教授のおかしな妄想殺人 [映画]
■2016/6/11鑑賞@109シネマズ川崎。日頃からTOHOシネマズ川崎を中心に、チネチッタとこちらの川崎駅チカ三大シネコンをよく利用しているのだけど、一日で三つ廻ったのはたぶん初めてだと思う。今年72本目の洋画39本目。
■今回ネタバレあります。申し訳ありません。
■ウディ・アレン監督の作品は若い頃はそんなに熱心なファンでもなかったのだけど、『ミッドナイト・イン・パリ』以降、毎年一本のペースで作られる作品はなぜか全部観ている。御年80歳、製作ペースが衰えないのは本当に尊敬に値する。
■アメリカ東部の大学に赴任してきた哲学科教授のエイブ(ホアキン・フェニックス)。若い頃は盛んに政治活動やボランティアをやっていたが、最近はずっと欝気味で生気が感じられない。しかしなぜか女性にはモテて、同僚の人妻リタ(パーカー・ホージー)に誘われベッドを共にするがEDのために役立たず。それに学生のジル(エマ・ストーン)は彼氏がいるくせにエイブに好意を寄せてくる。ある時ジルと一緒に行ったダイナーで、後ろの席の女性が悪徳判事に嘆く話を盗み聞きして、判事を完全犯罪で殺そうと思い立った瞬間エイブは人生の目標を見つけた気になり生気に溢れ、EDも回復しジルとも恋愛関係になる。勢い付いたエイブはジョギング中の判事を公園で待ち伏せ、判事の飲み物を毒物入りのものとすり替えて殺害に成功するが。
■ホアキン・フェニックス、『ザ・マスター』のイカれた主人公を想起してしまうが、何というかこの映画ではそこまでスケールはでかくない。力にものを言わせる訳ではなくて、欝気味なだけの小心者のインテリです。エマ・ストーンは『マジック・イン・ムーンライト』に続いての出演で、もうアレン組かもね。
■面白いんだけど、この映画をどう判断すればいいんだろう。エイブは自分が立ち直るためだけによく事実関係も知らない判事を殺してしまう時点で明らかにおかしいが、当初ベタボレでエイブの言うことは何でも聞く、と言った風なのにエイブの犯罪を知った途端オロオロしてしまうジルがバカ過ぎる。本当にバカ過ぎて呆れて笑ってしまうくらいなので、是非映画でご確認ください。
■ジャンルとしてはこの映画、コメディになるのか? コメディとしてもウディ・アレン風の超ブラックコメディである。ここまで書いといてアレだけどさすがに結末は書きませんが、バカバカしくてジルはやっぱりバカです。
■原題は『Irrational Man』、つまり「不合理な男」とでも言えばいいんだけど「おかしな妄想殺人」って邦題になってる。妄想は分かるけど殺人はおかしくないだろ。配給元が未だに70〜80年代のノリで邦題を考えてるのがいいのか悪いのか。
■人を選ぶけど、好きな人は好きな映画。
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