海を駆ける [映画]
■2018/5/27鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年45本目の邦画18本目。
■深田晃司監督作は『ほとりの朔子』(ああ、もう4年前だ)を含めまあまあ好き。ただ基本的に脚本兼演出で、ストーリーの完成度を求めない監督さんという実感があった。そりゃまあ、自分が撮りたい作品の話は自分で作りたいというのは分かる。最近そういう若手の監督さん多いし。でも、それをやっていいのは『万引き家族』とかの是枝裕和監督くらいの完成度が前提だと思うんだけど(『万引き家族』のブログはまだ書けていません。すいません)。
■インドネシアの海岸で、謎の男(ディーン・フジオカ)が全裸で打ち上げられる。彼は「ラウ」と名付けられ、インドネシア人と結婚した日本人・貴子(鶴田真由)の家に保護されるが、息子のタカシ(太賀)や、日本で挫折してインドネシアに逃げてきたサチコ(阿部純子)に対して、特殊な力で心を動かし始める。
■正直良く分からない映画でした。おディーン様に何をさせたいのか。インドネシアの映像は素晴らしいんだけど、おディーン様のセリフは英語以外は極端に少なく、ボロを出させないためにわざとやってるんじゃないかと。
■ま、この後の話ですが『空飛ぶタイヤ』のおディーン様の芝居は大根じゃなかったけどね。
■この映画単体としてはお薦めしません。アカン部類です。
ゲティ家の身代金 [映画]
■2018/5/27鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年44本目の洋画27本目。
■リドリー・スコット監督作。御年80歳でこの創作意欲には恐れ入る。まあそれ言ったら、ウディ・アレンやクリント・イーストウッドもそうなんだけどね。しかしこの映画が凄いのは、本来主演だったはずのケヴィン・スペイシー(ゲティ氏役)がセクハラ問題で降板せざるを得ず、結果ケヴィンよりはるかに年配のクリストファー・ブラマーがゲティ氏をやることになり、大幅に撮り直したとか。80歳でそのガッツって何。
■1973年のローマ。アメリカ一の大金持ちと目されていたゲティの孫、ポール(チャーリー・プラマー)が誘拐され、1700万ドルという法外な身代金が要求される。当時のアメリカ一の金持ちのゲティは、ケチなのでそれを拒否する。ポールの母ではあるが、ゲティのバカ息子と離婚していたゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は何とか金を引き出そうと奮闘するが効果なく、結果、ゲティの部下のチェイス(マーク・ウォルバーグ)の助けを得ることになる。
■実話ベースだそうですが、当時小学生だったオレには全く記憶なし。でも面白かったけどね。意匠的には当時の様式美を再現してて面白かった。
■強くではないですが、レンタルや配信で見られる機会があればぜひ。
友罪 [映画]
■2018/5/27鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年43本目の邦画17本目。
■一昨年のヒット作『64ーロクヨンー』以来の瀬々敬久監督作品。メジャーな作品を撮りつつ、現在公開中の『菊とギロチン』(未見)のようなどちらかというとマイナーな作品も撮っている硬軟自在な監督という印象。廣木隆一監督と似たスタンスかな。余程の大物でもない限り、著名な監督でも好きな企画を何でも通せる訳ではない、というのは当たり前のことでもあるけどね。今作は瑛太、佐藤浩市など『64』とキャストが結構被っているので興味はあった。
■週刊誌のジャーナリストだった益田(生田斗真)は、ある事件をきっかけに仕事を辞め、町工場で働くようになる。同僚の鈴木(瑛太)は自分を語らない男だったが、益田と鈴木は少しずつ友人関係を築いていく。心を許せる友になったと思った益田だったが、近隣で児童殺人事件が起き、それが17年前の児童殺人事件との関連性がネットで拡散される。その情報をネットで見た益田は愕然とする。「17年前の犯人の現在の姿」として拡散された画像は、鈴木に酷似していたのだ。
■「未成年者による殺人」は映画やドラマのテーマとして時折扱われる。被害者と加害者の人権を対比させて描く例が多い。現行の少年法では加害者が極刑に処されることはないため、現実でも「酒鬼薔薇事件」の「少年A」の現状に悶々としている人も多いだろう。
■この映画においてもモヤモヤ感は同じ。何が正しい結末か、というのは分からないので残尿感のようなものはある。生田斗真もきっちり芝居しているが、とにかく瑛太の演技が凄まじい。それだけでも観る価値はあると思う。
■毎度のお断りになってしまうが。遅筆ゆえ当然上映は終わっております。レンタルか配信でぜひ。