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不道徳教室@神奈川芸術劇場 [舞台]

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■6/1鑑賞@KAAT(神奈川芸術劇場)。早いもので今年もう舞台4本目。6月中に友人が出演している舞台も観に行く予定なので本数が増えそうだ。友人や知人に「今年は映画や舞台ものすごく観てるよね?」といわれるが(ほぼFBやブログにUPしてるので当たり前だが)、特に理由はない。強いて言うなら映画は娯楽として安いのと(舞台はカネが張るがorz)、これだけインプットしてけば何かのアウトプットが出てくるのではないかと。今のところ妄想にとどまっておりますが(笑)。

■KAATは2年前に三谷幸喜「国民の映画」を観に来て以来だが、結構好きな劇場だ。山下公園近くというロケーションもさることながら、劇場全体のデザインもすごくいい。椅子はちょっと硬いけどね。「ザ・スズナリ」のような小劇場もいいんだけど、こことか東京芸術劇場、世田谷パブリックシアターのような新しい劇場は「舞台を観に来た」という感じで背筋がピンと伸びる。いや実際には伸びてないけど。

■岩松了作・演出で、出演は大森南朋・二階堂ふみ・黒川芽以・趣里・大西礼芳、あと岩松さん本人も出てる(先週「中学生円山」でも観たが)。全員舞台では初見だが、趣里と大西礼芳はそれ以外も含めて初見。実はこの舞台の目当ては二階堂ふみだったりするのだが、アラ50男がそれを声を大にしていうと通報されそうでモゴモゴ。しかも今回座席がなんと最前列の中央近く。自分の観劇史上最良の席だ。ま、そんなに広い劇場ではないんだけど。

■脚本は岩松さんなのだが、原案というか原作は、文豪川端康成の小説「みずうみ」なんだそう。小説を読んだことないのだが、生徒をストーキングする教師の話という基本設定は合致しているらしい。つまりこの舞台は、女生徒(二階堂ふみ)をストーキングする高校教師(大森南朋)の話です、大雑把に言えば。二階堂ふみの同級生が趣里と大西礼芳。黒川芽以は謎のマッサージ師。そして高校の教頭が岩松了。

■何というか幻想的な舞台。各人必ずどっかおかしいし(岩松了を除く)台詞は文学臭が濃いし。時間軸通りには物語は進行しないので若干分かりづらい。でも何というか、それでも、女子高生たちのキテレツなダンスがあったりとか、ところどころ笑えてしまうという変わった話でもある。最終的に、伏線をかなり回収せずに話が終わってしまうというのもある意味すごい。全部岩松さんの想定内なんだろうが。キャストが観客席を走り回るという演出も面白い。

■役者陣は、大森南朋はドラマ(「ハゲタカ」「龍馬伝」)を見て想像した通り上手な人だった。あと、謎のマッサージ師の黒川芽以が意外に良かったな。この人はちょくちょくドラマや映画に出ているのだけど、オレ的に印象に残ってるのは映画「僕たちは世界を変えることができない。」のデリヘル嬢の役かな。別に変な意味じゃありませんよ。

■しかし特筆モノはやはり二階堂ふみ。「ヒミズ」「悪の教典」では観ていたが舞台では初見。ビックリした。19歳とは思えないくらい芝居が上手いし声も通ってる。黒髪ボブ&ブチ切れ系として、橋本愛に通じるものはあるけど、現時点では二階堂ふみの方が先行ってるかな(橋本愛ファンの方すいません)。その才能がオレから最短距離1mで(顰蹙買いそうなので以下略)。

■結果、何となく腑に落ちない舞台ではあったのだが、なぜかもう一度観たい気になっている現状。KAATでの公演はもう今週で終わりなので、続くシアタートラムでの公演に当日券狙って行ってみようかと思っている。

■観劇後は近隣に住んでいる友人夫妻と合流し、中華街ー関内ー野毛とハシゴしてベロベロで帰りました。こんな感じで。

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おのれナポレオン@東京芸術劇場 [舞台]

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■4/7鑑賞@東京芸術劇場プレイハウス。昨年は演劇を1本(「生きちゃってどうすんだ」)観ただけなのに今年は既に3本目。一旦観だすと続いちゃうんだよな。6月にもKAAT(神奈川芸術劇場)でのチケット取ってるし(何を観るかは後日)。この舞台は正攻法でチケット取れなかったので、プレビュー公演は比較的当日券が出やすい、とのオフィシャルtwitterの情報を信じて、日曜日だし1年半振りくらいに池袋に突撃。東横線と副都心線直通の結果、東横線地下化にたくさん文句を垂れているわたくしだが、東横線沿線ではなくてその支線(多摩川線)沿いに住んでる身としては、渋谷で降りないで池袋から先下車は超便利と気づいた。最寄り駅から40数分で池袋に着くんだもの。ま、そう使う機会はないと思うけど。

■東京芸術劇場は、同じく三谷幸喜脚本演出の「ろくでなし啄木」以来だから2年ちょい振り。どうも以前のイメージと劇場が少し違うと思ったら、その間に改装してたそう。東京芸術劇場は結構古くからあるみたいだけど、改装後のイメージはすごく快適。同じく2年前に行った世田谷パブリックシアター(ここはフットプリントが小さく、三階席まであるのでちと高所恐怖症の人には向いてない)や、KAATなんかは最新型の劇場という気がする。例えば「ザ・スズナリ」みたいなところはそのまんまでいいんだろうが、繁華街にある「PARCO劇場」はそろそろ改装の時期じゃないかと。

■前置き長くて申し訳ありません。当日券は取れたけど立見でした。でもプレビュー公演ということもあり、メジャー演劇をたった3,000円で観れたのはかなりなお得感が。主演は野田秀樹。何でも自分の脚本・演出以外で役者として出るのはほぼ初めてとか。脇を固める役者陣も凄い。天海祐希、山本耕史、浅利陽介、今井朋彦、内野聖陽。ま、オレ的には(山本耕史以外は)皆様舞台では初見なのだがTVドラマなど存在感を発揮している面々。

■で、タイトルでも分かる通り、ナポレオン・ボナパルトが皇帝の座を失った後、セント・ヘレナ島に幽閉されて死に至るまでの話と、その20年後の話。ナポレオンの死因は「胃癌」「ヒ素による毒殺」他諸説があるけど(これは史実みたい)、このお話は「ヒ素による毒殺」ベースの話。でも安心しないでね。最後にどんでん返しがあるから。ミステリーでもあるのでこれ以上の詳細には触れません。

■三谷さんの脚本はまあいつも通り素晴らしいのだが、やはり役者陣の演技に腰を抜かした。野田秀樹、初めて生の演技を観たけどまさに怪物。この人が演ずれば、極端な話、例え三谷幸喜の脚本でなくてもメチャクチャ面白いに違いない。脇役も凄くて舞台慣れしてる役者さんばっかり。天海祐希はさすが元宝塚だし、三谷組常連の山本耕史も安定。今井朋彦っていう人はそれほど知らないけどちゃんと声が通っている。浅利陽介くんはこのキャストの中ではペーペーなので大道具も兼ねてたけど(笑)、意外とキーマン。そして内野聖陽。この人凄いわ。ほぼ同じ衣装で同一人物の20年前後を演じ分ける。山本耕史が9歳児の声色を使ったのも笑ったけど。

■三谷脚本にしてはエンジンの掛かりが遅く、笑いの比率が通常比10%減くらいだし、最後のオチが、「ああ、やっぱそうか」って言う感じでひねりが今ひとつないけど、面白いです。

趣味の部屋@PARCO劇場 [舞台]

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■3/27観劇@PARCO劇場。先月の「ホロヴィッツとの対話」に引き続きここに来てしまった。幸いにもチケットが取れたおかげなのだけど。舞台は今年二本目。

■基本オレの年齢(アラフィフ)だと大概の方は渋谷が苦手だと思うし、加えて東急線沿線に住んでいるオレとしては、東横線渋谷駅地下化以降の渋谷駅での乗り換えは最悪だ。でも2週間前(岡村ちゃんのライブ)のためにも渋谷に来てしまった事実。スマン今後は舞台とかライブとか蒲田中心でやってくれ。絶対無理だけど。

■何で行ったかというと、最近熱烈注目の脚本家の古沢良太さんの作ということが大きい。彼は若手(オレと比べてね)の中で一番好きな脚本家なのだ。「Always 三丁目の夕日」「鈴木先生」「リーガル・ハイ」などなど。脚色も凄いし、オリジナルでもすごく魅力的な脚本を書ける人。舞台にも進出してるというのを知ったのは最近だけど、是非観ねばと。演出の行定勲さんは監督作の映画を数本観てはいるけど、舞台演出を観るのは初めて。この辺の仕掛けは、PARCO劇場のオフィシャルサイトによると、主演の中井貴一がプロデュースも兼ねてて、すべて彼の差し金らしい(笑)。ちなみにチケ代は8,000円でした。同じ小屋で同じような役者のランクとキャスト人数の「ホロヴィッツとの対話」より1,800円安い。やはり渡辺謙のギ(以下自粛)。

■それ以外のキャストは川平慈英、白井晃、戸次重幸と原幹恵。原幹恵ってオレの中ではグラドルの子で、時々ドラマにも出てるという程度の認識なのだけど舞台もやるのね。
話は、5人の男が自分の趣味に心置きなく耽るためにマンションを共同で借りているところ、仲間の木下くん(舞台には出てきません)が2週間ほど顔を出さないと残りの4人が気にしている時に、婦人警官の女(原幹恵)が「木下くんが行方不明で捜索願が出ている」とマンションを訪れるところから始まる。

■以下、「サスペンス・コメディ」なのでその後の話には触れないが、爆笑に次ぐ爆笑を呼びつつ話が二転三転していくところはもう脚本の古沢良太の力量というしかない。白井晃がガンダムオタクの大学教授という設定なので、ガンダムネタがかなりの比率で出てきてこれがかなりオカシイ。女性の演劇ファンはなんとなくガンダムとか詳しくなさそうな気がするので少し損かも。そしてなんと、演劇愛を感じさせる楽しい結末なのだ(すいませんちょいネタバレ)。

■中井貴一を始めとする役者陣も手練で凄いの一言。川平慈英や白井晃は知られているだろうけど、戸次重幸は大泉洋の属する札幌の演劇集団「TEAM NACKS」の一員ということもあり、さすがに舞台慣れしている。紅一点の原幹恵はさすがにこの4人の前だと霞んでしまうけど、まだ舞台経験が浅いみたいで、これからというところかな。

■という訳でお勧めの舞台ですが(当日券もあるので根性出せば取れるかも)、あえて不満を言うなら古沢良太の脚本があまりにも精緻すぎて、ちょっと息が抜きづらいというところかな。脚本には少しの破綻があったほうがいいかもなと思う素人なのであった。


ホロヴィッツとの対話@PARCO劇場 [舞台]

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■ああ、やっと久々に映画以外のエントリを書けたw 今回ちょい長いです。すいません。

■2/13鑑賞@PARCO劇場。もちろん今年一本目の舞台。脚本&演出は三谷幸喜。出演は渡辺謙/段田安則/和久井映見/高泉淳子。2011年は三谷幸喜の全舞台を観たわたくしだが、昨年も沢山掛かってたのにも関わらず、チケ取りも積極的にやらなかった結果、一本も観ていない。観すぎた結果少し飽きてきてたのかもね。で昨年観た舞台は大人計画(というか松尾スズキの一人芝居)の「生きちゃってどうすんだ」の一本きり。

■PARCO劇場は都合たぶん3回目なのだが、どうもちょっと慣れない。まあ観た記憶は全部三谷幸喜脚本/演出の舞台で、最初は斉藤由貴主演の「君となら」。1995年の作品なんで、おいおいどんだけ昔なんだよと。実は遅れてきた演劇中年でもあるわたくしは三谷舞台初体験。二度目は2011年の「90ミニッツ」。最初の席は覚えてないけど、「90ミニッツ」は前から5列目、今回に至っては前から2列目というメチャクチャいい席(ただし端だけどね)。つー訳でかなりいい環境で観ることができた。

■最近の三谷さんの舞台は、翻案は別にして基本的に実在の人物中心。今回は伝説的ピアニストのホロヴィッツ(段田安則)とその妻ワンダ(トスカーニの娘:高泉淳子)、とホロヴィッツの専属調律師であるフランツ・モア(渡辺謙)とその妻エリザベス(和久井映見)が登場人物。舞台を観たあとすこし調べたが皆さん実在の人物だったよう。エリザベスは分かんないけどたぶん実在だろう。

■ざっくりと状況だけ。フランツの家にホロヴィッツ夫妻がディナーのために訪れるという情景の話。で例によって三谷流の細かいツッコミで細かい笑いが連鎖する。それだけではなく音楽に向き合うものとしてのシリアスな話も繋がってくるんだけど。劇伴はすべてピアノなのだが、大部分作曲者の荻野清子さんが生で(ビックリ)演奏している。オペラを生で観たことはないので、こういうのは初体験。かと思ったら同じ三谷舞台「オケピ!」ではフルオケが演奏してたな。

■もちろん面白かったんだけど、いつもの三谷舞台と比べて、お笑いとシリアスのリンケージがあまりうまくないというような印象が。話のひとつの鍵はホロヴィッツ夫妻の娘ソニア(これも実在)なんだけど、そこまでの流れがなんかぎくしゃくしてる。ソニアにまつわる話はネタバレになってしまうので避けるけど。

■役者陣はオレなんかがケチつける話ではもちろんないんだけど、渡辺謙は十数年ぶりの舞台、和久井映見は初舞台とのことで、基本高泉淳子にかなり食われてた気がする。段田安則はいつもの通り飄々と演じていたけどね。高泉淳子さんはオレも含めてそんなに馴染みがない方だと思うけど、最近ではドラマ「主に泣いています」でトキばあをやってた人。間違えやすいが高畑淳子ではない。

■オレ的にはやや消化不良だった話なんだけど、その要因のひとつはオレのクラシックに対する素養が決定的に欠如していることだと思う。わかる人ならもっと楽しめるはず。ホロヴィッツだって身近な存在じゃないし。ただホロヴィッツの最後の来日時はオレは大学生だったのだけど、演奏を吉田秀和が「ヒビの入った骨董品」と評したのが話題になったのは覚えている。同期にクラシック好きの奴が多かったので。

■この舞台自体の話はここまでであとは余談。チケット代はなんと9,800円と半端無い高さ。パンフも1,800円とバブル期のような価格設定でシャレになってない。自分が観た三谷舞台の料金の中でも二番めに高い。一番高かったのは、シアタークリエでやった「恐れを知らぬ川上音二郎一座」で10,000円。でもそれ以外はそこまで行かず、一昨年観た同じパルコ劇場での「90ミニッツ」は7,500円だった。「恐れを知らぬ」はキャストの数がかなり多かったので分からなくもないけど今回は4人。まあ、渡辺謙のギャラが理由だな。あ、disってないですよ。

■で、料金の高さに比例するように観客層はやはり年齢高め。若者が舞台を嫌いって訳ではないと思うけど、やはりこの値段では足が遠のくだろう。オレも若いころ全然観てなかったし。で思ったのが、先日観た映画「演劇1・2」に登場した平田オリザが提唱している「芸術保険」。まあ健康保険よろしく国民から定額で保険料を徴収する代わりに映画や演劇を7割引くらいで観れる制度。正直現実味はないし、実施してる国もないけどね。でも欧州とかは寄付金が多いせいで格安に舞台とかを観られるそうだ。

■例えば韓国なんかはエンタを重要産業と認めて国のサポートも手厚いらしい。日本も製造業がサチってるんだから、エンタに国策で投資するっていうのがあってもいいと思う。そういうことを考えると、筒井康隆の小説「美藝公」になっちゃうかな。考えすぎでした。

■おまけ。生で観た和久井映見はかなりグラマー(死語)でしたw


生きちゃってどうすんだ@ザ・スズナリ [舞台]

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■12/14鑑賞@下北沢「ザ・スズナリ」。昨年は三谷幸喜の舞台完全制覇を始めとして7本も観たのだが、今年はなんとこれが初めて。しかも宮藤官九郎の映画・ドラマとか結構見てる割に、初めての大人計画である。まあ主宰の松尾スズキの一人芝居なのだが(映像で大人計画の劇団員は多数出てくるけど)。実は今年(2012年)の春の舞台「ウェルカム・ニッポン」には行こうと思いチケットを取ったつもりだったのだけど、下北の本多劇場を取ったつもりが実は平日の大阪公演で泣く泣く諦めた(わたくし東京在住です)というようなこともあったのだが(汗

■何とかかんとかチケットを入手して金曜の夜の回に。大人計画もそうだけど松尾さん人気あるなあ。スズナリはキャパは決してでかくないのだけど、それにしても超満員である。

■ストーリーは、伝説の芸人「スズちゃん」(もちろんスギちゃんではない。松尾さんの芸名によるのか?)を巡り、関係のあった人々が関係を語っていき、最後にスズちゃん本人が登場するっていう話。スズちゃんは100歳でまだ死にそうにない。でも特に彼の親族は、体から角が生えてくるという奇病で早くして亡くなっていく。ユニコーンの比喩が入ってるんだろうかと、ブレードランナーオタクのわたくしなんぞは思ってしまう。

■一人芝居なので、全部松尾スズキが演じるのだが、まあ爆笑を挟みつつ大変満喫した。個人的には最初のオカマ「アドリエンヌ林田」はちょっと個人的にダメだったのだけど。あ、別にセクシャル・マイノリティを差別するとかそういう意図は全くありません。生理的にダメなだけで。薄ら汚い松尾さんの裸体もプラス効果か。人のことは言えないけど。

■笑いはたくさん入ってるけど毒も沢山入ってます。311の話もひとつ大きなファクターとして入ってるし。最後の方はあまり笑えないけど話の展開と松尾さんの芝居にグイグイ引き込まれます。で、この舞台は「松尾スズキ50歳。一人で散らかし、一人で片付ける!」というキャッチコピーでも分かるように、本人が50歳を迎えたということも大きいだろう。スズちゃんが100歳っていうのもちょうどその倍だし。同世代としては(1歳下)響くものがあるな。

■タイトルは「生きちゃってどうすんだ」だけど、話と特に最後の松尾さんの演技からすると、「それでも生きてくんだよこの野郎!」という意志の表れな気がする。必見、っていっても東京公演は既に終了してて地方だけなんですよすいません。

■たぶん今年唯一の舞台ではベストチョイスじゃなかったかと自己満足。で、来年2月には三谷幸喜の舞台「ホロヴィッツとの対話」(主演:渡辺謙)を鑑賞予定。しかも前から2列め@パルコ劇場。


【他ブログより再録】国民の映画@KAAT [舞台]

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■2011年4月23日鑑賞。今年舞台三本目で三谷幸喜二本目。実は抽選でなく土曜日の昼の回が普通に取れてしまったのだ。キャストが地味なせいか(失礼)、あと横浜の回というのもあるかも。意外と近いんだけどね。 神奈川芸術劇場(KAAT)っていうのは20年くらい前にワタクシが住んでいた時にはなかった。でもかなり立派な劇場である。

■面白い舞台だったがちょっと重かった。ナチス・ドイツ時代の映画製作の話で、ゲッペルス=小日向文世という話。時代だからやむなし、というところはある。勿論笑いどころもあるけど、三谷幸喜初心者にはあまり勧められないかも。ま、でも役者さんが全員芸達者なので面白かった。

【他ブログより再録】ろくでなし啄木@東京芸術劇場 [舞台]

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■今年観た舞台の感想の他ブログからの再録と加筆。映画もやりたいけど収集つかなくなっちゃうので。

■2011/1/8に観た。今年初の芝居。もちろん作:三谷幸喜@東京芸術劇場。昨秋から競馬で当たるわ麻雀で勝つわ、プラチナチケットは取れるわの謎のツキ。ただ肝心なところはついてないんだよなあ。東京芸術劇場は初めて。えらく立派な劇場である。

■題材はもちろん石川啄木。で、藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵の3人芝居。

■「ミステリーっぽい」と言う触れ込みで半分不安で観に行ったんだけど。心配不要。特に後半は三谷幸喜らしく大爆笑。役者さんの動きも凄い。特に勘太郎。ただ話の粗筋にふれると若干ネタバレっぽいので書かない。

■というわけで大満足。ただ人気芝居の場合、「チケット取り辛い」「チケット代が高い(今回一万円!)」という不満がつきまとう。前者はしょうがないにしても、後者はなんとかならんかな。若者が芝居を観るのは難しくなる一方。あ、俺若者じゃないけど。

■ただ恐ろしいことに、今の若者は石川啄木すら知らない人が多いような気がする。そういう奴が観に行っても(行かないだろうけど)あんまり面白くないと思うので念のため。

■2015/10追記。まったく忘れてたけど、今や福山雅治夫人の吹石一恵の舞台を観てたんだなオレ。そう舞台に出る人ではないので、貴重かも知れない。

90ミニッツ@PARCO劇場 [舞台]

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■今年7本目の舞台。三谷幸喜の舞台としては4本目(「ろくでなし啄木」「国民の映画」「ベッジ・パードン」に続く)で、なんと今年の三谷幸喜舞台完全制覇。今後の人生でもこういうことはないだろうな。なんせチケット本当に取りにくいもの。

■当初は先輩と行く予定だったのだが、先輩が急遽大阪転勤になったので、知り合いの某嬢を誘って一緒に行った。天気の良い土曜日で心地よし。PARCO劇場は10年以上前に同じく三谷幸喜の舞台「君となら」で行ったことがあったはずなのに、間違えてPART3の上に行ってしまい受付のお姉さんに聞いて事無きを得た次第(汗)。

■なんと席が前から5列目という、自分観劇史上最高にいい席。これが深津絵里の時だったらいいのに男二人芝居とは・・・いやいや贅沢は言うまい。

■という訳で西村雅彦と近藤芳正の二人芝居。これから観る人のために詳細なネタバレは止めておくが、医者と患者の父親の「倫理」を巡る話。実際の「エホバの証人」事件を下敷きにしているらしく、冒頭にテロップでディスクレーマーが出る。

■三谷作品というと舞台だろうが映画だろうがドラマだろうが、笑いが盛り沢山、というイメージを持つ人が殆どだろう。しかし笑いがないわけではないがその比率が物凄く少ない。自分が観た作品のなかでは最も少ない。でもつまらないというわけではなく、凄く面白くかつスリリング。まさに「息を呑んで見守る」という感じ。あと三谷作品としては上演時間が非常に短く、ホントにタイトル通りの90分ちょいだった。

■重くいろいろと考えさせられる話だったが、観劇後は充実感と幸福感があった。んで早く終わったので昼間っから某嬢とビールなんぞ飲み、いい気分になったのだった。

クレイジーハニー@北國新聞赤羽ホール [舞台]

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■今年5本目の舞台です。出不精の割によく見てるな。本谷有希子の舞台は一度見てみたかったし、ともに初舞台になる長澤まさみとリリー・フランキーの組み合わせというのにも興味があった。

■なんと物好きの極みで、金沢まで遠征しての観劇。なんでかって言うと単にPARCO劇場のチケットを取り忘れたのだ。で地方公演に行こうと思ったのだが、どうせなら名古屋や大阪なんて半端なところではなく、昔何回か行ったことのあるお気に入りの街、金沢を20年ぶりに訪問しようと。結果それが大正解だったのだが。

■で昼前に金沢に入り(台風で飛行機が結構揺れた)、街をぶらぶらしつつ夕刻。劇場の北國新聞赤羽ホールは3年前くらいにできた築浅のホールで、演劇専用ではないようだがウッディな感じが心地よい。しかもそれほど大規模ではないので、後方だったワタクシの席でも、役者さんの表情がしっかり見て取れた。客層は都市部のような舞台マニアとか演劇ヲタ(同じか)ではなく、年齢層も若干若めでファミリーとかもいる普通の方々。おそらく一番酔狂なのは東京からわざわざ参上したワタクシか。

■舞台は始まる。長澤まさみってTVとか映画でしか見たことなかったので(初舞台だから当たり前)、演技の進化具合に身震いする。最後の方の怒鳴るシーンなど、7月に見た舞台「ベッジ・パードン」の深津絵里が一瞬ダブって見えたくらいだ。リリー・フランキーは、小説「東京タワー」の印象もあって、TVとか映画では「誠実なインテリ」的な役振りが多いし、本人の「東京タワー」以外の文章を読むと、エロで下品な人で女性にモテそうだし、たぶんモテるんだろう。が今回の舞台では、オカマという、ワタクシ的には本人と真逆の印象がある役を怪演している。
スイマセンこの項全部超上から目線です。

■んで本谷有希子。パンフによると(パンフ自体凄く面白かった)、今回のテーマは「人と人との繋がり」のネガティブ方向なもの、であり別にファンに対する自分の感情を反映させたものではないという。嘘だろ。長澤まさみやリリーさんは毒吐きまくってたよ。例えば自分は舞台に上がらないで相手の足だけ引っ張ろうとする姑息な連中、特に現状のネット社会も含む、に対して。

■この舞台はいわゆる「予定調和型」ではない。話の筋として完結させるという点では「予定調和」なのだが、普通の予定調和ではなく別次元のものだ。とにかくいろんなノイズを取り込んだ上で物語を作っていくという本谷有希子の姿勢には、三谷幸喜とは別の意味で感動してしまった。
本谷有希子は「予定調和なんてクソくらえ」と思っているのかも。ひとつのお話としての作法上では、最終的に話をまとめることが必要なのだが、「まずゴールを決めてそれに辻褄が合うように話を作っていく」のではなく、「全ての要素を洗い出してその上で結論を探る」という方針ではないのか。勉強になる。ワタクシが物語の作法を勉強しても意味はないのだが、これ一般論にも転化できないだろうか。企業での仕事だって政治だって。結論だけ決めてそのストーリーに沿わないマイナス要素を排除するってのは、効率的かも知れないが手抜きでもある。

■カーテンコール。舞台をよく観られている方ならご存知かと思うが、普通キャストが話すことはあまりないし、ましてや脚本・演出の方が話すことなんて(ワタクシは)今まで見たことない。しかしなんと本谷有希子本人登場! 結構美人だ! そして長澤まさみも(恐らく素に戻って)だらだら話す。そしてリリーさんは「何が言いたいのかよく分からない」と長澤まさみにツッコむ。実は今回の舞台のキーポイントのひとつは長澤まさみのミニスカ超美脚なのだが(反論は許さん)、その美脚&このゆるいカーテンコールと毒々しいお話のアンビバレントさ。もし計算上だったらっていうか絶対計算上だと思うのだけど、本谷有希子マジで恐るべし。

■本谷有希子が地元石川県出身ということもあって(本人が言ってたので初めて知った)、劇場内は拍手喝采。面白い舞台を観ると、やはり人は幸せな気分に浸れるのだなあ。が、隣の席の人はお父さんとその小学生くらいの息子の二人連れだったのだけど、後半は息子ずっと黙ってた。そりゃ子供にはキツイ話なんで、お父さんその辺は考えてあげないと。

■このエントリは、実は先にこの舞台を見た知人・友人お二人の記事に若干インスパイアされてる。一人はプロの演出家・脚本家・作家の方で、もう一人は本業はコピーライター。本来ならリンクを貼るべきですが、悔しいので貼りません、ヒキョーものです。

■やはり今回の舞台のワタクシ的イメージは美脚金沢。長澤まさみは言わずもがな、金沢の街はショートパンツの生足美脚女子が結構多かったのだ(東京だとレギンスやタイツとか多いし)。結論それかよ(←自己ツッコミ)。

強烈なアウェイ感:ベッジ・パードン [舞台]

■前回のエントリの続き。ただし舞台そのものの話ではない。

■前回も書いたとおり、ここ数年の三谷舞台としてはすばらしくいい出来だったので、上演期間が今月中ということもあり、せめて当日券でいいからもう一回行けないかとネットを色々調べた。そこで上演中の周りの観客に対して気づいた違和感の理由にやっと気づいた。10年以上前、友人に誘われて行った、パナソニック・グローブ座の市村正親と勝村政信の二人芝居「ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ」の時と同じような違和感。

■単純に言うと、女性の観客、特にオバサマがかなり多いのだ。で今回の場合は大部分萬斎ヲタ(前回の違和感は市村ヲタ)。でゲラが多いので、下手したら台詞を聞き逃す。しかも彼女たちには深津絵里の熱演なんて全然目に入っちゃいない。大泉洋の暑苦しい演技も浅野和之の1人11役も。あくまで彼女たちの対象は「萬斎様」。うわなんだこの強烈なアウェイ感。

■誤解を恐れずに書くと、まあこんなチケット代の高いメジャーな舞台は金持ちの道楽だよな(私は金ないけど)。仕方ないと言えば仕方ない。がもうあのアウェイ感は御免だと思い、もう一回行くのは断念したのだった。

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