館、神奈川では湘南(辻堂)でしかやってないということで、クソ暑い中有楽町まで行きました。
■実際、ビーチ・ボーイズ(以下こう呼称)やブライアン・ウィルソンに興味がない人がこの映画を観に来る確率はかなり低い訳です。60年代のアメリカン・ポップスのファンとか、そこから派生した山下達郎・大滝詠一ほかのファンの人とか。どう考えても客層は限られてるし平均年齢は高そう。なので配給側の上映館絞り込みは分かんないでもないんだけどね。
■マニアの方と比べると、オレはビーチ・ボーイズの熱烈なファンというわけではないが、全盛期の60年代にブライアンが心を病んでツアー参加を止め、スタジオでのアルバム作りに没頭していたことは知っていたし、80年代末期にソロで復活を遂げてからはほぼオンタイムでフォローしていた。何を隠そう、2002年の東京国際フォーラムでのライブには大枚(そうでもないが)を払って行ったクチです。当時の体調のせいか、半分以上は椅子に座って歌っていたけど、ボーカルはやはりブライアンでした。
■この映画はその60年代のブライアンと80年代のブライアンを、二人一役で演じるという割合変わった構成。60年代のブライアン(ポール・ダノ)が栄光の絶頂でだんだん心を壊していく話と、80年代のブライアン(ジョン・キューザック)が悪徳主治医ユージン(ポール・ジアマッティ)の呪縛から、偶然知り合ったメリンダ(エリザベス・バンクス)の助けによって解き放たれてくという話が、エピソードを交互に挟みながら語られてゆく。ちょっと観客には不親切な作りかも知れないし、その上オレは結構なネタバレまでしてしまった。ごめんなさい。あとこのメインキャストはほぼ初見です。
■60年代のパートでは、ブライアンが精神不安定のあまりドラッグに苛まれて幻想を見るところとか、ちょい重たいです。エロシーンがないのにPG12なのはその辺の配慮かも知れない。しかし80年代で悪徳主治医に操られていたという史実は知らなかったな。単にブライアンはある程度の期間を置いて復活しただけだと思ってたので、目から鱗です。
■そんなことよりこの映画が凄いのは、60年代のシーンで名曲『Would’t it be Nice』や『Good Vibrations』が、レコーディング時のいかなるセッションで作られたかを、まるで観客がその場にいるかのように追体験できること。ブライアンが天才というのもよく分かる。もちろんフィクションの要素もあるだろうけど、ブライアンが作品監修に名を連ねてるから、そんなに史実と乖離はしてないと思う。ドキドキするよ。
■なのでかなりお勧めしたい映画なのだけど、全国で公開館がすごく限定されるのが口惜しい。幸いにも観れる環境の方、予習のアルバムはビーチ・ボーイズの最高傑作『Pet Sounds』の一択と言っておきます。
■最後に。このサブタイトルの「終わらないメロディー」って要らねえだろ。自己満足かよ。
2015-08-05 06:06
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