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海難1890 [映画]

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■2015/12/13鑑賞@チネチッタ。今年95本目の邦画(実際には日土合作だが便宜上)49本目。

■正直言って、タイトルがあまりに直截的というかひねりがなさすぎなので、観る予定はなかった。しかし和歌山出身の大学同期のW君の強引な推し(笑)によって観ることにした。結果自分に合わなかったとしても、こういうクチコミの評判からは得るところが多いし。でも実は、もういい年なので日本の全県はほぼ行ったことがあるのだけど、唯一足を踏み入れたことがないのがこの和歌山県なのだ。

■映画は二部構成で史実に基づいている。1890年に、トルコから天皇への使徒として来日した船・エルトゥール号が、帰路台風に遭い和歌山県樫野崎沖で座礁。乗員の9割は死亡したが残りを地元の人達が献身的に救助したパート。それから95年後の1985年、イラン・イラク戦争の停戦合意が破棄され、テヘラン在住の邦人は危険に晒されるが、日本からの救出便はない。その中で、トルコ首相とテヘランのトルコ大使館員が働きかけ、テヘランからトルコへの救出便を手配し日本人を優先的に乗せて救った話が後半のパートです。ヤバイな、あらすじ全部書いちゃったよ。ただ史実ベースなので特にネタバレを危惧する必要もないけど。

■和歌山の離島に暮らす医師・田村(内野聖陽)はエルトゥールル号の遭難に遭遇し、混乱する村民を導きながら可能な限り助けようと試みる。助手のハル(忽那汐里)は数年前に婚約者を海難事故で亡くしたことのショックで声を失っていた。トルコの大尉のムスタファ(ケナン・エジェ)はハルのマッサージでギリギリのところで生還する。金も食料も乏しい村の献身的な助けにより、生存者は日本海軍の助けを経て無事帰国する。トルコ側の事情は全省略しているので、気になる方は映画を観るなりしてください。

■それから95年後のテヘランパート。上記の通り帰国が困難になった日本語学校の教師・春海(忽那汐里)は、生徒と家族の帰国の方策を探すところで、トルコ大使館員ムラト(ケナン・エジェ)と遭遇し助けられる。その後大使・木村(永島敏行:久々に見たな)の交渉とトルコ首相の英断により、日本人を優先する救出機が手配される。

■あらすじの繰り返しになってしまって申し訳ございません。この映画で凄いなと思ったのは、和歌山の人たちの無償の努力と、テヘランにいるトルコ民たちの受容度。それに対する反感としての当時の日本政府の情けなさ。

■誤解しないでいただきたいですが、だから安保法制を進めろという単純な話ではありません。在外邦人を守るということと安保法制はまったく別の話でございます。

■1890年で遭遇した忽那汐里とケナン・エジェが1985年で再度遭遇し「会ったことがあるような気がする」というのは当然完全フィクションなんだろうけど、そのへんは少しファンタジーですね。忽那汐里はいわゆる「オスカーゴリ押し三人娘」(あとは武井咲と剛力彩芽)と言われてたが、今作や『許されざる者』の芝居は凄かったので、今後も期待できる女優さんです。この映画でも実質主演と言っていいかも。

■ただ映画の冒頭での、ダウトオール・トルコ首相のスピーチは不要だったかな。ロシアの戦闘機を撃墜したとかしてないとかで、反ISなのにロシアと微妙な状況だったりとか。

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