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64ーロクヨンー後編 [映画]

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■2016/6/11鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年70本目の邦画33本目。前編の『64ーロクヨンー前編』を観たら、そりゃ結末が知りたくて後編も観ますよ。でもさらに堪え性のないわたくしは、前編視聴後原作小説を読んでしまった。なので、「原作と異なる結末」がどうなったのかと知りたかったところも当然あります。

■ただ、前後編はどうしても後編が弱くなってしまうのが世の常だし、前編で原作のエピソードの7割くらい使われているので、密度が低くなってしまうのかという不安は残る。TVCMでも「後編の方が面白い!」と言っているのも自信のなさの裏付けのようにも思えるし、ポスターの「映画史に残る傑作の誕生」というコピーも、「それを言っちゃあおしまいよ」的な。

■群馬県警広報官・三上(佐藤浩市)が記者クラブと一応の融和をみたところに、「ロクヨン」を模した誘拐事件が発生して前編は終わる。刑事部は前言を翻して、被害者を匿名にした上で報道協定を結ぶよう三上に命じる。苦闘する三上だが、実はこの事件には、未解決のままの「ロクヨン」の真の犯人を引きずり出そうとするある力が存在していた。

■以下はネタバレなので略しますが、原作小説では、真犯人は特定されるが「いずれ断罪されるだろう」というところで終わっているので、そこが物足りないと言えば物足りなかった。映画では断罪まできちんと描かれているのでそこは納得だけど、そのために主人公・三上のキャラクターがかなり改変されていたり、ところどころ辻褄が合わないところがあった。原作では重要な役割を果たしている三上の同期の調査官・二渡(仲村トオル)との「陽と陰」の関係が物語に立体感を与えていたのだが、映画(特に後編)では添え物的なエピソードに留まっているのももったいない。あと、前編の息もつかせぬ展開と比べると、後編にはやや冗長な部分が目立っている。前後編の後編の宿命か。

■役者陣は基本的に熱演。榮倉奈々はどんどんいい女優さんになりつつあるし、三上の元上司の捜査一課長・松岡を演じる三浦友和の抜群の安定感。そして、「ロクヨン」の被害者の父親を演じた永瀬正敏がすごく良かった。この人こんなに上手だったっけ?

■ただ、主演の佐藤浩市の演技は力みまくり過ぎでちょっとワンパターン。あと、三上の部下役の綾野剛は、演技力云々より、こういう普通の人の役はあまり向いていないと思う。もっとイカれてたりする役のほうがいいと思います。なので次回作以降の『日本で一番悪い奴ら』『怒り』に期待する次第であります。

■前後編の限界なら三部作、とも思ったがミステリに三部作はあまり適切ではない。やはりドラマシリーズの全五話というのが一番適切なパッケージなのだろう。友人知人でも両方見た人は「ドラマ版の方がいい」との声多数。そろそろNHKオンデマンドでドラマ版を拝見することにいたします。

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